RSウイルス感染症とは?症状や感染経路、ワクチン接種の重要性について解説
例年RSウイルス感染症は、5月以降に感染者が増加します。しかし2025年は3月時点で感染者が増加傾向にあり、早めの対策が必要です。 この記事ではRSウイルス感染症について、症状や感染経路、ワクチンの重要性などをくわしく解説します。 RSウイルス感染症とは RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染によって生じる呼吸器の感
例年RSウイルス感染症は、5月以降に感染者が増加します。しかし2025年は3月時点で感染者が増加傾向にあり、早めの対策が必要です。
この記事ではRSウイルス感染症について、症状や感染経路、ワクチンの重要性などをくわしく解説します。
RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染によって生じる呼吸器の感染症です。[1]
RSウイルス感染症は、新生児や乳児の下気道感染症(細気管支炎)の主な原因であり、生後6か月以内の新生児が感染すると入院が必要になるケースもあります。[2]
RSウイルス感染症は1歳までに約50〜70%が感染し、2歳までにほとんどの子どもが一度は感染するとされている感染症です。全ての子どもが3歳までに抗体ができると考えられており、抗体獲得後は感染しても軽度の症状であるケースがあります。[3][4]
2025年3月時点で感染者が増加傾向
RSウイルスは、夏~秋にピークをむかえる感染症でしたが、近年は5月頃からRSウイルス感染症の患者が急増するケースが多くなっています。[3]
しかし2025年では3月時点で感染者が既に増加傾向にあり、過去5年間の同時期と比較して定点当たりの報告数が最も多いことから、特に新生児や乳児のいる家庭では早めの感染対策を行う必要があります。[5]
RSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症の主な症状は、鼻水や咳、発熱などさまざまです。感染期間は約7〜12日程度ですが、重症化するケースでは、細気管支炎や肺炎などの呼吸器の症状が見られます。[1]
6か月未満の新生児や乳児、もしくは心疾患や呼吸器疾患、免疫疾患などの病気を抱えた子どもの場合、症状が悪化する可能性が高く、いっそう感染に気をつける必要があります。[4]

RSウイルスの潜伏期間
RSウイルス感染症は潜伏期間が存在し、RSウイルスに感染してからすぐには症状が見られません。[1]
RSウイルスの潜伏期間は通常4〜6日ほどとされていますが個人差があり、2日で発症することもあれば、8日程度かかる場合もあります。潜伏期間が経過した後、鼻水や咳、発熱などの初期症状が見られ、そのまま回復しない場合には、細気管支炎や肺炎へ進行する恐れがあります。
大人のRSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症は、主に子どもからの感染を経路として大人も感染します。
大人のRSウイルス感染症は、繰り返し感染する人はいるものの、症状は軽度で重症化するケースは少ないとされています。[4]
大人のRSウイルス感染症も子どもと同様に発熱や咳、痰などが主な症状です。[6]
ただし、感染した子どもをケアする両親や医療スタッフ、高齢な方などは、大量のRSウイルスにさらされるため、まれに重症化することがあります。[1]
RSウイルス感染症に感染した子どもとの関わりには、十分な感染対策をする必要があるでしょう。
RSウイルス感染症の感染経路
RSウイルス感染症は、接触感染・飛沫感染の2つの経路から感染すると考えられています。[1][2]
- 接触感染
- ウイルスがついている手や指、ドアノブやおもちゃ、コップやスイッチなどを触ったり舐めたりして接触し、その手からウイルスが取り込まれると感染します。

- 飛沫感染
- 人の咳やくしゃみ、会話で飛ぶ唾などの飛沫を吸い込むと感染します。

RSウイルス感染症で保育園は何日休む必要がある?
RSウイルス感染症は、特に登園に制限がされているわけではなく、休まなければならない明確な日数は定められていません。
ただし重症な呼吸器症状が改善し、全身状態が良くなっていることが登園の基準と定められており、登園届が必要な保育園もあります。保育園によっては感染拡大防止の観点から、登園に対する制限を設けている場合もあるため、規則を確認してみましょう。
RSウイルス感染症の予防に重要なワクチン接種
RSウイルス感染症の感染予防には、ワクチン接種が重要です。2025年3月時点で日本にはベイフォータス(一般名:ニルセビマブ)、2024年5月に発売されたアブリスポ(一般名:組換えRSウイルスワクチン)の計2種類のワクチンがあります。
ベイフォータスは2歳以下の新生児や乳児、幼児が対象者となります。産まれた後の初回と2回目の感染流行期に、RSウイルス感染症の感染予防を目的として接種が可能です。[9]
一方アブリスポは、妊婦の方や高齢者の方を対象にしたワクチンです。[10]
さらに同年2024年には、50歳以上のRSウイルス感染症に感染する可能性が高い方が対象のアレックスビーというワクチンも発売されています。[11][12][13]

RSウイルス感染症のワクチンは妊婦の方も接種可能?
アブリスポは妊娠24~36週の方であれば接種できます。[1]
接種すると母体のRSウイルスに対する抗体が作られ、胎盤を通して胎児に移行するため、産まれてくる子どもの感染や重症化の予防が期待できます。[12][13]
RSウイルス感染症のワクチン以外の予防策
RSウイルス感染症の予防は、罹患した子どもとの接触を避けるのが基本です。他には前述の感染経路による感染を防ぐのが予防策となります。
例えば飛沫感染を防いだり広げたりしないためには、マスクの着用が重要です。接触感染の予防には、日常的に触れるものをこまめに消毒するのも効果的でしょう。消毒はアルコールもしくは塩素系の消毒剤がおすすめです。
また、手洗いうがいも感染症の基本の予防策です。手洗いは流水だけでなく石鹸も使いしっかり洗うようにしましょう。[3]
RSウイルス感染症のワクチン接種で感染を予防しよう!
新生児や乳児がRSウイルス感染症に感染すると、症状が重症化する可能性があるため、あらかじめワクチン接種による感染予防が推奨されます。また鼻水や咳、発熱などの初期症状がみられたら、子どもの場合は早期の小児科の受診、大人の場合は内科を受診しましょう。
【監修】
株式会社Officeファーマヘルス
【参考文献】
[1]RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂)– 厚生労働省
[2]「RSウイルス感染症」に注意しましょう。 – 厚生労働省
[3]RS ウイルス感染症が増えています!– 東京都健康安全研究センター
[4]RSウイルス感染症とは – NIID 国立感染症研究所
[5]RSウイルス感染症 – 国立健康危機管理研究機構観戦情報提供サイト
[6]成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性 – NIID 国立感染症研究所
[7]保育所における感染症対策ガイドライン – 子ども家庭庁
[8]小児におけるRSウイルス感染症の予防について– 厚生労働省