昨年の化血研問題を受け、B型肝炎ワクチン・日本脳炎ワクチンに関して当クリニックでは化血研で製造された製品の使用を一旦中止しておりました。
B型肝炎ワクチンについては10月より1歳未満の児で公費接種となるため絶対数が全体的に不足することが予想されています。
その後の精査にて安全性が完全に確認されているため、当クリニックでも化血研ワクチンの使用を再開する方針としています。
昨年の化血研問題を受け、B型肝炎ワクチン・日本脳炎ワクチンに関して当クリニックでは化血研で製造された製品の使用を一旦中止しておりました。
B型肝炎ワクチンについては10月より1歳未満の児で公費接種となるため絶対数が全体的に不足することが予想されています。
その後の精査にて安全性が完全に確認されているため、当クリニックでも化血研ワクチンの使用を再開する方針としています。
私が駆け出しの小児科医として過ごした淀川キリスト教病院での時間は、日本の新生児科の幕開けに貢献された第一人者である船戸 正久先生(当時の小児科部長)の下で働くという幸運に恵まれた3年間でした。
船戸先生はほんの数十年前、救命は困難とされ助ける対象ではなかったような未熟児や先天性異常の児の医療にとてつもない熱意を持って取り組まれ、医療現場の常識をいい意味で激変させました。
‘船戸先生のおかげで新生児医療はこの20年で最も発展した診療科の一つとなった’と言っても誰も異論を挟まないような、これまた生けるレジェンドの一人であります。
まだ60代で、バリバリと精力的に医療に従事されています。
一方でそのあまりに愛くるしいキャラクター、波平チックな髪型、キュートなずんぐり体型などから、影ではこっそり「ふなってぃ」と私たち若手は呼んで敬愛していました。
船戸先生は敬虔なクリスチャンでもあられるので、発想がとにかく愛にあふれ、献身的です。
たくさんの心に響くお話しをして頂き、今も胸に残っています。
その一つに「愛情の4原則」の話があります。
4つというのが何を意味するかというと、「時間と空間の共有」、「言葉かけ」、「まなざし」、「ふれあい」です。
船戸先生はよくこの話を出され、「嫌な人のことを想像してみなさい。一緒にいたくないし、話もしたくないし、目も合わせたくないし、触られたくもないでしょう。愛する人、好きな人にはその逆になる。お母さんの、赤ちゃんへの愛が日に日に深まるのはとても自然なことなんだ。」とおっしゃられていました。
また、この原則が伝えるもう一つの意味として、愛情を継続するには、この4つを意識して、努力して行うことが大事であるということも。
特に夫婦など、家族間では色々なことが当たり前になり「空気のような存在」という表現を聞くこともあるでしょう。
「自分が好きな人、大事な人にはがんばってこの4つを行うことで愛情は高まるんだ。君も家に帰ったら毎日たっぷり奥さんとお話ししなさい。」
ちょうど新婚の頃でしたから、肝に銘じようと強く感じました。
今、合格点でできているのかな、と自問自答しつつ。
私は船戸先生の存在、その人となりが好きで好きで大好きで、聞かせて頂いた色々な話を思い出すといつも少し涙が出そうになります。
このように、喘息とは体の奥にずっと存在する体質ですので、それが外にはみ出してきて起こる一時的な発作を薬で抑えても、根本的に治る訳ではありません。
一旦喘息の体質がまた体の奥に戻り、一見何もない状態にはなりますが、また次のきっかけがあると体質がはみ出してきます。
小児の場合、この体質の多くは数か月、数年単位でましになり、またきっかけとなる風邪をひくこともどんどんと減るので、喘息症状が出ることは減っていくことが期待されます。
年齢が上がっていって、目に見える喘息症状が出なくなると寛解(かんかい)状態と言われ、風邪をひいたり運動をしても症状が出なくなり、卒業したねという言葉が送られます。
しかし一部の子どもは逆に成長とともにだんだんと喘息の体質がはっきりする、あるいは強くなる経過をたどり年々発作時の症状が強くなります。
特にベースにアトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー体質の強い子にその傾向があります。
