Author Archives: くぼこどもクリニック

得する受診のタイミング

まず、⑴呼吸がおかしい時(胸がぺこぺこしている、横になれないくらい息苦しいなど)、⑵意識がおかしい時(痙攣した、呼びかけへ反応がないなど)は夜間であろうとお正月であろうと医療機関に受診しましょう。場合によっては救急車の適応です。

①熱について

今まで見たことがないくらいぐったりしている時、あるいは生後3か月未満の児で38度以上の発熱が2~3時間続く場合は早目に受診を考えましょう。解熱剤で様子を見れそうな時は熱という単独の理由で病院にすぐ行くと検査もできないため損をすることが多いです。保育園で熱が出て呼び出しを受けてお迎えに行った帰りに病院に行くのは避けた方がよいでしょう。インフルエンザやコロナが流行している時期には12時間~24時間経ったら受診を考慮しましょう。解熱剤はしんどい時はあらゆる病気で使って大丈夫です。診察直前に使用しても検査には全く影響はありません。また、どの病気でも高い熱が夜間にあって朝には一旦平熱になることはよく経験しますので、朝そのまま登園や登校をしないようにしましょう。「感染症以外の熱」は極めてまれで川崎病を始めとした深刻な病気以外にはほぼありませんから、お子さんが熱を出した場合、本人の心配とともに周囲の御家族はうつらない努力を同時に始めましょう。特に高齢の方が近づかないように注意しましょう。さほど周囲で有名どころの流行がない場合でも、38度以上の熱が3日目になったら一度受診を考えましょう。

②嘔吐について

嘔吐が何回かあっても、人間はそんなにすぐに脱水にはなりません。吐き気止めも大した効果はありません。最も多い原因はウイルス性胃腸炎であり、最初の数時間は嘔吐をさせてあげてまずは胃の中をがんばって空っぽにしましょう。その後、一口飲んで5分開けてのペースで徐々に水分を摂取するとほとんどの嘔吐は収まります。吐き切って、少量ずつの水分摂取を始めて6時間経ってもまだ嘔気、嘔吐が続く場合は点滴が必要な可能性が高く受診を考慮しましょう。その際は胃腸炎以外の疾患も考える必要があります。周期性嘔吐症、ケトン性低血糖症の診断を受けている児は、嘔吐は自然には収まらずに点滴が必要なことが多いので受診しましょう。

③下痢について

下痢単独で受診を急ぐ必要はないですが、血便がある場合、強い腹痛がある場合は必ず受診をしましょう。

④発疹について

皮膚症状がある病気には水痘やとびひなど特別な対応や登園基準があるものが含まれています。実際の症状を診ないと何とも言えませんので原則受診を考慮しましょう。

予約システムが変わります!

現在のシマフクロウ→botlogyになり、予約の全てがLINEで完結します。

★一般診察は11月1日~
10月31日まではシマフクロウをご利用下さい。11月1日診察からbotlogyでの予約になります。現在の順番予約から、時間帯予約に変更となります。当日0時から予約ができます。
★後期健診・ワクチン予約は12月1日接種分~
11月30日施行分までは現在のシマフクロウをご利用下さい。12月1日施行分以降はbotlogyからご予約下さい。

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家族・実家のことその20 うちの奥さんpart3

入院中の親戚のお見舞いでとある病院を妻と訪れました。

その方自体は結構お元気でほっとしつつ、しばらくお話してから病院を出ました。

建物を出てから妻が言うには、「それはさておき、隣のベッドのおじいちゃん、だいぶしんどいんかして目開けたままピクリとも動いてなかったわ。物置みたいやった。」

「へえ、それは気づかんかったわ」と返事しつつ、んー?物置みたいに動かへん?確かに物置は動かんけど、なんか変やなぁとしばらく思いを巡らして数秒、、、

「ゆりちゃん、それ言うなら置物ちゃうん?物置やったら100人乗っても大丈夫やから入院いらんやろ。」

ということがあったある夏の日。

みなし陽性の適応②

2023年5月からはコロナへの対策を少しずつ緩めながら、生活や教育を取り戻していく方向に舵が切られ、マスクを外す機会やたくさんの人数で集まるイベントも増えました。

ずっとあのような抑圧された生活を人間は続けることはできませんから、どの国も遅かれ早かれ制限を緩める方向に進んだわけで、これは自然な流れでした。

ただ結果として、その後から老若男女を問わず発熱など感染症症状を訴える患者さんが激増しました。

これは数年間感染対策を厳しくしたために、子ども達が小さいうちにかからなければいけないウイルス感染の経験をしておらず、また大きい子や大人も免疫が下がってしまったためと考えられます。

