月別アーカイブ:2026年6月

忍び寄る現代病「脂肪肝」を放置していませんか?知っておきたいリスクと改善の第一歩【Dr.鳥越のすこやかコラムVol.4】

みなさんこんにちは、院長の鳥越陸矢です。

今回は、脂肪肝について取り上げようと思います。

はじめに

「最近お腹が出てきたなぁ」「健康診断の肝機能の数値(AST・ALTなど)が少し上がっているけれど、お酒をそんなに飲まないから大丈夫!」

そう思って見過ごしていませんか?

実は今、お酒をあまり飲まない人でも発症する「脂肪肝」が急増しています。

脂肪肝は目立った自覚症状がないため放置されがちですが、そのままにしておくと取り返しのつかない病気へ進行するリスクを秘めています。

今回は、脂肪肝の基礎知識から、今日からできる具体的な改善策までを分かりやすく解説します。

そもそも「脂肪肝」とは?

脂肪肝とは、肝臓の細胞の中に中性脂肪が異常に溜まってしまった状態のことです。

一般的に、肝臓の重量の5%以上の脂肪が溜まると脂肪肝と診断されます。

脂肪肝には大きく分けて2つのタイプがあります。

  1. アルコール性脂肪肝 長年の大量飲酒が原因で起こる脂肪肝。
  2. 非アルコール性脂肪肝(NAFLD / NASH) お酒をほとんど飲まない(または全く飲まない)にもかかわらず、食べ過ぎや運動不足、肥満、糖尿病などが原因で起こる脂肪肝。最近では、このタイプが非常に増えています。

自覚症状がないから怖い!放置するとどうなる?

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、ダメージを受けても痛みが全くありません。

そのため、「ちょっと肝臓に脂肪がついてるだけ」と放置してしまいがちですが、進行すると以下のような恐ろしいリスクが待っています。

  • 肝炎への進行(MASH:代謝機能障害関連脂肪肝炎): 溜まった脂肪が原因で肝臓に慢性炎症が起こります。
  • 肝硬変・肝癌: 炎症が長引くと肝臓が硬くなり(肝硬変)、最終的に肝癌を発症するリスクが高まります。
  • 生活習慣病・動脈硬化: 脂肪肝がある人は、心筋梗塞や脳卒中など、血管系の病気を起こすリスクもドミノ倒しのように高くなります。

脂肪肝を改善・予防するための3つのアプローチ

幸いなことに、脂肪肝は「適切な生活習慣の改善によって、元の健康な状態に戻せる」病気でもあります。今日から以下の3つを意識してみましょう。

1. 食事の「質」と「量」を見直す

  • 糖質と脂質の摂りすぎに注意: 白米やパンのドカ食い、揚げ物、ジュースやスイーツの習慣的な摂取は中性脂肪に直結します。
  • タンパク質と食物繊維を意識: 大豆製品、魚、鶏肉などの質の良いタンパク質や、野菜・きのこ類・海藻などの食物繊維を毎食しっかり摂りましょう。
  • 夜遅い時間の食事を避ける: 夜間は体脂肪が合成されやすいため、夕食は軽めに、寝る3時間前には済ませるのが理想です。

基本的な食生活を心がけておれば大丈夫です。

2. 日常生活に「有酸素運動」を取り入れる

肝臓に溜まった脂肪を燃やすには、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的です。

  • 目安は1日30分、週に3〜4回
  • まとまった時間が取れない場合は、「エレベーターではなく階段を使う」「一駅分歩く」といった日々の工夫だけでも効果があります。

まずは、椅子から立ち上がることから始めましょう。

3. お酒の量と付き合い方を見直す

アルコールが原因の場合は、言うまでもなく「休肝日」を作ることや、飲む量を減らす(あるいは禁酒する)ことが最優先です。

ノンアルコール飲料を上手に活用するのもおすすめです。

おわりに

脂肪肝は、身体が出してくれている「これ以上生活習慣を乱すと危険だよ」というイエローカード(サイン)です。

まずは次回の健康診断の数値をしっかりチェックすること。

そして、日々の食事や運動を少しずつ見直していきましょう。小さな一歩が、数年後のあなたの健康な身体を作ります。

「もしかして…」と不安な方や、すでに健康診断で再検査の指示が出ている方は、自己判断せずに必ず医療機関を受診し、医師の指導を受けてくださいね。

今回もご覧いただきありがとうございました。

骨粗鬆症リスクをチェックしよう!【Dr.鳥越のすこやかコラムvol.3】

みなさんこんにちは。院長の鳥越陸矢です。

今回は、骨粗鬆症について取り上げます。

「骨粗鬆症なんて、おじいちゃんやおばあちゃんがなる病気でしょ?」と思っているなら、それはちょっともったいない誤解かもしれません。

実は、骨の量は20代をピークに、40代以降、特に女性は閉経を境に急激に減少することが分かっています。

「まだ若いから」と油断していると、気づかないうちに骨がスカスカになってしまうこともありえます。

今回は、未来の自分を支えるために、骨粗鬆症について分かりやすく解説します。

そもそも骨粗鬆症ってどんな病期?

