「最近、歩くと膝が痛い」
「立ち上がるときに膝が痛む」
「階段の上り下りがつらくなってきた」
膝の痛みは、当院の整形外科でもよくご相談いただく症状のひとつです。
特に年齢を重ねてから膝が痛くなると、
「歳だから仕方がないのかな」
と思っている方も少なくありません。
しかし、膝が痛む原因はひとつではありません。
膝の痛みで多い「変形性膝関節症」
膝の痛みの原因としてよくみられるのが、年齢とともに膝の関節に変化が起こる変形性膝関節症です。
初めのうちは、
- 歩き始めに痛む
- 椅子から立ち上がるときに痛む
- 階段の上り下りで痛む
- 長く歩いたあとに痛くなる
といった症状から始まることがあります。
痛みがそれほど強くない時期には、「まだ大丈夫」とそのままにしている方もいらっしゃいます。
しかし、膝の状態は痛みの強さだけでは判断できません。
いつ、どのような動きで痛むのかも、膝の状態を考える大切な手がかりになります。
使いすぎや負担で痛むこともあります
膝の痛みは、年齢による変化だけで起こるわけではありません。
いつもより長く歩いた、急に運動量が増えた、仕事などで膝に負担がかかった、といったことをきっかけに痛みが出ることもあります。
例えば、
「旅行でいつもよりたくさん歩いた」
「久しぶりに運動をした」
「仕事や家事で立ったりしゃがんだりすることが増えた」
といったあとに膝が痛くなった場合には、膝にかかった負担も考えてみる必要があります。
もともと膝に軽い変化があり、そこに普段以上の負担が加わったことで、初めて痛みとして現れることもあります。
急な痛みや腫れでは、別の原因も考えられます
一方、膝が急に強く痛くなった、腫れてきた、熱をもっているという場合には、変形性膝関節症や使いすぎだけではなく、別の原因も考える必要があります。
例えば、尿酸やピロリン酸カルシウムなどの結晶が関節の中で炎症を起こし、痛風や偽痛風のような症状が現れることがあります。
こうした場合には、それまで膝にほとんど症状がなかった方でも、ある日突然、強い痛みや腫れが出ることがあります。
また、頻度は高くありませんが、関節リウマチなどの病気が膝の症状として現れることもあります。
そのため、
「膝が痛いから、きっと年齢のせいだろう」
と最初から決めつけないことが大切です。
診察では「どんなときに痛むか」も大切です
膝の診察では、痛みの強さだけではなく、
- いつから痛むのか
- 歩くと痛むのか
- 立ち上がるときに痛むのか
- 階段で痛むのか
- 安静にしていても痛むのか
- 急に痛くなったのか
- 腫れや熱感があるのか
といったことも確認します。
こうした情報は、膝のどこに問題があり、何が痛みの原因になっているのかを考える大切な手がかりになります。
膝の痛みが続いている方や、歩行・階段・立ち上がりなど日常生活に支障が出てきた方は、「歳だから」と我慢し続けず、一度ご相談ください。
「膝が痛い場所」にもポイントがあります
ところで、患者さんが「膝が痛い」とおっしゃるとき、実際に痛みを感じている場所は、必ずしも膝の真ん中だけではありません。
「膝より少し上が痛い」
「膝の下のほうが痛い」
「膝の内側から少し下が痛い」
といった方もよくいらっしゃいます。
膝から少し離れているから、膝とは関係ないのでしょうか?
実は、そうとは限りません。
膝の周囲には、筋肉や腱、靱帯などさまざまな組織があります。また、膝そのものの問題が、膝の少し上や下の痛みとして感じられることもあります。
ですから、診察では「膝が痛い」という言葉だけではなく、実際にどこが痛むのか、どの動きで痛むのかを確認することが大切です。
この**「膝の周りに感じる痛みと、膝との関係」**については、水曜日にもう少し詳しくお話しします。