そのため、バラエティー豊かな病原ウイルスが同時多発的に流行するという状況が続いています。

お兄ちゃんがインフルエンザA型で、2日後に熱が続発した妹がコロナであったり、同時に熱の出た親子がインフルエンザB型と溶連菌というそれぞれ別の感染症であるという、以前はレアだった現象が頻発しています。

このような感染症の種類が多い中でみなし陽性をたくさん採用した場合、誤診が非常に多くなるリスクがあります。

当分の間、当院では家族内続発と思われるエピソードでも原則みなし陽性はせずに、検査をして診断をしています。

ただ家からほぼ出ていない専業主婦のお母さんや未就園児が、非常に怪しいタイミングで高熱が出たような時は引き続き検査をせずに診断をすることもあります。

さて、コロナからの数年間で分かったことは、麻疹のように圧倒的に効果のあるワクチンが開発されている感染症以外のいわゆる日常的に出会うかぜのウイルス達には、結局継続的にかかって免疫の修行をしていくしかないという切ない現実でした。

では日常生活を大きく阻害されずに感染症にかかっていくというのは具体的にはどのようなことを意識するのがよいでしょうか?

それは「かかってもしょうがないかという時期」と、「今は絶対かかりたくないという時期」を明確に分けて動くことです。

来週海外旅行に行く、もうすぐお姉ちゃんが高校受験だ、末期がんのおじいちゃんが家にいる、などの時は、家族全員で全力で対策をするべきです。

一方で、修学旅行中とか、大学生が夏休みにミスチルのコンサートに行く、などの場合は最悪その後寝込んでもいいかと思って楽しめばいいのではないかと個人的には考えます。

ですので「闇雲にずっと厳格な感染対策をする」というのも、「もう一切対策はしない」というのもどちらも極端すぎて損をするように思えます。

ただし、このやらなくてはいけない免疫の修行の中での例外はノロ胃腸炎とインフルエンザです。

この2つは何回かかっても、大人になってからかかっても、毎回めっちゃしんどい!ので、ある意味「かかり損」のウイルスと言えます。

感染対策を緩める時代になったとは言え、この2つが流行している時期(一般的には冬)は手洗いを増やしたり、マスクをすることを検討することはとても理にかなった作戦ですね。

みなし陽性の適応①

現在の熱の原因のトップはインフルエンザB型で、2番手がコロナとなっており、インフルエンザA型は出ているもののだいぶ減ってきました。

ずいぶん前にインフルエンザについてのブログで、検査をせずに陽性と診断するいわゆる「みなし陽性」が、なまじ検査をするより正確度が高いことがあるという話をしました。

またコロナの初期の頃にも、検査をせずにコロナと診断を下された方もたくさんいたと思います。

感染症の世界も刻一刻と状況が変わるため、このみなし陽性の考え方についても流動的に適応する必要があります。

まず、どんな時にみなし陽性は正確度が高くなるかについて見てみましょう。

いつも口を酸っぱくしてお話するように、検査は発熱の開始から早いほどに大幅に感度が下がり、検査の意義が低くなります。

日本の医療では(2024年1月時点)、インフルエンザやコロナ検査は全ての年代でやればやるほど売り上げが上がるので、少なくとも開業医の先生に今は検査しない方がいいよと言われた場合、患者さんのためを思って言ってくれていると考えて間違いありません。

早すぎる検査はお金がかかるだけでなく、痛みも1回分余計に増える可能性が高く、また本当はインフルエンザなのに陰性が出てしまうと「よかった」などと誤った印象を持ってしまい感染をより広げる結果となります(もちろん重症の例などウイルス量が非常に多そうな時は早い段階で検査をすることもありますが)。

またインフルエンザの薬というのはそれほど劇的な効果はありませんし、小さい子は苦すぎて飲めないこともとても多いこと、また薬を希望するにしても発熱から48時間以内は適応となりますから、「できるだけ早く検査をして、薬をもらう」ことを目指すと損をする可能性が高くなります(意識がおかしい時、呼吸がおかしい時は例外ですぐに病院へ!)。

確かにインフルエンザは手ごわい感染症で入院がいるほど症状がひどくなることも稀ではありませんから熱が長引いた時などは注意が必要ですが、薬を早く投与するかで元々健康な小児の入院率が劇的に下がるような効果はありません。

さて発熱12時間以上のいいタイミングで検査をした場合、検査キットはその実力を十分に発揮し、90%ちょっとのインフルエンザやコロナの患者さんを拾い上げることができます。

逆に言うと数%は発熱から十分な時間が経ってからも検査で「陰性」と出てしまうとういことです。

このため、インフルエンザやコロナの可能性がほぼ100%である時には検査をしない方が正確に診断を下せることになります。

これが「みなし陽性」と言われるものです。

以前は小学校高学年や中学校以上の子どもは、小さいうちにたくさんその他の高熱のウイルスの経験を積んでおり、他の家族がインフルエンザを発症した直後に熱を出した場合、それ以外の原因の可能性が極めて低かったため、そのような状況でかつ高熱の場合には検査を意図的にしないことでより正確な診断をすることがありました。

