半年前から予約していたバスツアーで桂離宮に行ってきました。
宮内庁の管理下で見学でなく、参観となっています。
参観は宮内庁職員の方のガイドで一時間でしたがすばらしい庭園を堪能しました。
遠近法を用いた見せ方など随所に工夫がうかがえました。
以前から行きたかったので念願が果たせましたがあっという間の一時間でした。一日でも見ていたいぐらいです。
「庭を愛でる」とはこういうことなんでしょう。
書院が修理中だったのが残念でしたがまた機会があれば行きたいと思います。
8月28日(土)に高血圧症のWeb講演を視聴しました。
高血圧診療実地医家ネットワーク
大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学 招聘教授 勝谷医院 勝谷 友宏 先生
東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科 准教授 森本 玲 先生
・「塩分チェックシート 第一三共」で塩分摂取量が推定できる。13項目あり、10点超えていると多い。
・ガイドライン通りに血圧を下げても下げすぎにはならない。
・高血圧の患者さんを、縦軸アルドステロン、横軸レニンの値で2x2の4マスに分類する。
・大部分の高血圧患者さんは、低アルドステロン、低レニンの区分に入る。ホルモンの影響は大きくなく、塩分過多の影響が大きい。
・低レニンの人はアンジオテンシンⅡ受容体阻害剤が効きにくい。高レニン(3以上)は良く効く。
・新しい降圧剤のエサキセレノンはミネラルコルチコイド(MR)受容体拮抗薬で、アルドステロンが高くなくても効く。レニンが低いと効く
・MR受容体はアルドステロンで活性化されるが、それとは別に高食塩、高血糖でも活性化され、心血管病の原因の一つになる。
7月4日(日)にWeb視聴しました。これで今年のA、B、Cセッション全て聴講しました。
もちろん、内容の全てを理解したわけではありませんが、いくつか実地診療に役立つ事柄がありました。演題と今回の学びを少し。
1.甲状腺診療における注意点 隈病院 赤水 尚史 先生
・甲状腺機能亢進症で、抗甲状腺薬開始後に一過性の肝機能変動が起きることがあるがたいてい一か月で治まる。ALT150までならすぐに副作用と考えなくてよい。
・甲状腺機能亢進症の寛解率は50%ぐらい。抗甲状腺剤を止めてみないとわからない。寛解バセドウ病で、抗甲状腺剤中止後一過性甲状腺中毒状態が約4割に起こる。TSHが減り、レセプター抗体も上昇する。数か月続くこともある。すぐに再発と判断しない。
2.日本人2型糖尿病の病態と治療 金沢大学 篁 俊成 先生
・糖尿病は、インスリンが空腹時の肝臓からのブドウ糖の漏れを抑えられないことと、食後の骨格筋と脂肪組織へのブドウ糖の取り込みを促進できないことが主なメカニズムである。
・膵臓のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)がブドウ糖の増加を正しく感知できないことも糖尿病の発症に関係している。
・膵臓のβ細胞だけでなく、α細胞(血糖を上げるグルカゴンを分泌する)にも異常があるかもしれない。糖尿病ではグルカゴンの過剰反応がある。
・日本人は脂肪組織にエネルギーを蓄積しにくい→脂肪に脂肪蓄積→脂肪肝→骨格筋のインスリン抵抗性増加、という流れもある。
3.悪性リンパ腫アップデート 鹿児島大学 石塚 賢治 先生
4.白血病診療の進歩 長崎大学 宮㟢 泰司 先生
・検診で軽度の白血球増加から慢性骨髄性白血病が見つかることもあるので注意が必要。
5.新型コロナウイルス感染症を念頭においた呼吸器感染症診療 長崎大学 迎 寛 先生
6.ウイルス感染症に関する最近のトピックス 東京大学 四柳 宏 先生
7.今,高齢者の音楽療法に求められること 日本音楽療法学会 三崎めぐみ 先生
・治療法としては比較的新しい分野ですが、身体活動・抑うつ症状の改善に効果があったという統計学的解析結果も紹介されました。
・パーキンソン病の歩行訓練に利用され、ダンスを踊るとすくみ足が出現しないという報告があった。
・手ごたえとしては、中・高・大学生の頃の歌が思い出しやすい。
咀嚼←クリックしてください。
食事をよく噛んで食べることの重要性は以前から言われていましたが、外来で患者さんに説明する適切なツールがありませんでした。
そこで当院の患者さんで、プロのイラストレーターの方に説明のイラスト作成をお願いしました。
このような媒体ではパッと見ただけで人を惹きつける効果が必要で、プロの間では「0.5秒の世界」と言われているそうです。
咀嚼の方法と効果についてインパクトがあり、わかりやすい書面を作成して頂きました。
あとは私の話し方しだいです。
5月に引き続き、6月13日も朝から日本内科学会生涯教育講演会をオンラインで聴講しました。今回はBセッションです。
演題と今回の学びは、
1、不整脈に対するガイドラインに準じた治療戦略 東邦大学 池田隆徳先生
