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蕁麻疹

1つ1つはまるで蚊にかまれた時のような赤く、ぼこっと地図状に腫れたあの痒い痒いやつです。1個だけ出現することもあれば、全身に多発したりつながってまるで大陸のようになることもあります。蕁麻疹も出やすい人とそうでない人の差が激しく、毎日お薬を飲んで抑える必要がある人もいれば、人生で1回も出ない人もいます。

蕁麻疹は老若男女、誰でも起こるので病院でも蕁麻疹の患者さんは結構多いです。原因としてはやはりアレルギーで起こることもあるので、怪しいきっかけがないかの確認は重要です。もうすでにはっきりアレルギーが分かっている人がうっかり食べたり触ってしまったりした場合は分かりやすいですが、初めて何かを食べたり、動物を触ったり、また新しい薬を飲み始めたというエピソードもしっかり確認する必要があります。

蕁麻疹の患者さんの多くは、何かアレルギーを起こしたに違いないと強く信じて病院に来られるように思います。蕁麻疹も非常に研究が進んでいる分野ですが、実際にはアレルギーによる蕁麻疹は全体の10%程度しかなく、残りの90%程は特に誘因なく唐突に起こります。「原因が分からない」、ではなく、「原因がない」のが90%ということです。

アレルギーが原因の場合には摂取後や接触後にひどい症状が出ても、翌日以降は急速に消退あるいは改善します。特定の原因から離れると症状はすぐにましになるからです。一方で原因がないパターンでは数日にわたって出たり消えたりを繰り返すことが多いでしょう。特に体温が上がる食事時や夜間にひどくなります。従って湯舟につかるのはやめましょう。夏であれば、逆に冷たいシャワーを浴びるとかゆみがかなり楽になります。

治療としてはアレルギーが疑われる場合は原因の除去をした上で、抗アレルギー薬の内服がメインとなります。塗り薬も処方されることが多いですが、一つ一つの蕁麻疹は数時間で出たり消えたりするので、塗り薬単独ではもぐら叩きのようになってしまいますのであくまで内服薬の補助的役割と考えるのがよいでしょう(家にある痒み止め軟こうやステロイド軟こうを受診までに使ってもOkです)。多くはないですが、中にはこの蕁麻疹が長期間継続する患者さんもいます。2か月以上続く場合を慢性蕁麻疹と呼ぶきまりになっていますが、ちなみに院長は蕁麻疹持ちです。睡眠不足の時に顕著に出ることを自覚しています。

さてエピソードから蕁麻疹の原因となりそうなアレルギーがない場合に、血液検査の意義はあるでしょうか?再三お話しているように、アレルギーの血液検査はそもそも正確度が低く、原因が分からない時に網羅的に施行して特定することはできません。蕁麻疹に関しても血液検査を施行する意味はほぼないということが研究で判明しておりますので多くの医療機関で施行していません(当院でも行いません)。

最後に、蕁麻疹は体調不良の時に出やすいことは皆さんのイメージ通りでしょう。熱が出た時は言うならば体の内側から温められているわけですからね。胃腸炎の時にもよく出やすいことが知られています。また、蕁麻疹単独はもちろん皮膚科の受診でもよいのですが、溶連菌感染の時には非常に皮膚症状が出やすいということは覚えておきましょう。蕁麻疹あるいは湿疹などの皮膚症状が熱や咽頭痛と共に出現した時は小児科の方を受診する方がよいでしょう。

夜尿症

夜尿症は「5歳を過ぎても月に1回以上のおねしょが3か月以上続くもの」と定義されています。7歳児における夜尿症の有病率は10%程度とされ、その後毎年15%ずつが自然に治るとされています。

尿は腎臓というところで24時間作られていますが、脳からの指令によってその製造スピードを調節しています。赤ちゃんの頃は当然夜だからなどお構いなしに尿が作られるため、夜間もおむつが活躍します。年齢が上がり段々脳が成長してくると、夜にたくさん尿を作るのは損だよね?と気づき始め、脳が腎臓に向けて抗利尿ホルモンというものを夜間にたくさん出すようになります。このホルモンは腎臓での尿製造をスピードダウンさせる働きがあります。

現在、夜尿症の治療薬として最初に使われるミニリンメルトというお薬はまさにこの抗利尿ホルモンのことです。舌下錠といって、舌の下に置いて吸収を待つタイプの薬剤で、飲むのを嫌がる子はほとんどおらず、また目立った副作用もほとんどない安全性の高い薬です。