またコロナ初期の頃はもっと分かりやすく、家族の誰かがコロナに感染した時にはその他の家族はまるで犯罪者のように家に10日間軟禁されるというルールがありました。

さらにそもそも他の熱の原因が相当減っていたこと、および検査キットが不足していたことから、可能性が十分に高い患者さんをみなし陽性で診断することが多くありました。

子育てその41 歴史マンガ

 

歴史大好き長男(中3)の蔵書の中に、期限切れた前の免許証の顔写真を忍ばせる。

伊達政宗にジャストフィット。

歴史マンガになったパパは発見されるその時をそっと待つ。

隣の立花宗茂にめっちゃ見られてて草。

程なく発見されにけり。

手足口病(再掲)

今年は相当な手足口病の当たり年になっていますので、以前の記事を再掲しておきます。

「かぜ」という言葉を、ウイルス性の自然によくなる早く治す薬のない病気という意味に拡大するならば、手足口病は「夏かぜ」の一つと言えます。

冬のかぜのように咳や鼻水はほとんどなく、文字通り手、足、口に発疹が出る病気です。

発疹の出やすい場所は手のひらの表裏、足の表裏、肘、膝です。

なぜか肛門周囲にもぶつぶつとした発疹がよく出るので、最初はおむつかぶれかな、と思うお母さんもいます。

「手足口おしり病」なんて冗談で言う先生もいます。

体の発疹は、痛かゆい感じがある程度で10日ほどで自然によくなりますから、困ることは多くなりませんが、湯船やプールに入ったりはせず、とびひにならないように優しく洗って清潔に保ちましょう。

手足口病のしんどさは熱の高さにもよりますが、一番は口の症状の強さで決まります。

ひどい例では口の中が口内炎だらけになって、痛みのせいで食事が取れなくなります。

つばを飲むのも痛いので、乳児ではよだれをだらだら垂らしながら受診することもよくあります。

子どもによって手足は軽いけれど口の症状が重篤な子、手足はひどいけれど口の症状がほとんどない子と様々です。

痛くて経口摂取が低下する場合は、解熱剤で使うカロナールやアンヒバ・アルピニー座薬などを熱がなくても痛み止めとして使うことで快適に時間を過ごすことができます。

2,3日で痛みはピークを越えて、徐々に食事も戻るでしょう。

かぜのカテゴリーの一つですから、複数回かかって免疫が育っていきます。

 

手足口病のウイルスと兄弟のようなウイルスが、ヘルパンギーナの原因となります。

ヘルパンギーナは、「口病」というイメージで、手足の発疹がなく「熱+強い口の症状」という夏かぜです。

対応の仕方は同じと考えてください。

最初、ヘルパンギーナと言われてから、手足にもぶつぶつが出てきたら、呼び方だけ手足口病に変えておくとよいでしょう。

いずれも熱がなくなり、元気で痛み止めが不要になれば登園・登校は可能です。

他のかぜ同様、感染力はだらだら1週間から10日前後持続しますが、数日休んでも流行の拡大を防ぐ効果がないので、うつさない訳ではないけれどしょうがないから行っていいということになります(熱があったり、元気がない間はまき散らすウイルス量がその中でも多い期間ですから休みましょう)。

原則的には登園許可証は特に医学的な意義はなく、うちも含めて多くの医療機関は発行していません。

しかし、普通の園生活、学校生活はするにしても、マナーの問題やとびひの併発を避けるためにも発疹が目立つ間はプールや公衆浴場などは避けるようにしましょう。

 

※様々な感染症での登園・登校許可証の価値についてはまた項を改めてお話しします。

どうでもいいことその27 映画スーパーマリオ

マリオ見てきました!

私自身子どもの頃からマリオのいる時代を生きてきました。

普通のマリオはもちろんのこと、特にマリオカートには多大な時間を費やしてきました。

スーパーファミコンの時代からやり込み、DSでもSwitchでも息子たちにこれだけは負けられんと鍛錬を積んできました。

今回の映画はそんな長い思い入れのあるマリオが、初めて自分のコントローラーからの指示なく動くのを見るという作品でした。

期待通り、どっぶりとマリオの世界観に浸ることができて楽しかったです。

 

読者の皆さんにこっそりストーリーのネタバレです。

なんとマリオがピーチ姫を助けてクッパをやっつけます!