また、ご家族の喫煙も喘息の体質を強化していくことが明らかとなっています。
「ベランダで吸ってます。」と皆さん口を揃えておっしゃいますが、服にまとわりついたタバコの成分も十分に周囲の方の喘息を悪くすることが分かっていますから、喘息で苦しむお子さんのいる家庭では今すぐにでも禁煙するべきです。
もうひとつ、喘息の体質のある子どものほとんどがダニ・ハウスダストへのアレルギーを有しています。
修学旅行で行く歴史のある古い旅館でのまくら投げ(こんなのもう古い?)は、喘息の体質を外に引きずり出すきっかけとして力強いことを学校の先生はよくご存知です。
ご家庭でも梅雨シーズンは1週間に1回お布団に掃除機をあてることを心がけましょう。
ダニの死骸もアレルゲンとなりますので、干すだけではあまり効果的ではありませんので注意しましょう。
体に潜んでいる喘息の体質は、人によって程度に差があります。
季節の変わり目や、ちょっと運動するだけですぐに体質がはみ出してくるような人は重症の喘息です。
日常的に気管支が狭くなる発作が起こりますので、前述の狭くなりにくくするお薬(オノン・キプレス・シングレア、さらには微量のステロイド吸入)を症状のない普段から毎日継続することで発作を予防することが有効です。
これらの薬剤は長期的に使用するものの中では相当に副作用が少ないものであり、喘息の人に取っては非常にありがたいのです。
喘息の体質の中間くらいの人は、風邪の際だけ体質がはみ出てくるので、風邪薬に気管支拡張薬や予防薬を併用してやり過ごすグループです。
さらに軽症の人は、風邪が長引いたり、こじれた時のみ軽くゼーゼーしていると病院で指摘されるレベルのグループです。
風邪の時はテープを貼りましょうね、などど言われて、貼ると夜の様子がだいぶ楽になるというのを親御さんも感じるかもしれません。
さて、喘息の体質が顔を出してしまって呼吸が苦しくなったり、ゼーゼーしたり、咳がひどくなってしまった時はどのような治療がなされるでしょう?
空気の通り道である気管支が狭くなっているのがこれらの症状の大元ですから、「気管支拡張薬」を使うことが必要になります。
これは、その名の通り狭くなった気管支を広げるお薬です。
色々な性状がありますが、受診した際に症状があればまずされるのは即効性のある煙を吸う吸入のお薬です(=メプチン吸入など)。
さらに一旦帰宅後は飲み薬(=メプチンなど)、皮膚から吸収されるテープ(=ホクナリンテープなど)を併用して狭くなった気管支を広げる治療を続けます。
なぜなら多くの場合には喘息の体質を外に引きずりだすきっかけとなる風邪がしばらく居座るため、吸入で一旦よくなっても帰宅後すぐに気管支が狭くなってしまうためです。
このような狭くなった気管支を広げるお薬とともに、狭くなりにくくするのがオノン・キプレス・シングレアのような薬剤です。
両方を併用することで風邪が治るまでの間、できるだけ喘息が顔を出さないようにするのが喘息の治療になります。
喘息は相当有名な疾患ではありますが、他のお母さんにしっかり説明できる方は中々いないと思います。
いつも通りこのブログでは難しい専門的なことはは置いといて、話をシンプルに進めたいと思います。
喘息とは、「ことあるごとに胸がゼーゼーしたり、呼吸が苦しくなりやすい体質」のことです。
口から吸った空気は気管⇒気管支⇒細気管支とだんだん細く枝分かれしていくストローのような通り道を通って、最終的にはごく小さい風船の集まりである肺へと到達します。
息を吸ったり吐いたりすることはこの風船を膨らませたり、縮ませたりすることの繰り返しの作業です。
喘息の体質のある人とは、色々なきっかけ(風邪をひいたり、激しい運動をしたりなど)からこの空気の通り道である気管支が一時的に狭くなってしまう人のことです。
①通り道が狭くなると呼吸がしづらくなるため、本人は息苦しさを感じます。
②また、聴診器を使うと調子のいい時には気管支をスー、スーと軽快に空気が通っていくのが聞こえますが、喘息が出ると狭いところを通る隙間風の要領でヒューヒュー、あるいはゼーゼーという音に変わります。
③風邪を契機とすることが多いので、通り道をふさぐ痰が発生しますが、気管支が狭窄するとこの痰を外に出す必要がより大きくなりますので、喘息のない人に比べて結果的に咳がひどくなります。