この薬の登場により、夜尿症の子の治療薬としてまずは比較的気軽にミニリンメルトを試すのが一般的になりました。数か月試して改善のない子はその次のステップの治療を行うため専門の先生のところに紹介になるという次第です。

このようにミニリンメルトは非常に一般的に行われる安全な治療ですが、いくつか親御さんが知っておくべきことがあります。まず、夜尿症はそもそも無治療で自然に相当改善していきますので、必ずしも全員が全員薬物治療を必要とするわけではないということです。特に幼稚園や保育園の年代では深く悩みすぎないようにしましょう。

2つ目としてミニリンメルトは5歳から使用が可能ですが、実際には5歳では奏効率が低く、多くの先生は最低でも6歳以上、または小学校入ってからを治療の開始としています(当院でもそうです)。

3つ目として生活習慣を整えることの大事さを意識しましょう。寝る時間がばらばら、寝る前に水分やアイスを摂る習慣があるという場合には薬の効果は非常に低くなります。便秘がある児でも治療がなかなかうまくいきません。尿のタンクである膀胱の背側には直腸があり、そこに便が溜まっていると膀胱が圧迫されすぐに尿があふれてしまうためです。

最後の注意点としてミニリンメルトは非常にマイルドな薬であり即効性は期待できません。しっかり効くまでに最低でも2.3か月くらいはみておく必要がありますので、「野球の合宿が来週なので」とか、「修学旅行中だけでも出ないようにお薬が欲しい」などの直前の受診では間に合わないことを覚えておきましょう。

一方で、弟や妹が先におむつが外れた小学生などは非常によい治療適応となります。上の子としてのプライドにも関わり、性格形成にも影響がある可能性が指摘されています。

さて、ミニリンメルトはまだ不足しているホルモンを補充しているだけで、飲んでいる間だけ夜尿症が減る「はず」でした。ところがこの治療が広く施行されるようになってデータが積み重なってきて分かったこととして、ミニリンメルトで治療をした群は、無治療をした群より明らかに夜尿症の根治が早まることが示されました。このメカニズムはまだはっきり解明されていませんが、夜尿がないことで自信が生まれそれがいい方向に作用すること、ホルモンを入れることで逆にそれが自分のホルモン生成を刺激することなどの可能性があると言われています。

夜尿症が気になっているお子さんは、小学校入学前後をめどに一度受診をしてみて下さい。なお、その時期を逃したら治療が開始できない訳ではありませんので、年齢が大きいお子さんも(むしろ大きいお子さんこそ)ぜひご相談下さい。

どうでもいいことその28 上流階級のお嬢様

ふと思ったのですが、漫画や小説であり得ないくらい上流のお嬢様が、「それはうちの車ですわ。」ってな話し方することありますよね。

でも現実社会ではこんなしゃべり方する女の子はとんと見たことはないわけですね。

そう思ったら現実的な話として、関西弁のおっさんがコテコテで喋っているように見えてきて、もうそれで脳内再生余裕。

「びっくりしましたわ。阪神タイガースが優勝したんですわ。」

フルミスト(インフルエンザ点鼻ワクチン)について

★8月31日(日)深夜24時から予約受付開始予定★
接種期間:10月6日(火)~12月25日(金)まで。接種日の2ヶ月前から予約可能。

・フルミスト単独で接種の場合はワクチン専用枠(水曜日午後と土曜日午後)以外を選択してください(22時台の枠を選ばないで下さい)。
・一般ワクチンをすでに予約している同日にフルミストを追加で予約した場合は、同時接種が可能です(フルミストの事前予約は別途必要です)。この際のフルミストの予約時間は単独接種の方が取らないように意図的に22時台からに設定されていますが、クリニックには一般ワクチンの予約時間にお越しください。

