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食習慣の改善

251231「食事学」

また食事に関する本を読みました。『食事学』(濱谷陸太著)をご紹介します。著者はアメリカの病院で予防医療研究の講師を務めている医師です。日々の診療で患者さんの食事に頭を悩ませる私にとっても、腑に落ちる点の多い内容でした。大事なところをまとめてみます。

1. 「○○が体に良い」という思考を捨てる

  • 「平均」と「あなた」は違う: 科学的なデータはあくまで集団の平均値であって、特定の栄養素や「インフルエンサーの体験談」に惑わされるべきではない。
  • 「置き換え」の視点: 食事は総量が決まっている。何かを増やせば何かが減る。また食品の関連もあり、例えば「卵を増やすと、実は加工肉(ソーセージ、ハム等)の摂取も増えていないか?」という食事全体を見る視点が必要である。

2. 「頑張り」に頼らない仕組み化の3ステップ

根性で食欲を抑えるのは無理。以下のステップで「仕組み」を整える。

  1. 「○○さえ食べれば健康」という幻想を捨てる。
  2. 自分の現状を知る: 後述の「食習慣スコア」で食習慣を把握する。
  3. 戦略的な改善: 無理に体重や検査値を目標にせず、「健康的な行動」そのものを目標にする。

3. 目指すべきは「食習慣スコア」の向上

食習慣スコアは食事質問票で算出する。いくつかスコアが開発されているが、本書では一例が紹介されています。

それは、以下の食品を過去一年間で平均週何回摂取したかを数えるもの。何点取れば良い、というのではなく、点数がよくなることを目指します。

  • 摂取を増やすべきもの(加点): 野菜(芋以外)、果物、全粒穀物、乳製品、ナッツ、豆類、魚
  • 摂取を減らすべきも(減点) 加工肉(ハム・ソーセージ)、赤肉(牛・豚)、砂糖入りの飲み物(スポーツドリンク含む)
  • 注意点: 少量でも飲酒はがんリスクを高める。超加工食品も避けるべき。

4. 完璧を目指さず、環境を整える

  • 環境の影響を自覚する: 自分がなぜ不健康なものを選んでしまうのか、その環境(コンビニの配置や周囲の誘惑)を知ることが改善の鍵である。
  • 賢い手抜き: 自炊にこだわらず、コンビニでも「冷凍カット野菜」や「カットフルーツ」を活用するなど、ハードルを下げて継続する。

「食習慣改善の目的は体重減少や検査値の改善ではなく、食習慣スコアを上げることにあり、その先の長期的な健康と幸福を目標にするべき」という言い切っているところが本書の非常に鋭く、かつ本質的な部分だと感じました。