カテゴリー別:内科

【羽曳野市】健診でHbA1cが高いと言われたら|症状がなくても今確認すべき理由(高鷲駅徒歩1分)

「HbA1cが6.5%を超えていますね」
健診でそう言われたとき、少し不安になりながらも、
「でも症状はないし…」「忙しいからまた今度でいいか」
そう思われた方も多いのではないでしょうか。

しかし実は、健診で指摘された“今”が、いちばん負担が軽いタイミングです。
羽曳野市でも、症状がないまま受診を先延ばしにされる方は少なくありません。

■ HbA1cとは?どの数値から注意が必要?

HbA1cは過去1〜2か月の平均血糖を反映する指標です。

5.6%未満:正常域
5.6〜6.4%:糖尿病予備群の可能性
6.5%以上:糖尿病型(再確認が必要)

HbA1c6.0%台はまだ改善できる可能性が高い段階です。7.0%を超える状態が続くと合併症リスクは上昇します。

また年齢の高い方のコントロールは以下のように異なっています。

■ 症状がない=軽い、ではありません

糖尿病は静かに進行します。
高血糖が持続すると神経障害、腎機能低下、動脈硬化などのリスクが徐々に高まります。
症状がない段階での確認が重要です。

■ HbA1cはどれくらいで下がる?

HbA1cは1〜2か月の平均血糖を示します。
生活改善後、通常1〜3か月で変化が見え始めます。
早期介入ほど改善しやすい傾向があります。

■ 食事で気をつけること(基本)

・主食の量を適正にする
・甘い飲料や間食を減らす
・野菜・たんぱく質を先に食べる
・夜遅い食事を控える

完璧より継続が重要です。

■ 整形外科医の視点:血糖値は骨や関節にも影響

当院は整形外科と内科の両方を専門としています。
高血糖が続くとAGEs(終末糖化産物)が増加し、腱や靭帯の柔軟性が低下するとされています。
その結果、傷が治りにくい、肩関節周囲炎や膝の痛みが長引く、骨折リスクが上昇するなどの影響が出やすくなります。

足腰の健康を守るためにも、血糖コントロールは重要です。

■ 受診の目的は『薬』ではなく設計

糖尿病治療の基本は食事療法・運動療法・必要に応じた薬物療法です。
受診の目的は、あなたに合った優先順位を設計することです。

■ アクセス

近鉄南大阪線 高鷲駅 徒歩1分(羽曳野市)
診療時間:9:00〜12:00/15:30〜19:00

■ まとめ

健診でHbA1c高めと指摘された今は、まだ選択肢が多い状態です。
今動けば将来の負担は軽くできます。
健診結果をご持参ください。全身を見て判断します。

※本記事は日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』を参考に作成しています。

羽曳野市。高鷲駅周辺で

ひざの痛み 骨粗しょう症 生活習慣病のごそうだんは

ふるやまクリニックまで

羽曳野市・藤井寺市・松原市周辺で
膝の痛み、骨粗しょう症、生活習慣病のご相談は
古山クリニックへ。

高鷲駅徒歩1分です。
当院の場所はこちら
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整形外科に通っているのに、なかなか良くならない方へ ― 痛みの“背景”まで診ていますか?【羽曳野市】

羽曳野市・高鷲駅近くのふるやまクリニックです。

膝や腰の痛みで整形外科に通院されている方の中に、
「治療は続けているのに、思うように改善しない」と感じている方はいませんか。

レントゲンでは大きな異常はない。
リハビリもしている。
薬もきちんと飲んでいる。

それでも痛みが長引く場合、
局所だけでは説明できない要因が関わっていることがあります。


痛みは“関節だけの問題”とは限りません

たとえば――

・糖尿病があると、末梢神経や微小循環が悪化しやすい
・高血圧が続くと、末梢の血液循環が不良になる
・血流が低下すると、筋肉や腱の回復が遅れる

こうした全身状態は、
関節や筋肉の回復環境に影響を与えることがあります。

痛みは「構造の問題」だけでなく、
回復する力の問題が関わることもあるのです。


整形外科と内科を“分けない”という考え方

多くの場合、

整形外科は整形外科、
内科は内科、

と分かれて受診されています。

もちろんそれ自体は問題ありません。

しかし、

・整形と内科を別々に通っている
・最近、血糖や血圧を確認していない
・健康診断を受けていない

こうした状況が続いている場合、
一度、体全体を整理してみることも大切です。


当院の診療体制について

ふるやまクリニックでは、
整形外科と内科を同日に受診できる体制を整えています。

整形外科の症状の評価に加えて、必要に応じて

・血圧確認
・血糖確認
・足の血流指標(ABI)