★★接種が不可のお子さんがそれなりにいますのでよくお読みください★★
・従来の注射型のインフルエンザワクチン(不活化)と違い、生ワクチンを点鼻します。注射の痛みがないのは大きなメリットと言えます。フルミスト接種時に鼻汁が多い場合は鼻汁吸引を無料で行います。
・従来の注射型は準備に大変手間がかかっていたため、マンパワーの十分でない当院では数年前から接種を取りやめています。この点鼻型は準備が楽なため当院では点鼻型のみ取り扱いを行います。今年も注射型の接種は行いません(接種自体は推奨します)。
★2歳以上~19歳未満(当院では高校3年生まで)が対象です。0歳・1歳の乳児、保護者の方は接種できません。生ワクチンですが、他の全てのワクチンと特に何日空けないといけない、という制限はありません。
・年齢に関係なく1回接種で終了です。料金は8800円(現金支払いのみ)です。
・予防効果に関して、注射型と比較したデータでは年度によってやや優れていたたり、やや劣っていたりと流行株により少し差が出るようですが、ほぼ同等と言えます。なお効果の持続は注射型の数か月に対して、フルミストは約1年となっています。
★生ワクチン(生きた弱毒化ウイルスを使用)であるため、風邪症状あるいは軽症のインフルエンザ様症状が出現することがあります。このため本人、あるいは家族内に免疫不全の方がいる場合(抗がん剤中や長期ステロイド内服中)には接種できません。また旅行などのイベント直前の接種も避ける方が無難でしょう。ただし副反応が出たからと言っても軽症なら受診は特に必要ありません。
★副反応で喘息発作の報告があるため、喘息をお持ちのお子さん(かぜをひいた際、当院でいつもモンテルカストなどの喘息薬あるいは喘息テープが処方される児)はフルミストが接種できません。注射型が推奨されます。
★心臓疾患や川崎病治療後で、現在アスピリン内服中のお子さんも接種できません。

 

以下をクリックすると問診票をダウンロードできます。3枚目だけ印刷して記載し、接種時に持参して下さい。院内にもご用意しておりますが、予め記載して頂いているとよりスムースです。

フルミスト問診票

百日咳

百日咳が例年以上に流行しています。

百日咳はその名の通り、100日とは言わないまでも数週間から1.2か月に渡ってひどい咳が続く感染症です。

典型例では熱もなく鼻水もなく、ただただひたすら痰の絡まない乾いた咳こみが続き、ゲホゲホゲホゲホ、オエッとえづいて一段落するというサイクルを昼夜を問わず繰り返します(花粉症で鼻水があったり、前からの風邪で痰がからんだり、違う感染症がかぶって熱が出たり、例外はいくらでもありますが)。

0歳時、1歳時に受けた三種混合、四種混合または五種混合のワクチンでカバーされているため、4回接種が完了して間もない乳幼児の集団では比較的流行になりにくく、感染しても症状は比較的軽微です。

一方、接種して時間が経ってくると一部の児で免疫が薄まってくるために、小学校以上、特に10歳前後より年長の集団で小流行が断続的に発生しています。

現在、小学校高学年で二種混合のワクチンが公費で接種されていますが、これは百日咳をカバーしていません。

小学校低学年で百日咳ワクチンを公費で追加あるいは、この二種混合を三種混合に変更するなどの案が検討されていますが、まだ決定はしていません。

 

さて流行がある時期には、ひどい咳が長引いた際には検査が行われます。

様々な検査がありますが、最も一般的なのは血液検査で外の検査機関に提出する方法で、約5日~7日ほど結果判定までにかかります。

可能性がそれなりにある場合は、この検査を提出すると同時にクラリスというマクロライド系の抗生剤を開始します。

クラリスを始め、あらゆる薬は咳を抑えるのにはほとんど効果はありませんが、5日飲んだ時点で他者への感染力が大幅に下がり集団生活への復帰の条件となっています。

ある程度、咳が長引いた児で検査するため、百日咳が確定するのは多くの場合は咳のスタートから2週間から3週間くらいは経っていることが多いでしょう。

結果が出た時点で、クラリスが5日以上投与されているはずですので、百日咳が陽性だった場合も、診断とともに登園、登校許可証が発行される手筈となります(もちろん欠席は咳のひどさに応じてさらに延長も考慮されます)。

 

対策としては、

①病名に関わらず、咳が出たら可能な年齢、可能な範囲で早期からマスクを着用する。(マスクは自分のためではなく、人のためにする物です。咳はひどいが、マスクはしたくないというのはマナー違反です。)

②咳が7日~10日以上続く場合は、熱がなくても一度受診しましょう。百日咳の流行がある場合、特に小学生以上は意識をしましょう。

③受診の上、百日咳の可能性がどれくらい高いかによって、そのまま休園、休校を指示されるか、とりあえずマスクをしながらクラリス投与で登園、登校するかが判断されます。ただし、可能ならば検査結果判明まで休むことは周りの人にとってはありがたいことです。

 