・心房細動の治療はまずストレス対策などの生活環境の改善が大切。これで1/3は改善する。
2、冠動脈疾患患者における抗血栓療法 京都大学 木村 剛 先生
・冠動脈疾患でステント挿入後、血栓予防薬の2剤併用を何か月続けるかについて多くの研究が行われている。血栓予防のメリットと、出血のデメリットを天秤にかけており、だんだん期間は短くても良いことがわかってきた。現在は急性冠症候群後、1か月だけでも良いかという試験が行われており、間もなく結果が発表される。
3、慢性腎臓病 東北大学 宮崎真理子先生
4、薬剤耐性菌の現状と感染対策 奈良県立医科大 笠原 敬 先生
・検体は抗菌薬投与前に採取すべき。一回抗菌薬を点滴しただけでも消える場合がある。
5、緩和ケアとエンド・オブ・ライフケア 神戸大学 木澤義之先生
6、高血圧管理の向上に求められること 近畿大学 有馬秀二先生
・食塩感受性感受性高血圧の人は夜間の血圧が上昇しやすい。朝に利尿剤を処方し、起きている間に塩分排泄して夜間の血圧が低下することもある。
・早朝高血圧の例の多くは夜間持続して血圧が高い人が多い。早朝に急激に上昇してくるサージ型は日本では少ない。
・治療抵抗性高血圧ではミネラルコルチコイド受容体拮抗剤も考える。
・レニン・アルドステロン系以外にもアルドステロン受容体を刺激するものはある。肥満もその一つ。
7、長引く痛みの課題と対応 愛知医科大 牛田亨宏先生
今日は朝から日本内科学会生涯教育講演会Aセッション(オンライン開催)で参加しました。40分の講演が7つあり、オンラインとはいえ疲れました。演題名と特に印象に残った事を少々。
1、膵癌の危険因子と早期診断 東北大学病院消化器内科 正宗 淳 先生
・よく使われるCA19-9は膵癌診断2年前から上昇しているという報告あり。
・糖尿病の膵癌リスクは1.97倍。特に急に血糖が上昇したら検査をする。腹部エコーで膵管拡張と膵嚢胞をみる。
2,消化器がんの薬物療法 愛知県がんセンター薬物療法部 室 圭 先生
3,内科医による認知症診療 山形大学第三内科 太田康之先生
・長谷川式簡易知能評価スケジュールでは総点数だけでなく、①日時の見当識、②3単語の遅延再生、③5つの物品記銘、を重視する
・アルツハイマー型認知症の15-20%では病理像がアルツハイマー病でない。
4、実地医家の為の喘息診療 近畿大学 東田有智先生
・喘息の診断は、気道可逆性と過敏性試験でも不十分。
・①喘鳴の訴え ②症状の日内変動 ③症状の繰り返し ④アレルギー疾患の既往 ⑤アレルギー疾患の家族歴 ⑥聴診で喘鳴 の6つで診断する。
5、関節リウマチ診療ガイドライン 京都府立医大 川人 豊 先生
6、COVID-19に関する最近の話題 聖マリアンナ医科大学感染症学高座 國島 広之先生
・PCR検査はCT値(陽性までの増幅サイクル数)でみている。つまり高いほど少ないウイルス量まで感知している。低いほど死亡率、重症化、感染性と関連する。日本は40、中国は37で陽性としている。
・感染リスクは手指衛生で1/3、マスクで1/6減少すると言われている。
・ワクチン接種後の中和抗体は、海外データで半年で90%以上ある。おそらく1年は有効ではないかと思われる。 ただし高齢者の方が抗体は減りやすい。
5月1日、「21世紀適々斎塾」という開業医の先生方が主宰する医師・医学生向けセミナ―をオンラインで受けました。
今回は特別セミナーで札幌医大総合診療学講座の佐藤健太先生の「慢性臓器障害の診かた、考え方」でした。
慢性臓器障害とは日本のCommon disease(ありふれた病気)で主要な6大臓器障害の総称」で、心臓・肺・肝臓・腎臓に年齢の影響が大きい脳と運動器障害を加えた6つを含みます。従来の臓器別の縦割りでなく、6つの臓器障害を横並びで見るという新しい視点を主張されました。
もちろんこのセミナーの主旨に共感するところは大きかったのですが、あえて今回の学びは「急変前徴候」とします。
心筋梗塞など突然起こる心血管系の病気や、肺炎などの感染症の症状や所見が完成する前に漠然とした体調変化が起こるということです。
私の経験でも、患者さんの状態が急に悪くなる前にむしろ元気が出てきたように見えたり、病気としては説明のつかない症状が現れることがありました。
多くは後から振り返って「あれは前兆だったのか?」と思うのですが、可能ならばその前兆の時に悪化しないように対処したい。
急変前徴候は以下の3つです。
① 痛みから起こる自律神経症状:吐き気、腹部違和感、便秘、軟便、脂汗、手足の冷感など
② 冬眠様行動:感染症の前に、体の活動が低下して寝たきりがちになる、デイサービス・食事拒否など
③ せん妄:わけのわからないことを言う。高活動型(興奮・妄想・徘徊など)と低活動型(眠りがち、反応が乏しくなる)がある。
これらが重い病気が起こる数時間から数日前にみられるということです。
こういった徴候があったら必ず重大な急変が起こるという訳ではないのが難しいところですが、「今までになかった変な症状」が出てきたら要注意です。