などを行い、体全体を踏まえた治療方針をご説明します。

 


「痛みを治す」だけでなく

「痛みが改善しやすい体をつくる」

これが当院の基本的な考え方です。

藤井寺市・松原市からも来院されています。

整形外科に通院中の方も、
体全体の状態を一度整理してみませんか。

ご予約は不要です。

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花粉症は内科でも治療できます 眠くならない治療や漢方のご相談も可能です

 

花粉症の季節になると、

・鼻水・くしゃみが止まらない
・目がかゆい
・のどがイガイガする
・市販薬が効かない
・花粉症の薬で眠くなる

といったご相談が増えます。

「花粉症は耳鼻科に行くもの」と思われがちですが、花粉症は内科でも治療可能です。

■ 花粉症は耳鼻科だけ?内科でも対応できます

花粉症(アレルギー性鼻炎)の基本治療は、

・抗ヒスタミン薬(内服)
・点鼻薬
・点眼薬
・症状に応じた併用療法

が中心です。これらは内科でも処方可能です。

耳鼻科が混んでいて受診できない場合や、「早く花粉症の薬がほしい」という方も、内科で対応できるケースが多くあります。

重度の鼻づまりや副鼻腔炎が疑われる場合には、必要に応じて耳鼻科をご紹介いたします。

■ 花粉症の薬で眠くなる方へ

花粉症の治療でよくあるお悩みが、

・花粉症の薬で眠い
・仕事に集中できない
・運転が不安
・日中がだるい

というものです。

当院では、

・眠くなりにくい抗ヒスタミン薬の選択
・用量や服用タイミングの調整
・生活スタイルに合わせた治療提案

を行っています。

■ 漢方を使った眠くなりにくい花粉症治療

「できるだけ眠くならない花粉症治療を希望したい」という方には、漢方薬を用いる方法もあります。

花粉症は鼻の症状だけでなく、

・体の冷え
・水分代謝の乱れ
・自律神経の不調
・疲労の蓄積

などが関係していることもあります。

漢方では体質や症状の出方を考慮し、花粉症の症状緩和を目指します。
一般的に、眠気が出にくい治療を希望される方に選ばれることが多い方法です。
※体質により適応は異なります。

■ 市販薬が効かない花粉症のご相談も可能です

「市販薬では花粉症が改善しない」という方も多く来院されます。

医療機関では、

・複数薬の組み合わせ
・点鼻薬との併用
・漢方との併用
・症状に応じた調整

などが可能です。

自己判断で薬を増減する前に、一度ご相談ください。

■ 花粉症+他の症状もまとめて相談できます

内科では、

・花粉症+咳
・花粉症+のどの違和感
・花粉症+だるさ
・風邪か花粉症か分からない症状

もまとめて診察できます。

また、

・花粉症+高血圧
・花粉症+糖尿病
・花粉症+喘息

など持病がある方も、かかりつけ内科でまとめてご相談いただけます。

■ 花粉症は我慢せず、早めの受診を

花粉症は放置すると症状が悪化しやすく、日常生活に影響が出ることもあります。

・花粉症で眠くなりたくない
・耳鼻科が混んでいる
・市販薬が効かない
・漢方を試してみたい

そのような方は、お気軽にご相談ください。

花粉症は内科でも対応可能です。
眠くなりにくい治療の選択肢も含め、症状や生活に合わせてご提案いたします。

【内科】血圧や血糖値の薬、いつまで続ける?「一生飲み続ける不安」を「前向きな習慣」に変える方法

【血圧や血糖値の薬、いつまで続ける?「一生飲み続ける不安」を「前向きな習慣」に変える方法

【1. 導入:その「不安」は、健康への第一歩です】

「先生、この薬って一生飲み続けるんでしょうか……?」
診察室で処方箋をお渡しする際、少し寂しそうに、あるいは諦めたような表情でこう聞かれることがあります。

毎日決まった時間に薬を飲むのは、確かに根気がいることです。飲み忘れに罪悪感を抱いたり、自分の体が弱ってしまったような気がして落ち込んでしまう方もいらっしゃるでしょう。