実は百日咳は年長児にとっては、ひどい咳きこみは日常生活、社会生活にとっては厄介なものの、医学的には危険はほぼありません。いつかは収まります。

問題は、生後間もない赤ちゃんが感染した場合です。

ワクチンを未接種、あるいはまだ1回や2回しか受けていない状態で感染すると、咳きこみの連続で呼吸ができず、無呼吸発作から低酸素脳症を起こすことがあります。

令和7年の春にもすでに生後1か月半の児が百日咳で死亡したという悲しいニュースが入ってきました。

生後早期の赤ちゃんには、百日咳だけでなくできるだけ感染症を届けないようにしましょう。

ほとんどの厄介な感染症は高熱を伴うことが多いですが、例外的な感染症ですね。

コロナ院内説明用資料

新型コロナウイルスは2019年に出現し、今やありふれたかぜの原因の一つになったウイルスです。小児科では特別な治療薬は使用せず、他のかぜと同様に風邪薬や解熱剤で自然に治るのを待つのが一般的です。

今まで蓄積されたデータからは、健康な子ども達にとっては重症化率や入院率が比較的低い敵と言うことができます。ただし、先天性の染色体異常や、心奇形、重症喘息などの小児は特別な注意が必要です。

また、インフルエンザよりははるかに少ないですが、健康な子どもでもまれに肺炎に至り入院することもあります。呼吸が苦しそうな場合や、発熱が5日~6日続く場合は再診しましょう。感染後に味覚障害や倦怠感、息切れが続くこともしばしば報告されていますが、有効な治療はないのが現状です。

熱が出た日を0日目として、5日間経過し、かつ咳などの症状がましになってから24時間経ったら登園、登校が可能とされています。最短で、6日目に外に出られることになります。熱が下がっていても咳がひどい場合はさらに長く休む必要があります。「自分の子どもが元気な時に、横にいる友達がしていても許せる程度の咳」を基準にしましょう。

また、他の感染症同様、登園や登校ができる日でもまだまだ感染力は残り、実際には10日程度は注意が必要とされています。高齢者にとってはインフルエンザ同様、命に関わることも多く、コロナ感染後におじいちゃんやおばあちゃんと会うのは大げさに日数を空けるのがよいでしょう。

なお、許可証は発行していません。どうしても必要な方は診断書(自費2200円)を発行いたします。

熱性痙攣その2

熱性痙攣が収まった後に、ダイアップ座薬という痙攣を予防する薬を挿肛することがあります。これは一旦収まった後、また2回目の痙攣が起こる確率を下げる目的で行われる予防薬です。

ただ、最新のガイドライン上では必ず必要ではないとされています。

痙攣を抑える薬=脳の活動を抑える薬であるので、副作用としてうとうとしたり、ふらつくことをよく経験します。

そもそも同日に2回目の痙攣をするこは実は結構レアであること、ダイアップ座薬により逆に意識回復の判断が難しくなることがあることが理由として挙げられています。

以前はほぼ全ての例で痙攣後のダイアップを使用していたので、現在はちょうど過渡期と言えます。

当院を始め、まだ多くの医療機関では、痙攣が止まった後に意識がしっかり回復するのを確認してからダイアップ座薬を入れて帰宅させています。

この痙攣直後のダイアップ座薬と区別して考えるものとして、発熱した際に痙攣する前に使用するダイアップ座薬があります。

その1でお話したように、大部分の熱性痙攣は人生で1回目で終了すること、ダイアップに副作用があることから、こちらも以前のようにみんなに念のため入れるということは推奨されていません。

これも施設により少し適応の幅がありますが、①痙攣重積を起こした児、②5分以内ではあるが3回以上起こした児などを中心に熱のたびに予防投与を行うことが多いでしょう。

熱性痙攣は熱の出始め、上がり始めに集中して発生するので、予防投与の適応になったら、37.5度以上になったらとりあえずすぐ1回目の投与を行い、8時間後に2回目の投与を行います。

2回で1セットであり、その後に高熱が続いても3回目は投与しません。

特に1回目の投与はためらわず、元気でも熱が出てきたらすぐに投与しましょう。

ただし、2回目は熱がその後上がらなかった場合には投与せずに経過をみて、再度上昇することがあればその時だけ投与するのがよいでしょう。

ちなみに短い痙攣は何回繰り返しても、てんかんを始め脳に長期的な後遺症は残さないことが様々な研究ではっきりしており、これもダイアップ座薬の使用を減らす方向にシフトしていっている要因となります。

 