医者という仕事その14 小児科学会へ

さて、院長は4月14日(金)~16日(日)まで日本小児科学会へ出席するためクリニックをお休みいたします。今回は東京です。

開業した医師が一番苦労するのは、いかに最先端の医療を維持するのかという課題です。

複数のドクターで常に相談し、カンファレンスで意見を交換できた勤務医の時代から、1人で地域を守る開業医になった瞬間からその戦いは始まります(実際には市民病院の先生方に後ろに控えて頂いているので厳密には一人で戦っているわけではないのですが、それは今回はさておき)。

数十年前の開業医の先生方がその目標を達成することは中々難しく、実質的には学会や研究会に出席することでなんとかキャッチアップするとういうのが関の山だったことと推察します。

私は32歳というひと昔前から考えると非常に早い年齢で開業しましたが、その背景にはインターネットの発達により最新の情報に常にアクセスし続けられるという自信があったからです。

さらにこの数年はコロナも相まって研究会レベルのほとんどはオンライン対応になり、出席できる率も大幅にアップしました。

そんな中でも小児学会は小児科医にとって最も大きな年一回の全国規模の学会であり、日本中からものすごい数の専門医が集結します。

比較的たくさんの患者さんを診察させてもらっているおかげで、私は毎日さらに経験を積み、より高みへと一歩一歩前へ進んでおりますが、しょせん一人の医師がみている数など大阪全体、日本全体、ましてや世界全体では誤差の範囲です。

例えば私のみた2000例程度のコロナ患者さんのデータは、ややもすると非常に偏った特殊な症例群の可能性だってあります(実際重症の方は最初から市民病院クラスを受診する傾向があります)。

ですので、医療で大事なことはいかに多数のデータで話をできるかということに尽きます(ただしまれな病気や新しく発生した病気などは数少ない自分の経験を元に手探りで診察します。初期のコロナはまさにそれ)。

学会では多数の医師がそれぞれの経験した症例を持ち寄り、それを膨大なデータへと昇華し、お互いに知恵をしぼりあい、時には熱く議論しながらようやく正解に近いであろう仮設が生まれるという作業を繰り返しています。

一方で現在、SNSの発達により一般の方が個人の病気の経験を世界に発信できる時代となりました。

これはもちろん一般の患者さんに有用な情報をもたらす可能性があるのは言うまでもありませんが、このたった一例の症例を経験した発表者の発信力が強かった場合に、まるでそれがあたかも全ての人に当てはまる一般論であるかのような誤解を与えることがよくあります。

周囲で数人の人がたまたま軽症で終わった人が、コロナの対策なんて全く不要と吹聴したりするのはまさにこの例です。

同様に、経験の浅い新人の救急隊員が熱性痙攣は全員すぐ止まるから救急車は一切呼ばなくていいと言ってみたり、保母さんや学校の先生などの中に便秘は薬なんか飲まなくてもみんな食生活を気を付ければ必ず治ると信じ込んでいる方がいるのも、このように自分の経験した数少ない症例を全員そうだと思い込むという致命的な誤解が原因です。

そのように重症例を見たことがない、あるいは大規模なデータを知らない、一見説得力がある誤った知識を持った人が近くにいることは非常に不運なことです。

厄介なことにそのような方の中には本当に良かれと思って脅してくるような人までいますので一度捕まってしまうとその思考から抜け出すのは困難です。

そして医師も(私も)例外ではありません。

気を抜くとすぐに自分のみた数百例や数千例程度の経験が全てに適応できると勘違いしてしまうのです。

そのために我々は常に自分の経験していない症例をも経験値に加えるために、学会や研究会に足しげく通うのであります。

それでは行ってきます!またパワーアップして帰って参ります。

子育てその40 日常の落とし穴part7 おうちに潜むキケン

ベランダから幼い子どもが転落するという痛ましい事故が最近立て続けに起こりました。亡くなったお子さんはもちろんのこと、その御両親や御家族の悲痛さを思うと本当につらくなります。

車の行きかう道路や駅のホームは危険と隣り合わせであることは誰もが意識しています。

ところが普段暮らしている我が家は安心、安全の象徴であり、そこにも小さな子ども達にとってはたくさんの危険があることはついつい忘れがちです。

NPO法人「Safe Kids Japan」の実験では120㎝の柵を3歳児は65.7%、4歳時は72.5%、5歳児は90.2%が30秒以内に乗り越えることができたとのことです。

これは大人の想像をはるかに上回るものではないでしょうか。

さて、このような事故があると、「なぜ親が見ていないんだ」という意見が必ず出ます。

親が子を見守るのは当然のことですが、トイレにも行きますし、子育ての疲れからうとうともします。

現実的には、「少し目を離しても大丈夫なように対策をする」ことが重要です。

ベランダには足場になるものを決して置かない、ベランダに出るドアの上部に追加錠をつけるなど、小さなお子さんを育てる御家庭ではぜひ今日からすぐに対策を始めて下さい。