この前の日曜日に、次男(3歳半)の歯磨きを担当しました。
幼稚園年少さんの次男も滑舌はイマイチ、いやイマサンくらいではありますが、誰に似たのかとてもおしゃべりです。
歯磨きの最中もしぶきを飛ばしながら、必死にしゃべるので、なかなか作業がうまく進みません。
「てっちゃん、そんなにしゃべったら歯磨きできへんわー。」と率直にお伝えしたところ、やはり育ちがいいのでしょうか。
「わかった!おくち、ちゃっく!!」
としっかり口を固く閉ざし、おしゃべりをやめてくれました。
どっちにしても歯磨きできねぇじゃねえか・・・。
5月の第2週、週末にクリニックをお休みさせていただいて日本小児科学会に出席して参りました。
最新の知見、研究に触れ、また一層勉学に励む意欲が高まりました。
さて、最近注目の有毒物質であるDHMO(dehydrogen monoxyde)をご存知でしょうか。
一酸化二水素と訳されるこの物質の恐ろしいのは、知らぬ間に我々の日常に深く食い込んできているところです。
まだまだ解明されていないところもありますが、この物質の特徴としてはざっと以下の点が挙げられます。
・金属やアスファルトを浸食する、酸性雨の中の主成分である。
・生活習慣病を引き起こす食物の多くに含まれている。
・過剰に摂取することで血液の電解質のバランスを崩し、中毒症状を引き起こす可能性がある。
野放し状態であった物質のこのような毒性から、米国で法規制するべきかという議論にまで発展したのは当然の経過と言えるでしょう(日本ではまだ問題提起さえされていないのが現状です)。
一般市民のアンケートの結果では、50人中4人が「判断を保留」と回答したものの、実に45人が「法規制すべき」と回答しています。
「DHMO この物質は水である」と回答できたのはたったの1人でした。
これはいかに我々が科学などの権威やマスコミに誤った誘導をされるのかを示すために米国で実際にされた実験であります。
DHMO dehydrogen monooxyde 一酸化二水素とはH2O、言わずと知れた水であります。
もちろん冒頭の小児科学会ではDHMO=H2O=水の議題など挙がりませんでしたが、このブログを読んであたかも最新の学会でこの物質が取り上げられたかのように錯覚されませんでしたか?
ところで実は、医師であれば誰でも学会で発表をすることができます。
その内容がどれだけ荒唐無稽だとしても。
そしてあくの強いキャラクターの先生のむちゃくちゃな主張に限って強い発信力を持ってマスコミの流れに乗るというとんでもないことが日常的に起こっています。
真に質の高い研究、データというものは様々な角度からたくさんの分野の先生からの批判の目、再チェックに幾度も幾度もさらされ、その上で正当であるものだけがしっかりと教科書や歴史に刻まれ医学を動かしているのです。
そのような研究をされている先生方の奥ゆかしいこと、プレゼンテーションの控えめなこと。
これは医学だけでなく科学の世界全体に共通していることのようです。
えせ科学の発信力に負けないように、正しい科学を伝える術も学生教育に必要なことと私は思います。
夏になると増えてくる皮膚疾患として「とびひ(伝染性膿痂疹)」が有名です。
皮膚には普段から雑菌がたくさんはびこっていますが、皮膚の調子がいい間は特に問題になりません。
しかし、汗疹、湿疹、擦り傷、手足口病の発疹などひとたび皮膚にトラブルが発生するとバリアが崩れ、雑菌が悪さを始めます。
さらにがりがり掻いたり、衣服で擦れたりしているうちに傷口にその雑菌がすり込まれることでだんだんとびひへと進化を遂げていきます。
じゅくじゅくして膿みが出たり、びらんになってしまったらとびひのスタートです。
一か所で細菌が増殖するとそこから掻くことを介してどんどんと他の傷口へと細菌が運ばれていきます。
まさに火事が飛び火していくようにみるみる広がるためにこの病名がついています。
このように全ての皮膚トラブルはとびひに進化する卵となりうるため、正しいケアが大切です。