骨粗鬆症とは、骨の量が減って強度が弱くなり、軽微な衝撃でも骨折しやすくなる病気です。

タチが悪いのは、「痛みなどの自覚症状がほとんどない」ということ。

「転んだだけで手首を骨折した」「気がついたら背中が丸くなっていた」「身長が縮んだ」といったことで、初めて気づくケースがとても多いのです。

なぜ女性に多いのか?

骨の健康には、女性ホルモンである「エストロゲン」が深く関わっています。

エストロゲンには骨が溶けるのを抑える働きがあるのですが、閉経を迎えるとこのホルモンが激減するため、女性の骨密度は急低下してしまいます。

骨粗鬆症リスクをチェックしよう!

「実際、今の自分はどのくらい危険なの?」をハッキリ数値化できる、とても便利なツールをご紹介します。

それが、アジア人のために開発されたスクリーニング(ふるい分け)指標、「OSTA(オスタ)」です。

なんと、用意するのは「今の年齢」と「今の体重」だけ。

さっそく、電卓を用意して一緒に計算してみましょう。

OSTA(オスタ)ってなに?

OSTA(Osteoporosis Self-assessment Tool for Asians)は、その名の通りアジア人女性向けに開発された、骨粗鬆症のリスクを予測するための評価ツールです。

骨粗鬆症の正確な診断には、病院で「DXA(デキサ)法」という専用の機械を使った骨密度測定が必要になります。しかし、初期の骨粗鬆症は全く症状が出ないため、「そもそも病院に行くべきかどうか」迷う人も多いのが現状です。

そこで、「年齢」と「体重」という身近なデータだけで、病院で詳しい検査を受けるべきレベルかどうかを簡単に見極められるよう作られたのが、このOSTAなのです(※最近では高齢の男性に対する有効性も確認されています)。

【実践】あなたのOSTAスコアを計算してみよう!

計算式は非常にシンプルです。

【OSTAの計算式】

( 体重 kg - 年齢 )× 0.2

※計算して出た答えの、小数点以下は切り捨ててください。

計算例

  • 55歳・体重 50kg の人の場合:(50 – 55) × 0.2 = -5 × 0.2 = 「-1」
  • 65歳・体重 43kg の人の場合:(43 – 65) × 0.2 = -22 × 0.2 = -4.4 ➡ 小数点切り捨てで「-4」

計算結果の判定と対策

出た数値によって、リスクは「低・中・高」の3段階に分かれます。

OSTAスコアリスクレベル次にとるべきアクション
-1 より大きい
(0 や 1、2 など)
低リスク今のところ安心です。日頃の食事や運動(骨活)を続けましょう。
-1 ~ -4中リスク骨密度が低下している可能性があります。一度、医療機関での骨密度検査を検討してみましょう。
-4 未満
(-5、-6 など)
高リスク骨粗鬆症の可能性が非常に高い状態です。早めに受診し、詳しい検査を受けてください。

なぜ「年齢」と「体重」だけで分かるの?

骨の量は年齢とともに低下しますが、もう一つ重要なのが「体重」です。

体重が軽い(痩せている)人ほど骨にかかる負荷が少ないため、骨がもろくなりやすいという特徴があります。

そのため、「年齢が高く、体重が軽い人」ほど、OSTAのスコアはマイナスに大きく傾き、リスクが高いと判定される仕組みになっています。

あなたは大丈夫?骨粗鬆症のセルフチェック

まずは、自分のリスクをチェックしてみましょう。当てはまるものはありますか?

  • 40代後半、または閉経を迎えた
  • 若い頃に過度なダイエット(食事制限)をした
  • 日頃から運動不足を感じている
  • 牛乳や乳製品、大豆製品をあまり食べない
  • 日に当たる機会が少ない(UV対策を徹底している)
  • お酒やタバコ、コーヒーを好む
  • 家族に骨粗鬆症や骨折をした人がいる

チェックが2つ以上ついた方は、今日から紹介する「骨活」を意識してみるのがおすすめです。

今日から実践!骨活習慣!