しかし、まいにちの健康をまもる家庭医としてお伝えしたいのは、「薬が必要だと分かったことは、将来の大きな病気を防ぐためのスタートラインに立てたということ」です。その不安は、ご自身の体を大切に考えているからこそ。まずはそのお気持ちを、決して否定しないでください。

【2. なぜ「症状がないのに」飲み続けるのか?】

生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病など)の恐ろしさは、血管が「悲鳴を上げない」ことにあります。

  • 血管の「ひび割れ」を防ぐ:

    高い血圧や血糖値は、目に見えない速さで血管の壁を傷つけ、硬くしていきます。薬を飲むことは、いわば「血管のメンテナンス」です。
  • 「もしも」のコストを回避する:

    ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞で倒れてしまうリスクを、1日数十円〜数百円の薬で抑えているのです。これは、将来の「自由な時間と家族の笑顔」を守るための保険と言い換えることもできます。   

【3. 薬を「卒業」または「減らす」ための3つの具体策】

「いつまで続くか」の答えは、これからの生活習慣の中にあります。実際に減薬に成功した患者様には、共通点があります。

  1. 「塩分マイナス」の継続:

    汁物を残す、醤油を「かける」から「つける」に変える。この小さな積み重ねが、薬1錠分に匹敵する効果を生むことがあります。
  2. 「1日10分」の歩行つみかさね:

    激しい運動は不要です。今より少しだけ歩く距離を伸ばすことで、筋肉が糖を消費し、代謝が改善します。
  3. 医師と「目標」を共有する:

    「孫の結婚式まで元気でいたい」といった具体的な目標がある方は、モチベーションが維持され、結果的に数値が安定しやすくなります。

【4. 診察室で「本音」を話してください】

先生に悪いから……と、飲み忘れを隠したり、不安を飲み込んだりしていませんか?以下のことを教えていただけると、より最適な治療が提案できます。

  • 「実は、朝の薬を忘れがちです」
  • 「薬代をもう少し抑えたいです(ジェネリックの相談)」
  • 「薬を飲むと、少しふらつく気がします」

    これらの情報は、薬を最適化し、減らすための重要なヒントになります。

【5. 結び:私たちはあなたの「健康を守るパートナー」です】

当院の役割は、ただ処方箋を書くことではありません。あなたが10年後、20年後も、今と同じように趣味や家族との時間を楽しめるようサポートすることです。

大切に使えば人間の内臓は90年正常に使えるといわれています。

「薬をいつまで続けるか」という不安、次回の診察で一緒にじっくりお話ししませんか?わたしたちふるやまクリニックは、あなたの味方です。


 

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南大阪のメタボ予備軍へ。130/80を超えたら血管は静かに傷む