第一に皮膚トラブルがある時は「お風呂の考え方」でお話ししたように、湯船には入らずにシャワーや流水でまめに洗うことを心がけましょう(とびひになる前も、なってしまってからも)。
湯船に入って温まるとかゆくなって掻いてしまうこと、湯船には雑菌が浮かんでいることがその理由です。
傷口への消毒は、水で流すことと有効性が変わらないばかりか、皮膚自体への障害もかなり強いことから最近は勧めない先生が主流のようです(先生によっては洗いにくい所は消毒するよう指導されることもあるようです)。
第二に皮膚トラブルは程度に応じてステロイドなどを適切に使い、とびひに進化する前に早めにかゆみや病変を抑えましょう。
第三に症状の強い皮膚トラブルやとびひ病変はがりがり掻かないようにゆったりとしたガーゼでなど覆いましょう。
小さいガーゼで傷口の近くにテープを張るとその部位がかぶれて、新たなとびひの温床となります。
大きめのもので、病変から遠い位置にテープがあるのがよいでしょう。
掻いて増悪しないためには爪を短く保つのもとても大切です。
治療としては、水でしっかり流すこと、抗生剤の軟膏や、症状の強い場合は抗生剤の内服です。
とびひに至ってからのステロイド軟こうに関しては賛否が分かれるところですが、ベースの皮膚トラブルの炎症やかゆみの強い場合には併用することが多いでしょう。
小さい子どもの場合、掻くと悪くなるのは分かっていても掻かせないようにするのは実際かなり難しいです(我が子での経験からも)。
とびひかな?と思ったらあまり様子を見ずに早めに皮膚科や小児科を受診しましょう。
体を清潔にして、ゆったりリラックスもしてとお風呂は日本人にはなくてはならないものです。
旅先での温泉も格別なものがあります。
さて、お風呂の効能の裏には、実は様々な知っておくべき注意点がありますので順番にみていきましょう。
①熱すぎるお湯
湯温は38度~せいぜい40度くらいに留め、できれば脱衣所や廊下を温めて体が冷えない準備をする方がよいでしょう。
日本の家屋の構造上、温かい浴室から、冬場は寒い脱衣所や廊下を経由して部屋に戻ることが多いと思います(家に風呂釜がなかった時代は銭湯から家まで凍える屋外を移動して帰宅していたのでもっとシビアだったことでしょう)。
このため伝統的に「ちょっと我慢して肩までじっくり浸かって体の芯まで熱々になる」ことが入浴の目標になってきましたが、これは過度に行うと体には良くありません。
入浴中は汗をかいて脱水状態でしかも血管が拡張した状態ですから急に立ち上がったり、また寒い脱衣所に出たりすることで血圧が下がり脳虚血症状を起こすことがあります。
特に高齢の方では心肺への負担やふらついての転倒などが最近よく注目されています。
また、乾燥肌・湿疹の肌にも熱いお湯は禁物です。
これは熱いお湯に入ると皮膚の痒みが非常に増し、入浴中や入浴後にがりがり掻いてしまうことで大幅に肌が痛んでしまうためです。
ぬるめの温度を心がけましょう。
同様の理由で温まるとひどくなる蕁麻疹が出ている際も湯船にゆっくりつかるのは避けましょう。
②傷口への影響
様々な皮膚のトラブルがある場合も湯船に浸かるのは避けるべきです。
肌は調子がいい時はバリアとして機能していますが、皮膚にトラブルが起こると局所的にそのバリアが破たんした状態となります。
例えば、水痘・手足口病・とびひなど発疹がある時や、けがをして傷口がある時などが挙げられます。
どこの御家庭でも湯船にはばい菌がうようよ浮遊しており、傷口に悪影響を及ぼす可能性があります。
また温まると痒みが出て掻いてしまうのも避けるべきもう一つの理由です。
③発熱への影響
近年は風邪の際など、少々熱があっても元気であればさっと入浴するのを厳しく制限する必要がないという考え方が主流になっています。
のぼせたり、湯冷めしたりしないように気をつければ病気自体への悪影響は医学的にはあまりないようです。
ただし入浴はそれなりに体力を使う作業ではあるので、高熱であったりしんどそうな時はシャワーに留めるか、入浴はやめて濡れタオルで拭いてあげるなどの対応の方が本人も楽かと思います。
年少児では溺水予防の観点から普段の入浴中でも目を離さないのが大原則ですが、熱の際に痙攣を起こすこともありますので、いつもよりさらに注意して見守るようにしましょう。