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「減量の科学」

糖尿病専門医で有名な福田正博先生が5月に出版されたので読んでみました。

近年、「やせる」ことは単なる根性論ではなく、ホルモンや代謝、腸内環境まで含めた“科学”として理解されるようになってきました。この本で特に印象に残ったポイントを、自分なりに整理してみます。

■ 薬剤:ホルモンを利用した減量
現在の減量治療の中心にあるのが、今話題のインクレチン関連薬です。糖尿病の薬として処方されますが、減量効果が高く、肥満の治療としても使われています。

・GLP-1受容体作動薬
 セマグルチド(オゼンピック:最大0.1mg、リベルサス、ウゴービ:最大2.4mg)

・GIP/GLP-1作動薬
 チルゼパチド(マンジャロ、ゼップバウンド)

ウゴービとゼップバウンドが肥満症の治療に使用されています

これらは単に食欲を抑えるだけでなく、体の“太りにくい仕組み”を作る薬といえます。

■ GIPとGLP-1の働き
これらのホルモンの作用は多面的で、インスリン分泌を増やす、胃の動きを抑えて食べ過ぎを防ぐ、脳に働き満腹感を高める、という作用があります。

さらに興味深いのは、
・ドパミン分泌を抑えて依存(過食)を減らす
・抗炎症・抗酸化作用で神経細胞を保護する

つまり「食欲」だけでなく「行動」や「脳」まで変える可能性があります。

■ 科学的減量法:時間制限食(TRE)
一日のうち食べる時間を制限し、それ以外はカロリーをとらない、という方法です。

・12時間型(初心者向け)
 3食を12時間以内に摂取、残りは水やお茶のみ

・8時間型
 より厳格な時間制限

食事配分の基本は
朝3〜4割、昼4割、夕2〜3割
→ 代謝のリズムに合わせた食べ方です。

■ 果物摂取
・血糖との関係はまだ結論が出ていない
・目安は「1日、片手のひらに乗る量」

“体に良い=無制限OK”ではない点が重要です。

■ 人工甘味料の問題
・動物実験では腸内細菌への影響が懸念されている。
・疫学研究では2型糖尿病、心血管疾患、がん、総死亡との関連が取りざたされている。

「カロリーゼロ=安全」とは言い切れません。

■ AGEと血糖スパイク
血糖の急上昇は(血糖スパイク)がAGE(終末糖化産物)を増やし、老化や動脈硬化を促進します。
“何を食べるか”と同じくらい“血糖の上がり方”が重要です。

■ 食事の基本:「おさかなすきやね」
和食的なバランス食の合言葉。

お:お茶
さ:魚
か:海藻
な:納豆
す:酢
き:きのこ
や:野菜
ね:ねぎ

シンプルですが、科学的にも理にかなっています。

(ただ私自身は納豆が苦手なので食べていません)

■ 運動の効果:内臓脂肪を減らす
運動は単なるカロリー消費ではありません。

・筋肉からマイオカイン(IL-6、IL-16、アイリシン、ミオネクチン)分泌
→ 炎症抑制、脂肪分解促進

・血糖・脂質の利用効率が向上

さらに重要なのは
「5分×6回でも30分運動と同等」
→ 継続のハードルを下げることが鍵です。

■ 朝食後の血糖が1日を決める
・朝食後の血糖ピークが低いと
 昼・夕食後のピークも低くなる

つまり「朝」が最重要。

・朝食後の軽い運動(例:スクワット)
・ストレッチ(30秒+10〜20秒休憩)
→ 動脈硬化予防にも有効

■ まとめ
減量は「意志」ではなく「仕組み」で行う時代です。

・ホルモン(GLP-1)
・食事タイミング(TRE)
・腸内環境
・血糖コントロール
・運動(マイオカイン)

これらを組み合わせることで、無理なく持続可能な減量をしようというのが主旨でした。

日野の桟敷窓

前回日野のひな祭り紀行を見に行ってきましたが、5月3日には「曳山祭り」を撮影に行きました。これは日野町にある馬見綿向神社の氏神と神子と呼ばれる稚児行列と、16基の山車(曳山)が巡行する「曳山祭り」が併合された祭りです。

祭りは豪華絢爛な曳山が神社を出て街道を巡行するのですが、沿道に塀に桟敷窓のあるお宅がたくさん見られます。

前回のブログではあたかもひな祭りの雛壇を見せるためかのように書いてしまいましたが、町の方のお話を聞くと本来の目的はやはりこの祭りを家から見るためのものでした。

桟敷窓の内側はこんな風になっています。

この桟敷で食事やお酒を楽しみながら窓から曳山巡行を鑑賞する、というわけです。何とも風流な祭りの楽しみ方です。本来は祭りの日だけ開けられます。このような桟敷窓の形態は日野独特のもので、日本の他の地域では殆ど見られないらしいです。

さすがに当日この座敷で青空の下で宴会をしているお宅は見当たりませんでしたが、屋内でケイタリングなどをとってご家族で過ごしておられるところは何軒か見受けられました。

年一回だけの祭りを楽しむためにわざわざ塀に窓を作る、日野商人の経済力だけでなく風流さを感じました。