みなさん、こんにちは。

2025年夏、日本の高血圧診療ガイドラインが改定されました。
今回の改定は、南大阪の生活習慣病・メタボリック症候群を考えるうえで非常に重要です。

特に大きなポイントは、
全年齢で「130/80 mmHg 未満」が新しい血圧目標になったこと。

この数字は、単なる基準値ではありません。
血管が静かに傷み始める境界線です。

130/80を超えると何が起きるのか
血圧が130/80を超えたあたりから、血管の内側(内皮)がダメージを受け始めます。

– 血管が硬くなる
– 血管の炎症が進む
– プラーク(動脈硬化のコブ)ができやすくなる
– 脳卒中・心筋梗塞のリスクが上昇する

しかもこの変化は、痛くもかゆくもない“無症状のまま”進むのが特徴です。
だからこそ、ガイドラインは「130/80未満」を強く推奨しています。

南大阪の生活習慣は血圧が上がりやすい
この地域で診療していると、血圧が上がりやすい背景がはっきり見えます。

– うどん・ラーメン文化(塩分が高い)
– 外食・テイクアウトが多い
– 車移動中心で歩数が少ない
– 晩酌の習慣が根強い
– 内臓脂肪型肥満が多い

これらが重なると、130/80はあっという間に超えます。
そして、超えた瞬間から血管の老化が静かに進みます。

メタボ予備軍が特に危険な理由
メタボリック症候群は、高血圧・脂質異常・高血糖・内臓脂肪がセットで存在する状態です。
この組み合わせは、動脈硬化を加速させる“最悪のチーム”と呼ばれています。

