Vol.13 おしっこが教えてくれること 〜こどもの尿検査のおはなし〜

こんにちは、うにし小児科です。お子さんが熱を出したとき、「今日は検尿をしましょう」と言われて、(どうして今日は尿を調べるのかな?)と思われたことはありませんか?

実は先日、当院で診察後にお願いしているアンケートに、こんなご質問をいただきました。「熱で受診することが多いのですが、検尿をする時としない時があります。その違いは何でしょう。先生に伺うタイミングがなく、理由を知りたいです」――。

なんて良いご質問だろう、と思いました。診察の場では、ゆっくりお話しする時間が取れないこともあり、いつも心苦しく感じています。今日はこの場をお借りして、こどもの尿検査についてお話しさせてください。

尿検査の、うれしいところ

尿検査のいちばんの良さは、お子さんに痛みや負担をかけないことです。血液検査のように針を刺すこともなく、ただおしっこをとるだけ。それなのに、体の中のことをたくさん教えてくれる、とても頼もしい検査です。

なぜ、熱があるときに尿を調べるの?

その熱の原因が「かぜ」ではなく、「尿路感染症」という、おしっこの通り道の感染症であることが少なくないからです。とくに女の子は、体のつくりの上で、この感染症を起こしやすいことが知られています。かぜの症状がないのに高い熱が続くとき、私はまず、この病気を思い浮かべます。

尿路感染症は、おしっこの中に「白血球」――ばい菌と戦う細胞――が出ているかどうかで見分けます。この検査をせずに診断することはできません。そして、もし感染が腎臓にまで及んでいたのを見のがすと、小さな腎臓に傷を残してしまうことがあります。だからこそ、早めに見つけて、しっかり治してあげたいのです。

水分が足りているかも、分かります

尿が教えてくれるのは、感染のことだけではありません。おしっこの「濃さ」を見れば、お子さんの体に水分が足りているか――脱水になっていないか――も分かります。小さな一滴が、これほど多くを語ってくれるのです。

実は私は、小児科医であると同時に、腎臓を専門に診てきた医師でもあります。長年おしっこと腎臓に向き合ってきた者として、この検査の大切さを、いつも実感しています。

気になったら、遠慮なく聞いてくださいね

もちろん、熱のたびに必ず検査をするわけではありません。お子さんの様子やこれまでの経過を見て、必要と考えたときにお願いしています。「今日はどうして調べるのかな」「今日はしないのかな」と気になったら、どうか遠慮なく、その場で聞いてくださいね。お答えするのが、私たちの役目です。

うにし小児科は、これからも、みなさんの小さな「なぜ?」を大切にしていきたいと思っています。アンケートに声を寄せてくださったことに、心から感謝を込めて。