さて、熱性痙攣は熱の原因の病気の重症度とは無関係に起こるので、熱性痙攣の際は、熱と痙攣を分けて考えることが重要です。

痙攣自体が数分で自然に収まり、意識が速やかに回復した場合は、痙攣自体の医学的心配はほぼ不要です。

それと別に熱自体が重症かは、痙攣前の元気さや、必要に応じて他の検査で判断します。

熱性痙攣の時に絶対に見逃したくない細菌性髄膜炎は、ヒブと肺炎球菌ワクチンの公費化で激減しましたが、接種していない児では考慮に入れる必要があります。

発熱開始後24時間が経つと、とりあえず痙攣の心配は相当減りますので、熱自体の方に意識を向けて様子を見ていくのがよいでしょう。

 

熱性痙攣その1

子ども達は免疫の修行中、ごく日常的に高熱を出しますが、その際に痙攣を伴うことがあります。

目は上や横をにらみつけるように偏位し、四肢を硬直させ、びくんびくんと釣り上げた魚のように震わせます。

完全にホラー映画のような光景で、初めて我が子の痙攣を見た御両親は、「あ、うちの子このまま死ぬかも」と感じ、どんな肝っ玉母さんも必ず大パニックになります(昨夜ブルブルしていたけど、病院には行かず様子を見ましたという話をクリニックで聞いた場合、痙攣ではなかっただろうなと思うほどに熱性痙攣は異常な光景です)。

熱性痙攣では必ず意識が飛びますので、目が合う、話はできる、啼泣している、の一つでもあれば違うと断定できます。

また、熱が上昇していく際にガタガタやブルブルと表現されるような体の動きがよく見られますが、熱性痙攣はそのような小さな動きとは全く別物の、びくんびくんという、周りから抑えても動きを抑制できないような大きな律動運動となります。

ネットで動画を一度見ておくとよいかもしれません。

ほとんどの痙攣は数分で自然に収まり、しばらくぼーとした状態になりますが、10分~20分ほどで意識がしっかりしていくでしょう。

では、この熱精痙攣の数字のデータを見てみましょう。

①特に急に体温が上がるような病気の最初の数時間~半日に多く、発熱後24時間を超えると高熱が続いていてもほとんど起こりません。痙攣した後に、熱があることに気づく場合もしばしばあります。

②小児の世界では非常にありふれたもので、7人に1人、約15%の児が経験します。小学校のクラスでアンケートを取れば1,2人はいる計算になります。

③多くの例で、5分以内に痙攣が収まり、30分以内に意識がはっきりした状態に戻ります。このような場合には後遺症を残すことはほぼ皆無です。

④約2/3の熱性けいれんは、初回の痙攣が人生最後の痙攣となります。

⑤理論上どのような熱でも起こりえますが、インフルエンザと突発性発疹が圧倒的2強で、例えば予防接種での熱ではほとんど起こりません。

⑥解熱剤を使用した群と、全く使用しなかった群で熱性痙攣の発生率に全く差が出ないことが複数の大規模な研究で示されています。「熱性痙攣が起こるのが心配なので、熱が出たら解熱剤をできるだけ使う」というのも、「解熱剤の効果が切れて、熱が再上昇する時に痙攣が起こるから、解熱剤はできるだけ使わない」の両方ともが間違っています。解熱剤は痙攣とは無関係ですので、しんどいかとうか、時間を稼ぐ必要があるかどうかだけで使用を検討して下さい。

 

熱性痙攣は脳の緊急事態であり、基本的には救急車の適応となります。2,3分で収まる場合には自家用車で医療機関に向かって大丈夫です。熱性痙攣を複数回経験し、よほど親御さんが慣れている場合以外には収まっていても受診することをお勧めします。

病院に着いた時点でもまだ痙攣が続いている状態を痙攣重積と呼び、非常に緊急性が高く、院内の動ける小児科医が全員集合して治療に当たることになります。

このように、15分~20分以上続く痙攣は後遺症を残す可能性が大幅に高くなるため、痙攣に関しては複数の医師がいる大きい病院に行くことが極めて重要です(止まって、意識が回復している場合はクリニックでよいでしょう)。

ほとんどの痙攣が自然に止まるため、重積を経験していない未熟な救急隊員の中には、救急車到着時に痙攣が止まっているのを見て、「熱性痙攣で救急車を呼ぶ必要はない」というニュアンスの発言をすることがたまにあるようですが、医学的には大間違いです。

痙攣で救急車を呼んで、到着した時に止まっていたら、結果オーライ良かったねというだけで、まれではあるけれども重積に至るかもしれないその一人のです。ために救急車は今日も出動するのです。

