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ノロウイルス感染症と正しい対策・予防法を徹底解説

冬場を中心に流行する「ノロウイルス」は、強い感染力を持ち、集団感染の原因にもなる厄介なウイルスです。感染すると激しい嘔吐や下痢などを引き起こし、特に小さな子どもや高齢者は重症化しやすいため注意が必要です。本記事では、ノロウイルスの特徴や感染経路、正しい予防法、感染後の対処法についてわかりやすく解説します。 ノロウイルス

冬場を中心に流行する「ノロウイルス」は、強い感染力を持ち、集団感染の原因にもなる厄介なウイルスです。感染すると激しい嘔吐や下痢などを引き起こし、特に小さな子どもや高齢者は重症化しやすいため注意が必要です。本記事では、ノロウイルスの特徴や感染経路、正しい予防法、感染後の対処法についてわかりやすく解説します。

ノロウイルスとは?

ノロウイルスは、ヒトの腸管に感染して胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。ノロウイルスによる食中毒は年間を通して報告されますが、特に11月頃から発生数が増加し、12月~1月にかけて流行のピークを迎える傾向にあります。[1]

ノロウイルスは10~100個程度のごく少量のウイルスで感染するほどの強い感染力を持ち、1〜2日の潜伏期間を経て、主に以下のような症状が現れます。[2]

  • 激しい吐き気・嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 軽度の発熱(37~38℃程度)

症状は1~2日続いた後に軽快する場合が多く、後遺症もありません。しかし、症状が治まった後も1週間~1ヶ月程度はウイルスが便から排出されるため、周囲への感染対策には注意が必要です。

ノロウイルスはどこから移る?主な感染経路とは

ノロウイルスの主な感染経路は3つです。[1][3]

1.経口感染
ウイルスに汚染された食品(主に牡蠣などの二枚貝)や井戸水などを、生や加熱・消毒不十分な状態で摂取したり、感染した調理者が扱った食べ物を口に入れたりした場合に感染します。
2.接触感染
感染者の嘔吐物や便で汚染した手で口に触れることでウイルスが体内に侵入します。また、ウイルスが付着したドアノブ、手すり、おもちゃ、タオルなどを介して感染する場合も多くあります。
3.飛沫感染
感染者の嘔吐物や下痢便が乾燥すると、中に含まれるウイルスがちりやほこりと一緒に空気中に舞い上がります。これを吸い込むことで感染します。

ノロウイルスに効く薬はあるの?

2025年10月現在、ノロウイルスに効く抗ウイルス剤やワクチンはありません。そのため、治療は症状を和らげる対症療法が基本となります。病院を受診した場合、多くは整腸剤や吐き気止め、解熱剤などが処方されます。

自己判断で下痢止めを服用するのは避けましょう。

下痢は、体内のウイルスを排出しようとする体の防御反応です。むやみに下痢止めを飲むと、ウイルスが腸内に留まり、回復を遅らせてしまう可能性があります。薬の使用については医師・薬剤師と相談することが大切です。

ノロウイルス感染時におすすめの食べ物は?

ノロウイルスに感染した場合に重要なのは、嘔吐や下痢によって失われた水分と電解質を補給し、脱水症状を防ぐことです。経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ、こまめに摂取するようにしましょう。また、食事は無理に摂らず、吐き気が落ち着いてきたら、以下のような消化に良いものを少しずつ摂りましょう。

  • おかゆ、重湯
  • すりおろしたりんご
  • やわらかく煮込んだうどん
  • 野菜スープ

脂肪分の多いものや、乳製品、冷たいもの、食物繊維の多いものは、胃腸に負担をかけるため避けましょう。

ノロウイルスに感染したとき、いつまで休むべき?

ノロウイルス感染症の登園・登校、出勤に関する停止期間は、法律で明確には定められていません。目安としては、下痢・嘔吐が止まり、普段どおり飲食できるまでは自宅療養を行います。具体的な復帰基準は所属先の規定に従いましょう。

ノロウイルスに感染しないための対策・予防法とは?

1. 手洗いを徹底すること
内閣府食品安全委員会では、ノロウイルス感染予防の基本は「手洗い」であるとして、石けんで30秒間のもみ洗いと流水で15秒間のすすぎを複数回行うことを推奨しています。[4]
特に、トイレの後、調理や食事の前、嘔吐物や便の処理後のタイミングでは手洗いを徹底しましょう。

アルコール消毒だけでは不十分であることに注意

ノロウイルスは「エンベロープ」という膜を持たないウイルスです。そのため、一般的なアルコール消毒剤(エタノール)は効きにくいという性質があります。近年では「酸性アルコール」のヒトノロウイルスへの有効性が報告されていますが、手洗いとの併用を基本としましょう。[5]
2. 環境消毒は「次亜塩素酸ナトリウム」

調理器具やドアノブ、トイレ、日用品などの環境消毒は、高度な汚染がなければ次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200~500ppm)で浸すように拭くことで消毒します。[4]
次亜塩素酸ナトリウムには金属腐食性があるため、金属製品の場合には30分程度置いた後に水拭きすると良いでしょう。
嘔吐物・便で汚れた床や衣類の処理を行う際には、マスクや手袋、ガウン(エプロン)を着用した上で、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1000ppm)で浸した雑巾・ペーパータオルでウイルスが飛び散らないように静かに拭き取ります。拭き取りに使用した雑巾や汚染した衣類は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1000ppm)に漬け置きした上で洗濯しましょう。[4]

次亜塩素酸ナトリウム消毒液の簡単な作り方

一般的な市販の漂白剤(塩素濃度約5%)を利用した際に200ppm、1000ppmの次亜塩素酸ナトリウム消毒剤を簡単に作る方法は以下のとおりです。[6]
  • 約200ppm:2Lペットボトル容器に水2L+ペットボトルキャップ22杯分の漂白剤を入れて混合
  • 約1000ppm:500mLペットボトル容器に水500mL+ペットボトルキャップ2杯分の漂白剤を入れて混合
3. 食品の取り扱いに注意
ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、食品の中心温度が85~90℃の状態で90秒以上加熱することが推奨されています。[1]
特に、牡蠣などの二枚貝は生食を避け、中心部までしっかりと火を通しましょう。
また、生の食材を扱った包丁やまな板は、そのまま他の食材に使わないようにしましょう。使用後はすぐに洗浄し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒する、もしくは熱湯(85度以上)で1分以上加熱するのが安全です。
もちろん、調理前の手洗いは徹底し、感染者の調理は避けることが基本です。

正しく対策を行い、ノロウイルス感染症から身を守ろう!

ノロウイルスは、時に集団感染を引き起こす厄介な感染症ですが、日々の正しい衛生管理と対策で感染リスクを大幅に減らすことができます。
特に、体力のない乳幼児や高齢者が感染した場合には重症化する危険性があり、脱水症状や嘔吐物の誤嚥(ごえん)に注意が必要です。成人の場合でも、もし嘔吐が止まらない、水分が全く摂れない、血便が見られるなどの症状があれば、速やかに内科や消化器内科を受診しましょう。
正しい知識を身につけ、ご自身と大切なご家族をノロウイルス感染症から守りましょう。

【監修】

株式会社Officeファーマヘルス

【参考文献】

[1]厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A

[2]東京都健康安全研究センター ノロウイルス対策緊急タスクフォース最終報告書

[3]厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル

[4]内閣府 食品安全委員会 ノロウイルスの消毒方法

[5]国立大学法人大阪大学|ヒトノロウイルスがアルコール消毒薬により不活化されることを実証(2020)

[6]堺市 ノロウイルスの食中毒と感染症に注意しましょう

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