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溶連菌感染症とは?原因や症状、抗生剤について解説

児童保育施設で「溶連菌が流行している」と耳にすることが増えています。 溶連菌感染症は、冬季と春から初夏にかけて、年に2回の流行時期があるとされています。[1] 幼児・学童期に多く発症しますが、抵抗力が低下した大人もかかる病気です。 高熱やのどの痛み、赤い発疹や「いちご舌」が特徴で、抗生剤(抗菌薬)でしっかり治すことが大

児童保育施設で「溶連菌が流行している」と耳にすることが増えています。
溶連菌感染症は、冬季と春から初夏にかけて、年に2回の流行時期があるとされています。[1]

幼児・学童期に多く発症しますが、抵抗力が低下した大人もかかる病気です。
高熱やのどの痛み、赤い発疹や「いちご舌」が特徴で、抗生剤(抗菌薬)でしっかり治すことが大切です。
この記事では、「溶連菌とは?」という基本から、症状や抗生剤治療、出席停止の目安まで、わかりやすく解説します。

溶連菌感染症とは?原因となる細菌と感染経路

一般に「溶連菌」と呼ばれているのは、A群溶血性レンサ球菌(A群β溶血性連鎖球菌)という細菌です。溶連菌感染症の9割以上がこのA群によるものとされ、多くはのどに感染して咽頭炎や扁桃炎を起こします。
主な感染経路は、以下のとおりです。

飛沫感染:咳やくしゃみ、会話で飛び散るしぶき(飛沫)から感染

接触感染:手指についた菌が、口や鼻の粘膜に触れて感染

潜伏期間(うつってから症状が出るまで)は、約2〜5日とされています。[2]
医学的には「A群溶血性レンサ球菌感染症」や、のどに症状が出た場合は「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」と呼ばれます。

溶連菌の主な症状

子どもに多い「溶連菌感染症」の典型的な症状は次のとおりです。

典型的な症状

  • 38℃以上の急な高熱
  • 強いのどの痛み(咽頭炎)
  • 扁桃腺や首筋のリンパ節の腫れ

咽頭炎は5~15歳の子どもに特に多く見られますが、3歳未満の乳幼児ではまれです。
また、咳や鼻水はあまり目立たないことが多く、普通の風邪と見分けるポイントになります。[2]

発疹と「いちご舌」が特徴的

溶連菌の発疹について検索される方が多いように、体や手足に出る赤い発疹は溶連菌の代表的な所見です。細かい赤い発疹が、首や脇、太ももなどから始まり、体幹へと広がります。発疹は1週間ほどで落ち着き、その後手足の指先などから皮がむけてくることもあります。[3]
また、舌の表面が赤くブツブツして、いちごのように見える「いちご舌」も特徴的です。

ただし、発疹やいちご舌は他の病気でも見られることがあるため、自己判断せず、医療機関で診断を受けることが大切です。

溶連菌感染症の治療法

溶連菌は細菌なので、治療には抗生剤(抗菌薬)が用いられます。
主にペニシリン系(アモキシシリンなど)が選択されますが、アレルギーがある場合はマクロライド系、セフェム系などの抗生剤が使われることもあります。[4]
7~10日間継続して服用することで、多くの場合、内服開始から24時間程度で熱やのどの痛みが楽になり、感染力も大きく低下します。[2]

ただし、症状が治まったからといって途中で服用を中断すると、菌が残って再び増え、症状がぶり返したり、合併症のリスクが高くなったりするため注意しましょう。
溶連菌は現在もペニシリン系抗菌薬に対しては感受性を保っていますが、マクロライド系など一部の抗菌薬では耐性菌が問題になっているため、処方どおりに飲み切ることが重要です。[4]

溶連菌感染症の合併症に注意

抗生物質を一定期間継続して服用することは、治療効果を早めるだけでなく、次のような合併症の発生を防ぐ効果も期待できます。

急性糸球体腎炎
溶連菌に感染した後、10日前後の潜伏期間を経て発症する場合があります。血尿やタンパク尿、むくみ、高血圧などの症状がみられます。
リウマチ熱
溶連菌の治療を適切に行わなかった場合、咽頭炎に続いて発症する場合があります。関節痛や発熱、心臓の炎症による胸痛・動悸、けいれんなどの症状を引き起こします。

溶連菌感染症と出席停止期間

溶連菌感染症は、学校保健安全法の「その他の感染症」に含まれる病気で、インフルエンザのように明確な日数基準は定められていません。そのため「病状により学校医または主治医が感染のおそれがないと認めるまで」出席停止となります。

ただし、適切な抗菌薬療法を開始してから24時間程度経過すると感染性が大きく低下することから、こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2023年5月一部改訂)」では、登園の目安を「抗菌薬の内服後24~48時間が経過していること」としています。[5]
なお、通っている園・学校によっては登園許可証の提出を求められる場合もあるため、主治医と園・学校の方針を確認しましょう。

溶連菌感染症でよくある質問

ここでは、溶連菌に関するよくある質問と回答についてお伝えします。

溶連菌に感染しても熱が出ない場合もある?

典型的には38℃以上の発熱を伴いますが、年齢や体質、感染の程度によっては発熱が目立たない例や、微熱程度で経過する例も報告されています。 典型的な症状が見られなくても周囲で流行していて感染が疑わしい場合には、医療機関で検査をして適切な治療を受けましょう。 迅速抗原検査の場合は5~15分程度で結果が分かります。

溶連菌感染症の可能性がある場合、何科を受診すればいい?

乳幼児〜学童期の子どもは小児科、大人は内科または耳鼻咽喉科を受診しましょう。

溶連菌のワクチンはある?予防するには?

現在、溶連菌感染症に対する承認済みワクチンはありません。そのため、日常生活での予防としては次の対策が挙げられます。

  • マスクを着用すること(できる年齢の場合)
  • こまめな手洗いやアルコール消毒を行うこと
  • 家族に感染者が出た場合は、タオルの共用を避けること

溶連菌感染症は繰り返しかかる場合もあるため、一度かかったからといって油断せず、予防を心がけることが大切です。

まとめ

溶連菌感染症は、主に子どもに多い病気ですが、大人もかかることがあります。高熱とのどの痛みが目立ち、咳や鼻水などのかぜ症状が比較的少ないことが特徴です。診断には迅速抗原検査が有用で、治療には抗生剤が使用されます。

最も重要なのは、抗生剤を医師の指示通り最後まで飲み切ることです。症状が良くなっても自己判断でやめず、処方日数分をしっかりと服用しましょう。これにより、重大な合併症のリスクを下げることにも繋がります。
溶連菌感染症が疑われる場合は、早めに内科や耳鼻咽喉科、小児科を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

【監修】

株式会社Officeファーマヘルス

【参考文献】

[1]A群溶血性レンサ球菌感染症|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

[2]溶連菌(A群レンサ球菌)感染症|国立研究開発法人 国立成育医療研究センター

[3]猩紅熱(しょうこうねつ)はどのような症状ですか? | 公的社団法人 日本皮膚科学会

[4]Clinical Guidance for Group A Streptococcal Pharyngitis| Centers for Disease Control and Prevention(アメリカ合衆国保健福祉省)

[5]保育所における感染症対策ガイドライン(2023年5月一部改訂)|こども家庭庁

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