特に南大阪では、腹囲が大きい方が多く、血圧と内臓脂肪が連動して上がりやすい傾向があります。

家庭医である私が推奨する“3週間の早期介入”
ガイドラインは専門的ですが、実際にやることは驚くほどシンプルです。

① 家庭血圧を測る(朝・晩)
診察室より家庭血圧のほうが予後予測能が高いとされています。

② 塩分を1g減らす
– うどんの汁を残す
– 漬物を半分に
– 加工食品を減らす

③ 1日10分だけ歩く
長時間の運動より「毎日10分」。血管内皮機能が改善し、血圧・血糖・脂質すべてに良い影響があります。

④ 3週間続ける
行動変容の初期効果は3週間で現れます。ここを越えると習慣化し、薬の必要性も減らせます。

南大阪のみなさんへ
血圧は「性格」ではなく「習慣」で決まります。
そして習慣は、3週間あれば変えられます。

130/80を超えている方は、それは“病気の入口”ではなく、「今ならまだ戻せるサイン」です。

南大阪の脳卒中・心筋梗塞を減らすために、まずはあなたの血圧から守らせてください。

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ながびく咳にお困りではありませんか

ながびく咳について~パート1~

コロナウイルスによるパンデミックのもとの生活している2021年の私たちにとって、呼吸器感染症は大変気がかりな症候群の筆頭に上がってきます。
一般に長引く咳は大まかに3つに分類されています。急性の感染症に伴う咳はおおむね3週間以内に解決するので(例外的に百日咳は3週間以上続くことがあります。)3週間以上継続し8週間以内のものを遷延性咳嗽(がいそう)と呼ぶことになっています。それより長く継続するものは慢性咳嗽と定義されています。
一般的な風邪などのいわゆる上気道感染は3週間以内に咳嗽が軽快すること、遷延性咳嗽の大半は感染性疾患(ウイルスや細菌による上気道の感染)に原因があること、8週間以上つづく慢性咳嗽の理由として感染症の占める割合は数%以下であることから、遷延性咳嗽に分類される咳は感染性疾患由来と考えてよいものです。つまり、慢性になればなるほど、感染症が原因であることは少なくなります。
慢性・遷延性咳嗽は本邦では全人口の6%が罹患するといわれています。リスクの因子としては肥満、降圧薬服用、胃食道逆流症、喫煙などがあげられており、特に喫煙に関しては現在、過去の喫煙をとわず慢性的な咳嗽の発症を3倍に上げることが報告されています。
海外の受診率は85%以上と高いのですが、本邦では40%以下と低率で、そのほとんどが治療に反応したり禁煙で治療可能なものと考えられるために、長引く咳の患者さんにいかに受診してもらうかが重要となっています。
ながびく乾性咳嗽(からぜき)の理由としては咳喘息、あとぴ^咳嗽、逆流性食道炎などの頻度が高く認められます。
ながびく湿性咳嗽(湿った咳)の理由としては、副鼻腔気管支症候群や喫煙が多く見られます。
百日咳感染後の咳嗽は長引く咳嗽の10%程度に認められます。
長引く咳の患者さんが来院された場合の検査としては、まず胸部レントゲン撮影があげられます。血液検査、痰の検査、呼吸機能検査などを施行します。
さきほど例に挙げたような疾患群が原因となるもので、診断がついた時点で原因疾患を治療します。なかには鑑別が付きにくい状況も存在し、気管支拡張薬やステロイド吸入薬を使用しながら診断する(診断的治療)こともあります。
咳が強いということで来院される患者さんは大変多いようにおもいます。強い咳が継続することで、つらいこともさることながら
癌などの器質的疾患を心配されて来院する方も多数おられます。
一般的に呼吸器感染症の後の咳嗽は3から4週間までは不自然ではないので、感染が先行している場合や軽快傾向のある場合は必要に応じて対症療法や検査をしながら経過観察していきます。
3から4週間の中でも咳嗽がまだまだピークアウトしていない場合は定型的肺炎、非定形肺炎、結核、ガンなどの感染症以外の拝病変を考慮して精査加療します。
肺炎のばあい、定型肺炎(細菌性肺炎)と非定型肺炎が存在します。
1) 急性の咳
急性の咳のほとんどは上気道感染です。基本的に3週間以上続くことはなく、特に8週間以上継続することは極めてまれで、その場合は単純な上気道感染(いわゆるかぜ症候群)以外も考慮して鑑別する必要があります。
a) 急性上気道炎、急性気管支炎
急性咳嗽の大半の原因を占める。80%以上ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルスなどのウイルス性疾患である。急性気管支炎も同じ。時にマイコプラズマ、クラミジア、百日咳菌などが原因となる。
急性上気道炎は鼻水、咽頭痛をともない、通常咳は1週間以内に収まります。発熱はないこともあります。
急性気管支炎は発熱することが多く、咳や痰が長引くことも稀ではありません。
急性上気道炎の治療はウイルスが原因のため対症療法です。抗生物質の投与は高熱の持続、膿性の痰や鼻汁、扁桃の腫大・膿栓・白苔、中耳炎、副鼻腔炎の合併の際に考慮されます。
急性気管支炎も同様であるが、これも必要に応じて抗生剤を投与する。
b)マイコプラズマ
マイコプラズマは肺炎だけでなく、上気道炎・気管支炎の原因となります。潜伏期間は1から2週間で感染の初期は乾いた咳です。
3から4週で湿った咳になります。マイコプラズマのみで咳が8週間以上続くことはまれで、その場合には喘息などの別の疾患を併発していることを考えなければなりません。