骨は常に「古い骨を壊し、新しい骨を作る」という生まれ変わり(代謝)を繰り返しています。つまり、今からのケアで未来の骨を守ることができるのです。

1. 「カルシウム+α」の食事を意識する

骨の材料といえばカルシウムですが、実はカルシウムだけを摂っても体に吸収されにくいという特徴があります。

以下の栄養素をセットで摂るのがポイントです。

栄養素主な働きおすすめの食材
カルシウム骨の主成分牛乳、ヨーグルト、小魚、豆腐、小松菜
ビタミンDカルシウムの吸収を助ける鮭、イワシ、キノコ類(しいたけ、きくらげ)
ビタミンKカルシウムを骨に定着させる納豆、ほうれん草、ブロッコリー

★お手軽骨活メニューのヒント

「鮭の塩焼き+納豆+小松菜のみそ汁」といった和食メニューなら、一気にこれらの栄養素をカバーできますよ。

2. 骨に「適度な刺激」を与える運動

骨は、「負荷(体重)がかかるほど強くなる」という性質を持っています。

激しい運動は必要ありません。まずは以下の運動を日常に取り入れてみましょう。

  • ウォーキング(しっかり地面を踏みしめて歩く)
  • 階段の上り下り
  • かかと落とし運動(まっすぐ立ち、かかとを上げてから、ドスンと床に落とす。1日30回程度)

3. 1日15分の「日光浴」

カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」は、実は日光(紫外線)を浴びることで体内でも合成されます

シミや日焼けが気になる方は、手のひらを15分ほど太陽に向ける「手のひら日光浴」だけでも効果があります。

散歩がてら、少しお日様の光を浴びてみませんか?

おわりに

今回は骨粗鬆症の概要と対策についてご紹介しました。

『最近腰が曲がってきた』『骨折したことがある』

そんな方は一度当院までお気軽にご相談ください。

今回もご覧いただき誠にありがとうございました。

家庭血圧と外来血圧にはどんな意味があるの?【Dr.鳥越のすこやかコラムvol.2】

みなさんこんにちは、院長の鳥越陸矢です。

血圧が高い、と医師に指摘されたことはございますか?

『家での血圧は大丈夫だけどなあ』『診察室だとなぜか高くなるなあ』

そんなことを気になさった方も多いかもしれません。

そこで今回は、身近なトピックである血圧について深掘りしていきます。

家庭血圧、外来血圧による高血圧の分類

現在のガイドラインでは、血圧は130/90mmHg未満、つまり、『血圧120台』を目標にすることが推奨されています。

現在の基準とは違いますが、家庭血圧と外来血圧の関係でグループ分けし、それぞれどれぐらい心血管イベントのリスクが上昇するかを研究した面白い論文があります。

つまり、診察室で測定するだけではなく、家庭で血圧を測定する重要性が伺えます。

注意すべき血圧のタイプ

  • 仮面高血圧:診察室では正常だが、家庭や職場で高血圧になるタイプです。心血管疾患のリスクが非常に高く、積極的な治療が必要です。
  • 白衣高血圧:診察室でのみ血圧が上がるタイプです。原則として薬物治療は不要ですが、将来の高血圧移行に備え経過観察が必要です。
  • 早朝高血圧:朝の血圧が高い状態で、脳卒中や心不全の重大なリスクとなります

測定タイミングの重要性

家庭血圧の中でも最も予後(生死にどれほど関わるかどうか)との関連が強いとされるのが「起床後1時間以内の排尿後, 朝食前, 服薬前」の血圧と言われています。

この時間帯は交感神経が最も活性化し、血圧が一日で最も高くなる傾向があります。

この早朝血圧をコントロールすることが心血管イベント抑制の鍵となります。

血圧の正しい測定方法

朝と晩の決まった時間に安静状態で測定し、1週間程度継続して記録することが推奨されています。

朝と晩のそれぞれ1機会に原則2回測定し, その平均値を血圧値として用いますが、1機会に1回のみ測定した場合にはその血圧値を用います。

背もたれ付きの椅子に座り, 脚を組まず, 腕を心臓の高さに保つことが必要です。

モーニングサージによって、特に冬の早朝に、心筋梗塞などを引き起こす原因になることがあります。

特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)に注意

まずは肥満の有無に関わらず, 日中の眠気や倦怠感などの自覚症状を確認します。

いびきや無呼吸の有無については同居家族に聴取することが望ましいです。

臨床的にSASの可能性がある場合は, まずは簡易モニター検査を行います。

無呼吸の指標である、AHI≧30回/時であればCPAP療法を開始できますが、AHIが基準値以下でも, 比較的高地である場合や臨床的に強く疑う場合はPSGの実施が可能な施設を受診する必要があります。

