日別アーカイブ:2026年9月16日

歩くと膝が痛い…病院に行くべき? 考えられる原因と受診の目安

「歩き始めると膝が痛い」

「買い物や散歩をしていると、だんだん膝が痛くなる」

「最近、膝の痛みのために歩くのがおっくうになってきた」

こうした膝の痛みを感じていても、「年齢のせいかな」「まだ歩けるから大丈夫」と、様子を見ている方は少なくありません。

しかし、歩くときの膝の痛みには、さまざまな原因が考えられます。

大切なのは、必要以上に心配することではなく、痛みの原因や膝の状態を確認し、その状態に合った対処や治療を考えることです。

今回は、歩くと膝が痛むときに考えられる原因や、整形外科を受診する目安、受診した場合にどのような治療が考えられるのかについてお話しします。

歩くと膝が痛いのはなぜ?

膝には、立つ、歩く、階段を上り下りするといった日常の動作のたびに、繰り返し負担がかかっています。

そのため、膝関節やその周囲に問題があると、

  • 歩き始めに痛む
  • 長く歩くと痛くなる
  • 階段の上り下りで痛む
  • 立ち上がるときに痛む
  • 膝を曲げ伸ばしすると痛む

など、さまざまな形で症状が現れます。

同じ「膝が痛い」という症状でも、年齢や痛む場所、腫れの有無、けがの有無などによって、考えられる原因は異なります。

歩くと膝が痛むときに考えられる主な原因

代表的なものの一つが変形性膝関節症です。

年齢とともに膝関節の軟骨などに変化が生じ、歩き始めや立ち上がり、階段の上り下りなどで痛みを感じることがあります。進行すると、歩いている途中にも痛みが出たり、膝が腫れたりすることもあります。

ただし、膝の痛みの原因は変形性膝関節症だけではありません。

半月板など膝関節内部の問題、膝周囲の腱や滑液包の炎症、急なけがなど、さまざまな原因が考えられます。

そのため、「歩くと痛いから変形性膝関節症だろう」とご自身で決めつけないことが大切です。

膝が痛くても様子を見ていい? 受診の目安

痛みが軽く、一時的で、短期間のうちに自然と和らいでいくようであれば、少し様子を見ていただいても構いません。

一方で、次のような変化がある場合は、一度整形外科でご相談ください。

  • 膝の痛みが数日〜数週間以上続いている
  • 痛みが以前より強くなってきている
  • 休み休みでないと歩けないなど、歩ける距離が短くなってきた
  • 階段の上り下りや立ち上がりがつらくなってきた
  • 膝に水がたまったように腫れている、曲げ伸ばしがしにくい
  • 痛みのために外出や散歩を控えるようになった

特に大切なのは、「まだ歩けるから大丈夫」だけで判断せず、膝の痛みによって日常生活や外出の機会が減っていないかを見ることです。

痛みを避けて歩かなくなる状態が続くと、筋力や活動量そのものが低下してしまうことがあります。

早めの受診が必要なサイン

次のような症状がある場合は、様子を見ずに早めに整形外科を受診してください。

  • 転倒や捻挫などのけがをした直後から強く痛む
  • 膝が急に赤く腫れ、触ると強い熱感や激しい痛みがある
  • 膝が途中で引っかかったようになり、曲げ伸ばしができなくなる

整形外科では何をするの?

整形外科では、いつから、どのようなときに痛むのか、膝のどの部分が痛むのかなどを詳しく伺い、診察を行います。

そのうえで、必要に応じて検査を行い、膝の状態や痛みの程度、考えられる病気を確認しながら、治療方針を考えていきます。

検査をすること自体が目的ではありません。

「なぜ痛いのか」「今どのような状態なのか」を確認し、その方に合った治療につなげるために診察や検査を行います。

膝の痛みにはどんな治療がある?

「膝が痛くて病院へ行ったら、どんな治療をするのだろう?」

受診を迷っている方にとっては、ここも気になるところだと思います。

膝の痛みの治療法は一つではありません。

検査をして痛みの程度や考えられる病気を確認し、その方の状態や生活に応じて必要な治療を組み合わせていきます。

薬による治療

炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬の内服や湿布などの外用薬を使用することがあります。

また、痛みの状態に応じて鎮痛薬を使用したり、原因となる病気がある場合には、その治療に必要な薬を使用したりします。

関節内注射

膝の状態や病気に応じて、ヒアルロン酸やステロイドなどの関節内注射を行う場合があります。

物理療法・リハビリテーション

温熱療法や低周波療法などの物理療法を行うことがあります。

また、必要に応じて理学療法士によるリハビリテーションを行い、膝周囲の筋力や柔軟性、歩き方などを確認しながら、できるだけ歩きやすい状態を保つことを目指します。

生活上の工夫

膝への負担を減らすため、体重管理や運動量、日常生活での体の使い方などについて一緒に考えることも大切です。

このように、「膝が痛い=すぐに手術」というわけではありません。

痛みの原因や程度、生活への影響を確認しながら、まずはその方の状態に応じた保存的治療(手術以外の治療)を検討していきます。

「年齢のせい」と我慢し続けないでください

膝が痛くても、「もう年だから仕方がない」「まだ何とか歩けるから、病院へ行くほどではない」と考えて、我慢を重ねてしまう方も少なくありません。

もちろん、膝が少し痛んだからといって、すべての方がすぐに特別な治療を必要とするわけではありません。

しかし、痛みの原因や現在の膝の状態を知ることで、これからどう付き合っていけばよいのかが見えてくることがあります。

また、必要な治療やリハビリテーションを行い、筋力や活動量の低下をできるだけ防いでいくことも大切です。

「これくらいの膝の痛みで受診していいのかな」と迷っている段階でも、どうぞお気軽に整形外科にご相談ください。