早期診断は困難で2回間隔をあけて抗体価を測定して判断します(ペア血清)。咽頭ぬぐい液の抗原検査でも診断できるようになっています。
c)クラミジア
おもに肺炎を引き起こすが、上気道炎や気管支炎の原因菌にもなります。マイコプラズマより発熱症状は軽いことが多いです。こちらも診断はペア血清の検査が必要です。
d)百日咳
最近成人への感染が増えてきている感染症です。臨床的診断としては14日以上続く咳で、発作性の咳き込み、吸気性笛声、咳き込み後の嘔吐のいずれかがあれば診断できます。発症後4週間以上たっている場合は百日咳毒素IgG抗体を測定して判断できます。
b、c、dの治療は抗生物質(マクロライド系)によって行います。
e)細菌性肺炎
咳嗽以外にも発熱、膿性痰、全身倦怠感、食欲低下、胸痛など強めの症状を見せることが多いです。細菌の薬剤感受性が喀痰から調べることができればより的確な抗生物質の選択につながります。
喀痰検査をお願いします。
d)結核
長期にわたる咳や抗生物質が効かない場合、微熱が続く場合などに鑑別する必要があります。胸部レントゲン検査や喀痰検査が必要です。昔のようにツベルクリン反応を見ることはいまではありません。血液検査(T-spot)を行います。喀痰検査にて結核菌の背筋を認めた場合は結核病床がある施設への入院が必要になります。
2) 喘息・咳喘息による咳
喘息は発作性の呼吸困難を示し、咳やゼイゼイ音(喘鳴)が夜間や早朝に多く現れます。症状は自然に解消するか、治療によって解消するのが特徴です。痰や血液中の好酸球(白血球の種類のひとつ)の増加などが検査初見として見られます。呼吸機能の把握として呼吸機能検査(スパイロメトリー)などもよく行われます。
治療としては軽症の最初の段階から低用量の吸入ステロイドを用います。喘息の主体が末梢気道の持続的炎症であるので、それによる気道障害と引き続いて起こる気道構造の変形(リモデリング)を抑えることが重要です。
咳喘息は呼吸困難が伴わない咳だけが存在する、気管支ぜんそくの亜系です。呼吸機能は問題ないことが多く、気道の過敏性が軽度亢進している状態です。
咳は気管支喘息とよく似ており、夜間や早朝に見られます。季節性もあり、日によっても差があります。子供の場合は男児に、成人では女性に多く、風邪や、冷気、運動、天候、花粉、黄砂によって引き起こされます。確定診断は症状から行われることが多く、3週間以上続く喘鳴のない咳があって、気管支拡張剤が有効であることから行われます。
治療法は気管支喘息と同じで吸入ステロイドを用います。咳喘息の3割が典型的な喘息に移行するといわれており、きちんと治療することが望ましいと考えられています。
3)胃食道逆流症(GERD)
基本的には消化器疾患なので、胸やけ、つかえ感、苦みのある液体がのどまで上がってくる、げっぷ、腹が張るなどが主要な症状ではあるが、咳や声がれが主たる症状となって咳の治療ばかり行われてしまうことも結構あります。慢性的な咳の患者さんの多くはGERDをともなっているとの報告もあります。GERDは大変多彩な臨床症状をしめしますのでの詳細に関してはあらためて別に記載しようと思います。
50歳前後の女性に多く、背骨の変形、肥満、刺激物や酸の強い食物の摂取、あんこなどのこってりした甘みの摂取、アルコール、コーヒーなどの摂取にも影響を受けます。
そのほか、腹圧のかかる状態(便秘、衣類の締め付け、妊娠など)やストレス、喫煙、就寝前の食事、食べすぎも原因となります。発症機序によって、立位や覚醒時に咳が多く食道症状が少ないものや夜間横になってから咳がひどくなるものがあります。
GERDは咳を誘発し、咳はGERDを誘発します。悪循環を示します。
GERDによる咳はほかの慢性咳嗽の疾患とよく似ており、また併存することも多く、症状から疑えば検査結果を待たずに治療を開始(診断的治療)します。検査は上部消化管の形態や機能を見ることになるので胃カメラや食道内のpHモニタリングを行うことが望ましいですが、検査負担を考慮すると現実的ではないので
診断的治療が推奨されています。
診断的治療が選択されることが多いので、診断としては胃酸を抑制するPPIやH2ブロッカーという抗潰瘍薬の使用が先行し、それによって軽快する場合をGERDと診断しますが、一般的に軽快するまでに時間がかかることも多く、注意深く観察することが必要です。また、問診による診断も有用で当院でもFスケールという問診票を活用しております。
のどの違和感の強い場合は耳鼻科による診察が有効なこともあります。
生活上の注意としては、就寝前3時間の飲食を避けること、就寝中は頭を高くして寝ること、コーヒー・喫煙・アルコール・緑茶・香辛料・甘み・酸味を避けること、高脂肪食(胃からの食物の排出を遅らせるので)制限、腹圧の上昇を回避、ストレス回避、少量の牛乳を頻繁に飲むなどがあげられます。
4)副鼻腔炎・副鼻腔気管支症候群による咳
以前にアレルギー疾患にかかっていたり、家族にアレルギー疾患の方がいない場合、3週間以上継続する咳がある場合に最も疑われる疾患です。副鼻腔炎の患者の80%に後鼻漏(のどに鼻汁が垂れ込む)があり、その3から40%に咳がみられるとの報告もあります。副鼻腔気管支症候群は慢性的に上気道と下気道に白血球(好中球)による炎症を生じることです。副鼻腔炎に慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性細気管支炎などの疾患が合併した状況と考えられています。慢性的な気道の炎症で生じた痰による刺激が咳の誘因となると考えられます。