非薬物療法のアプローチ

上記スライドの通りですが、いずれも基本的な健康習慣を継続することが重要というわけです。

おわりに

血圧はどうやって規定されるのか、高血圧になる原因、治療法などに関しては今回言及できませんでしたので、またの機会に取り上げたいと思います。

今回の記事から、健康に関してご不明な点や不安な点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

院長公式 LINEをご登録いただくことで、お気軽に質問可能です。よろしくお願い申し上げます。

ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。

便秘を改善するお薬にはどんなものがあるの?【Dr.鳥越のすこやかコラムvol.1】

はじめに

みなさんこんにちは。院長の鳥越陸矢です。

今回より、健康に関する情報をわかりやすく丁寧に発信する、『Dr.鳥越のすこやかコラム』をスタートすることにいたします。

記念すべき第1回は『便秘』について取り上げたいと思います。

みなさん、便秘に悩まされていませんか?

『お腹が張る』『2-3日も便が出ない』『苦しくて浣腸を使っている』『便秘になるのが怖くてご飯を食べるのがおっくう』

このような症状をお持ちの方は、外来にもたくさんこられます。

そこで、便秘について今一度整理し、改善へと繋げていきましょう。

便秘はなぜ起こるのか

そもそも、『便秘』とはどのような状態を指すのでしょうか。

『便通異常症ガイドライン2023』によると、便秘は、「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便,排便回数の減少や,糞便を快適に排泄出来ないことによる過度な怒責,残便感,直腸肛門の閉塞感,排便困難感を認める状態」だそうです。

一方,「便秘」の状態が慢性的に続くことによって,日常生活や長期生命予後に影響を及ぼす病態である慢性便秘症は,「慢性的に続く便秘のために日常生活に支障を来したり,身体にも様々な支障を来し得る病態」と定義されています。

要するに、便秘が改善しないことで、日常生活に支障が出ている状態は、治療対象になるということです。

特徴に合わせたクスリの選択

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/113/10/113_1948/_article/-char/ja

ガイドラインに記載されているフローチャートは上記のようになります。

もちろん、患者さんに合うお薬は人それぞれなので、内服前後の変化を伺いながら、内服調整をしております。

大まかに説明すると、まずは生活食事の改善を図ります。それでも改善がない場合は、酸化マグネシウムに代表されるような浸透圧性下剤を服用します。

主に便を柔らかくしてくれるお薬ですね。

それでも改善がない場合は、胆汁酸トランスポーター阻害薬や上皮機能変容薬などを追加します。

特に胆汁酸トランスポーター阻害薬は、腸管刺激と便を柔らかくする作用を両方持ち、さらに、直腸の便に対する反応性も改善するため、おしりのところまで便が来ているのに、腸が出そうとしてくれない患者さんには特に有効です。

それでも改善ない場合は、腸管刺激薬を適宜併用してコントロールしていきます。

便秘症にお困りの方は、遠慮なくご相談ください。

生活習慣での改善方法

生活習慣での改善方法は、主に食事、運動、水分摂取、ストレスや疲れの除去などが挙げられます。

どれも規則正しい生活に対応したものになりますね。

今一度、生活習慣を見直すきっかけにしてください。

おわりに

今後も健康に役立つ情報を発信していきます。

ぜひよろしくお願い申し上げます!

6/1(月)より予防接種と健康診断ができるようになりました!

みなさんこんにちは!院長の鳥越です!

6/1(月)より、予防接種と健康診断ができるようになりました!

① 予防接種はワクチン調達のため、1週間以上前からの予約をお願いしております(至急の際はご相談ください)。予約方法は公式LINE、ホームページ、お電話がございます。

ワクチンの種類は、インフルエンザ、COVID-19、肺炎球菌、帯状疱疹、B型肝炎、ロタ、五種混合、破傷風、麻疹風疹(MR)、BCG、おたふくかぜ、水痘、日本脳炎、ヒトパピローマウイルス、髄膜炎菌、A型肝炎、RSウイルス、などを扱っております。

② 健康診断は、特定健診、後期高齢者基本健診、三田市の30歳代健診を扱っております。他市町村の方々も、申請次第で受付可能です。

何卒よろしくお願い申し上げます。