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はしか(麻疹)とは?予防接種の重要性や妊婦での注意点も解説

はしか(麻疹)は麻疹ウイルスによる急性感染症で、空気感染などで広がる非常に感染力の強い病気です。日本ではワクチン接種の普及により患者数が減少し、2015年には麻疹排除状態にあると認定されました。[1]しかし、その後も海外からの持ち込み事例や、医療機関での集団感染が度々報告されています。 特に2025年は世界的な麻疹の流

はしか(麻疹)は麻疹ウイルスによる急性感染症で、空気感染などで広がる非常に感染力の強い病気です。日本ではワクチン接種の普及により患者数が減少し、2015年には麻疹排除状態にあると認定されました。[1]しかし、その後も海外からの持ち込み事例や、医療機関での集団感染が度々報告されています。

特に2025年は世界的な麻疹の流行再燃の影響を受け、日本国内でも海外からの持ち込みをきっかけとした集団感染(クラスター)が各地で発生しました。2026年1月にも、東南アジアや欧州などで感染の急増が報告されており、国内での感染拡大に引き続き警戒が必要です。[2][3]
本記事では、はしかの症状や感染経路、予防接種の重要性に加え、特に感染に気を付けたい妊婦での注意点をわかりやすく解説します。

はしか(麻疹)の原因と感染経路

はしかの原因は麻疹ウイルスであり、主な感染経路は以下の3つです。[4]

接触感染:皮膚や粘膜の直接的な接触、または汚染された物に触れることによる感染

飛沫感染:咳やくしゃみで飛び散るしぶき(飛沫)を吸い込むことによる感染

空気感染:飛沫の水分が蒸発した微細な粒子(飛沫核)を吸い込むことによる感染

空気中に漂うウイルスを吸い込むだけで感染するため、同じ空間に短時間いるだけでも感染する可能性があります。感染力は極めて強く、さらに免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発症するとされています。[5]

はしか(麻疹)の症状

はしかの症状は、感染後約10〜12日(最大で約21日)間の潜伏期間の後に現れます。

主な症状と典型的な経過

感染初期は、以下のような症状が見られます。

  • 38℃以上の発熱
  • 咳や鼻水
  • 目の充血、めやに
  • 口腔内の白い斑点(コプリック斑)

発熱が数日続いた後、一時的に解熱するものの、また39℃以上の高熱がぶり返し(二峰性発熱)、さらに顔や首から始まる赤い発疹が出現して全身に広がります。[5][6]

はしか(麻疹)の合併症に注意!

はしかは通常10日程度で回復しますが、合併症を引き起こすこともあります。

主な合併症

  • 肺炎(患者100人あたり6人程度)
  • 中耳炎(患者100人あたり7人程度)
  • 脳炎(患者1,000人あたり1人程度)
  • 亜急性硬化性全脳炎(患者10万人あたり1人程度)

脳炎の発症頻度は低いものの、発症者のおよそ10~20%が死に至り、20~40%に後遺症を残すという報告もあります。[7]また、亜急性硬化性全脳炎とは、感染後数年~十数年後に知能・運動障害が進行し、発症から半年~9か月程度で死に至る、予後の悪い神経疾患です。[5][6][8]

はしか(麻疹)の治療薬

感染力が非常に強く重症化の危険性もあるはしかですが、現在のところ麻疹ウイルスに有効な抗ウイルス薬はありません。従って、対症療法が基本となり、発熱・咳などの症状をやわらげる薬が処方されます。

はしか(麻疹)の予防:ワクチン接種の重要性

はしかに感染しないためには、2回のワクチン接種が最も有効です。日本ではMR(麻疹・風疹)ワクチンが用いられ、1歳・就学前(小学校入学前の1年間)の計2回の定期接種が行われています。

麻疹抗体は何年でなくなる?

ワクチンを2回接種すれば約99%の方が抗体を保有し、長期にわたり免疫が維持できるとされています。[9]一方で、1回接種の場合は、10年程度で抗体価が低下するという報告があります。[10]
日本ではワクチンが定期接種となった1978年以降、2005年までは1回のみの定期接種でした。そのため、1972年10月1日~1990年4月1日生まれの方は2回接種していない可能性があり追加接種を検討する必要があるでしょう。また、1990年4月2日~2000年4月1日生まれの方も、接種率が低い時期に当たることからご自身が2回接種をされているかを母子手帳等で確認しましょう。

妊婦の感染には特に注意が必要!

妊娠中に麻疹に感染すると、

  • 重症化しやすい
  • 流産・早産のリスクが高まる

ことが知られています。
一方で、妊娠中はMRワクチン(生ワクチン)を接種できません。そのため、妊娠を計画する段階で抗体を確認し、抗体がなければ妊娠前に接種することが非常に重要です。
抗体のない母親から生まれた赤ちゃんが感染すると重症化するケースが多いことも報告されています。[11]
あわせて、パートナーや同居家族など周囲の方が免疫を持つことも、妊婦を守るうえで欠かせません。

麻疹と風疹の違い

麻疹と風疹はいずれも発疹を伴いますが、

  • 麻疹:感染力が極めて強い、重症化しやすい、流早産のリスクがある
  • 風疹:多くは軽症だが、妊娠初期の感染で胎児に先天性風疹症候群のリスクがある

という違いがあります。MRワクチンはこの両方を同時に予防できます。

まとめ

本記事では、はしかの症状や感染経路、感染拡大を防ぐための予防接種の重要性について解説しました。
はしかは感染力の非常に強い病気ですが、治療は対症療法のみで、最も有効な対策はワクチン接種です。特に妊娠を考える方は妊娠前に抗体検査を行い、必要に応じて追加接種を行うことが大切です。「自分は大丈夫」と思わず、接種歴・抗体価を一度確認することが、個人だけでなく社会全体を守る第一歩となります。

はしかの疑いがある場合は、大人は内科子どもは小児科を受診してください。二次感染を防ぐため、必ず事前に医療機関に電話連絡を行って指示を仰いだ後、公共交通機関を避け、マスクを着用して受診しましょう。

【監修】

株式会社Officeファーマヘルス

【参考資料】

[1]麻疹について|国立保健医療科学院

[2]麻疹発生動向調査|国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト

[3]インドネシアにおける麻疹(はしか)の流行について|外務省

[4]麻疹|国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト

[5]麻しん|厚生労働省

[6]はしか(麻しんウイルス感染症)にご注意ください!|国立研究開発法人国立成育医療研究センター

[7]ISAR28-9 麻疹脳炎|国立健康危機管理研究機構

[8]麻しん(はしか)について|埼玉県

[9]麻しんQ&AⅡワクチン関連|東京都感染症情報センター

[10]麻疹流行対策|国立大学法人岩手大学

[11]麻疹流行とその対策|日本産婦人科医会

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