「固まったら困るから、痛くても肩を回している」
「動かしたほうがいいと言われたけれど、どこまで動かしてよいのかわからない」
「痛みはましになったのに、服の着替えがまだ大変」
肩の痛みや動かしにくさで、こうしたお悩みはありませんか?
前回は、上着に袖を通しにくい、背中に手が回らないといった、着替えのときに気づく肩の不調についてお伝えしました。
今回は、痛みを和らげることと、肩の動きを取り戻すことについて、治療とリハビリの両面からご紹介します。
痛みがなくなっても、肩の動きが戻るとは限りません
いわゆる四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)では、肩の痛みに加えて、関節を包む袋(関節包)が硬くなり、動かせる範囲が狭くなることがあります。こうした動きの制限が目立つ状態は「凍結肩(とうけつけん)」と呼ばれることもあります。
凍結肩では、おおむね次のような経過がみられます。
- 炎症期: じっとしていても痛む、夜に痛みで目が覚める
- 拘縮期(こうしゅくき): 痛みは落ち着いてきたが、肩が硬く、動かしにくい
- 回復期: 少しずつ肩の動きが改善してくる
ただし、経過や期間には個人差があり、それぞれの時期がはっきり分かれないこともあります。動かしにくさが長く残る場合もあります。
「痛くなくなったから治った」と思っていても、着替えや洗髪、背中を拭く動作に困っている場合は、関節の硬さ(拘縮)が残っている可能性があります。
痛みの程度だけでなく、日常の動作がどこまでできるようになったかも、回復を考える大切な目安です。
自己流で、痛みを我慢して動かしていませんか?
「肩は回しておけば治る」と考えて、痛みをこらえて大きく動かしていませんか?
適した運動の範囲や強さは、肩の状態によって異なります。特に痛みが強い時期に、無理な運動やストレッチを続けると、症状を悪化させることがあります。
一方で、必要以上に長く動かさずにいることも、肩の動かしにくさにつながります。
大切なのは、今の自分の肩に合った動かし方を知ることです。
自宅での運動も治療の大切な一部ですが、加減を自分で判断するのは難しいものです。運動中や運動後の痛み、実際に動かせる範囲を確認しながら、方法や強さを調整していきます。
診察を踏まえ、治療とリハビリを組み合わせます
肩の痛みの原因は、四十肩・五十肩だけではありません。腱板(けんばん)の損傷、石灰沈着性腱炎、首(頸椎)の病気などでも、肩や腕に痛みが出ることがあります。
ふるやまクリニックでは、まず医師が痛み方や肩の動きを診察し、必要に応じてレントゲンや超音波(エコー)検査を行います。
そのうえで、痛みを抑える治療、リハビリテーション、日常動作の工夫を、一人ひとりの状態に合わせて組み合わせます。さらに詳しい検査や専門的な治療が必要な場合は、連携医療機関への紹介も検討します。
リハビリが適していると判断した場合は、理学療法士が肩の動きや生活上の困りごとを確認します。
- どの方向に動かすと痛むのか
- 腕をどこまで上げられるのか
- 着替えや洗髪で、どの動作に困っているのか
- 自宅では、どのような運動を、どの程度行えばよいのか
リハビリは、痛みを我慢して無理に肩を回すことではありません。 肩の状態と経過に合わせて、内容を見直していきます。
注射などの治療は、安全性を重視して選びます
「今の痛みを何とかしたい」という思いに応えるため、薬や注射、リハビリなど、複数の方法から治療を考えます。ただし、すべての肩の痛みに注射が必要なわけではありません。
注射を行う場合も、原因や症状に応じて薬剤や注射する部位を選びます。特にステロイド注射は、血糖値への影響や、繰り返すことによる組織への影響などを考慮し、回数や間隔にも配慮します。
また、関節内への注射には、薬剤の種類にかかわらず、まれながら感染のリスクがあります。こうした点を踏まえ、必要性と実施するタイミングを慎重に判断します。
ご希望があっても、医学的に適切でないと判断した注射は行いません。 その場合は理由をご説明し、状態に合った別の治療法をご提案します。
痛みへの対応と安全性の確保、その両方を大切にしています。
こんなときは、早めに受診を
- 転んだり腕をついたりした後から、腕が上がらない
- 肩から腕・手にかけてしびれがある、力が入りにくい
- 痛みが日ごとに強くなる、夜も眠れないほど痛む
- 肩が赤く腫れ、熱を持っている、発熱を伴う
このような場合は、四十肩・五十肩以外の原因も考えられます。自己判断で運動を続けたり、長く様子を見たりせずに、ご相談ください。
毎日の不自由を「四十肩だから」と諦めないために
肩の不調は、服を着る、髪を洗う、高いところの物を取るといった、毎日の動作に影響します。毎日繰り返すことだからこそ、その不自由さは小さなものではありません。
私自身も以前、肩の痛みのあとに動かしにくさが残り、不便を感じた経験があります。だからこそ、「痛みがあるかどうか」だけでなく、**「生活の中で何に困っているか」**を大切にした診療を心がけています。
「痛みは減ったけれど、腕が上がらない」
「自己流で体操をしているが、これで合っているのか不安」
そのようなときも、遠慮なくご相談ください。
痛みを和らげることから、日常の動作を取り戻すことまで。肩の状態に合った治療とリハビリを、一緒に考えていきましょう。
羽曳野市・高鷲駅前
ふるやまクリニック















