日別アーカイブ:2026年9月7日

肩が痛い・腕が上がらない―「四十肩」と決めつけていませんか?

「肩が痛くて腕が上がらない」

「夜、肩が痛くて目が覚める」

「服を着替えるときに肩が痛い」

40代、50代になると、こうした症状から「四十肩・五十肩だろう」と考える方は少なくありません。

もちろん、肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)は、肩の痛みを起こす代表的な原因の一つです。

しかし、肩が痛いからといって、原因が肩だけにあるとは限りません。

肩の痛みに「首」が関係していることがあります

肩から腕にかけて痛みやしびれがある場合、肩関節だけでなく、首から出ている神経が関係していることがあります。

その代表的なものの一つが頚椎症性神経根症です。

首から腕、手へ向かう神経が影響を受けることで、肩や肩甲骨の周辺、腕などに痛みやしびれを感じることがあります。

患者さん自身は「肩が悪い」と思っていても、診察してみると首の影響も考える必要がある場合があります。

そして、もう一つ大切なのが、

「肩か首か、どちらか一つ」とは限らない

ということです。

肩関節そのものの問題と、首からくる症状が重なっていることもあります。

首から手まで、別々ではなくつながっています

私たちは普段、

「肩」
「肘」
「手首」

と、それぞれ別の場所として考えます。

しかし実際に腕を使うときには、それぞれが独立して動いているわけではありません。

首から肩、上腕、肘、前腕、手首・手まで、つながりながら働いています。

どこかに痛みや動かしにくさがあると、そこをかばうことで、別の場所の使い方が変わることもあります。

また、神経も首から腕を通って手の方へ走っています。

そのため、肩から腕にかけての症状を考える際には、肩関節だけでなく、症状によっては首や神経、肘なども含めて確認することが大切です。

「四十肩だと思っていた」症状に別の原因が重なることも

肩から腕にかけての症状には、四十肩・五十肩だけでなく、

  • 頚椎症性神経根症
  • 胸郭出口症候群
  • 橈骨神経や尺骨神経など末梢神経に関連する症状
  • 肘部管症候群
  • 肘周辺の障害

などが関係することがあります。

そして、これらは必ず一つだけが存在するわけではありません。

複数の要因が重なって、一つの症状をつくっていることもあります。

だからこそ、

「肩が痛いから四十肩」

「手がしびれるから首」

と、症状だけで自己判断するのは難しいことがあります。

肩の痛みは「どこが痛いか」だけで考えない

診察で大切なのは、最初から病名を一つに決めてしまうことではありません。

どのような動作で痛むのか。

腕はどこまで上がるのか。

夜に痛むのか。

首を動かすと症状が変わるのか。

腕や手に痛み・しびれがあるのか。

こうした症状を一つずつ確認しながら、肩だけでなく、必要に応じて首から腕まで含めて原因を考えていきます。

「手術と言われるのが怖い」という方へ

肩の痛みが続いていても、

「病院へ行ったら手術と言われるのではないか」

と不安で、受診をためらっている方もいらっしゃいます。

もちろん、肩の状態によっては手術が適切な治療となる場合があります。

一方で、すべての肩の痛みが、すぐに手術を必要とするわけではありません。

まず、肩そのものに原因があるのか、首や神経も関係しているのか、いくつかの原因が重なっているのかを確認することが大切です。

そのうえで、手術以外の治療で改善できる可能性も含めて、その方に合った治療方法を検討します。

そして、手術など専門的な治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関へつなぐことも整形外科の大切な役割です。

肩が痛いときこそ、肩だけを見ない

肩の痛みは、一見すると単純に思えるかもしれません。

しかし実際には、

肩そのものの問題なのか。

首や神経が関係しているのか。

いくつかの原因が重なっているのか。

を考える必要がある場合があります。

「年齢だから仕方ない」

「四十肩だから、そのうち治るだろう」

と決めつけず、

  • 肩の痛みがなかなか良くならない
  • 腕が上がりにくい
  • 夜、肩が痛くて眠れない
  • 肩だけでなく腕や手にも痛みやしびれがある

といった症状がある場合には、整形外科で一度ご相談ください。

肩だけを見るのではなく、首・肩・腕・肘・手までのつながりを意識しながら、症状の原因を考えていくことが大切です。