当院で可能な検査・対応できる疾患

高校卒業まで受診できます。お子さんだけでの来院はできません。必ず保護者の方が同伴して下さい。

〇当院で可能な検査

「インフルエンザ」、「コロナ」・・・流行時で発熱12時間経過以降してから行います。早い場合には極端に感度が落ちるため熱性痙攣があった場合などを除き、原則検査しません。

「溶連菌」・・・発熱、咽頭痛、特徴的な咽頭所見や発疹などがある時に行います。

「アデノ」・・・発熱4,5日以上、あるいは結膜炎症状が強くて疑わしい時のみ行います。

「マイコプラズマ血液検査」・・・疑わしい例で発熱が1週間以上続いた時のみ行います。外注ですので結果には数日から1週間を要します。

「簡易採血(WBC、CRP)」・・・発熱が長引いている時、重症感のある時に行います。

「簡易尿検査」・・・院内で一般項目が確認可能です。必要に応じて外注検査で詳細項目を追加します。

「食物アレルギー抗原血液検査」・・・アトピー性皮膚炎のある乳児か、疑わしい症状がある時に卵、小麦、乳、大豆の項目を検査します。あくまで補助的な役割の検査であり、診断は実際に症状が誘発されるエピソードを元に判断します。その他の項目は原則施行しません。症状はないが、離乳食前に念のため検査なども意義が低いため検査は行いません(正確性が低い検査のため)。

「吸入アレルギー抗原血液検査」・・・6歳以上でアレルギー性鼻炎に対する減感作療法を行う時の事前検査としてのみ施行します。この検査も確定診断には用いず、診断自体は症状が出る時期や環境、および抗アレルギー薬への反応性から判断します。

「血液型検査」・・・自費で1500円です。医学的意義はないので、原則子ども自らが検査を希望した時だけ行っています。

「診断書作成」・・・自費で2200円です。数日から1週間お時間がかかります。

★全ての検査は必要性やタイミングを考慮して、行うかどうか判断します。希望があっても検査をしないこともあります。

 

〇当院で対応できる疾患

・発熱や呼吸器症状、消化器症状など一般的な体調不良症状。

・気管支喘息、アレルギー性鼻炎(6歳以上の減感作療法含む)、食物アレルギー、乳幼児(5歳未満)のアトピー性皮膚炎

・手足口病、水痘の疑い、とびひ、蕁麻疹、湿疹などの皮膚疾患。

・意識障害や激しい嘔吐、骨折を疑う所見のない軽症の打撲、けが。

・便秘、血便

・園や学校の健診で指摘された尿検査の異常や、頻尿、排尿時痛などの尿の症状。

・皮膚の症状、眼の症状、耳の症状でどの病院にかかったらいいのか分からない時にも、診察の上で必要であれば行くべき科の推奨や、紹介を行います。

・学校健診で不整脈や心雑音を指摘された場合には、検査は当院ではできませんが受診すると貝塚市民病院の小児循環器専門医に紹介の段取りをすることができます。

・低身長・肥満の相談や検査は当院では行っていませんが、必要な児は母子総合医療センターへの紹介を行います。貝塚市の川崎こどもクリニックの川崎先生が内分泌の専門家ですのでそちらの受診もよいかと思います。

✕当院では行っていない検査

「RS」、「ヒトメタニューモ」、「ノロ」、「ロタ」、「マイコプラズマ迅速検査」、「レントゲン」、「超音波検査」、「心電図検査」、「視力検査」、「斜視検査」、「聴力検査」

これらの検査がご希望の方は他院を受診してください。

✕当院では対応できない疾患

・意識障害や激しい嘔吐などを伴う外傷 ⇒脳のダメージが疑われますので救急車の適応です。

・強い腫れ、痛みを伴う外傷、縫う必要がありそうな外傷、および交通事故による外傷 ⇒骨折の可能性、および縫合が必要な可能性、特別な診断書が必要な可能性があります。外科系の病院を受診しましょう。

・目の部分の外傷 ⇒眼科を受診しましょう。

・斜視かもしれない ⇒眼科を受診しましょう。

・5歳以上のアトピー性皮膚炎 ⇒当院では乳幼児の治療を行っています。大きい子は皮膚科や他院小児科を受診して下さい。

・耳垂れがある時 ⇒程度の強い中耳炎が疑われます。洗浄処置が必要なことが多いので耳鼻科を受診しましょう。週末や休みの時はとりあえず小児科に受診でもよいでしょう。

・耳が聞こえにくい ⇒耳鼻科を受診しましょう。