コロナ下ですが花粉症治療について、漢方薬の応用を考える

こんにちは。気温のアップダウンが大きくてついていくのが大変な毎日ですね。
スギ花粉症の方にはそろそろつらい日が始まっていると思います。
院長もスギ、ヒノキの花粉症です。思い返せば学生のころから春になるといつも風邪をひいていると思っていました。本当の風邪もあったのでしょうが、その時から花粉症だったのでしょう。
学校が京都でしたので、北のほうには有名な北山杉がたくさん植わっており、たくさんの花粉が毎年供給される環境でした。
本格的に困ってきたのは、仕事を始めてからで、外科医でしたから長時間手をあらったまま鼻もかめずにマスクの中がずるずるになった日々でした。さすがになんとかしないとということになり、同僚に見てもらうと
『そりゃ、おまえ、花粉症やで』
と一蹴されてしまい、なんだかショックだったのを覚えています。その当時はまだ、抗アレルギー薬も今のようにいいのがなくて、飲むととても眠くなりました。
手術中も眠くて眠くて本当に困っていました。眠いか、鼻水垂れるか。どっちをとるかでした。
しばらくして、眠くならないのが【売り】の抗アレルギー剤が出てきましたのでさっそく試しましたが、やっぱりほのかに眠たかったですね。それと、最盛期には全く効かないので、ステロイドを飲んだり、点眼点鼻したり、必死でごまかしていました。
春になると外出を可能な限り控えて(院長はスギヒノキなので5月まで出られませんでした)、外出しなければならないときは、ゴーグルとマスクを装備し、服装はナイロン系の花粉が付着してもすぐ叩き落とせるような素材にし、ぼうしも必需品でした。
花粉症のひどい仲間のうちでは当たり前の装備でしたが、一般にはかなり奇異の目でみられてちょっと辛かったです。
室内でも強力な空気清浄機を何台もそろえ、ポータブル用の清浄機も持っていました。


そんなつらい日々の中、あきらめの中で、同僚が
『漢方薬ええで、ねむくならへんよ』
と教えてくれたのを、半信半疑で、しかし藁にも縋る思いでためしてみることにしたのです。
最初に試したのは【小青龍湯】でした。薬局でも最もポピュラーな、そして花粉症の時期には在庫が少なくなる漢方薬です。今でこそ、風邪治療にも頻繁に使用する優れものの認識を院長も持っていますが、その当時のまったく知識のなかった院長は、必死に覚悟を決めて飲んでみました。
不思議でした。なんかとても後味がすっぱい(生薬 五味子のせいです)変な感じでしたが、鼻水が止まりました。本当にびっくりしました。なによりも、眠くならずに一日が過ごせて本当に良かったと思いました。
それ以来、漢方薬のいい利用法を追求するため、勉強し、自分を使って実験し知見をためてまいりました。
アレルギー治療の世界には、減感作療法という奥の手があります。簡単にいえば、アレルギーのもとに徐々に触れていくことで、アレルギーのもとに対する感受性を鈍くしていく方法で、根本的な治療であるといえます。ただし、その人にとって危険なアレルギー物質を投与するわけで、アナフィラキシーなど過敏反応を引き起こす可能性はあり、誰にでもできる方法ではありません。少なくとも、アレルギー専門医ではない院長にはハードルが高い医療です。
それ以外の花粉症治療薬は、基本的にはヒスタミンというアレルギーを起こす物質の受容体(細胞の膜についているヒスタミンとつながることでアレルギーのスイッチを入れるトリガーのようなもの)をブロックすることが、その薬理作用で、漢方薬が行っている鼻水を止める、咳を止める、鼻詰まりを解消する、目のかゆみを止めるということよりは根本に近いかもしれませんが、減感作療法よりは対症的です。
そして何よりも、これは自分の感覚なので、個人差は多いとも思いますが、花粉飛散の極期には無力であるという事実が、自分的にはあります。あまりのつらさに極量服用も試みたこともありますが、もうどうにもなりませんでした。
それに比較して、漢方薬は眠さやだるさとは無縁に、症状を軽快してくれましたし、効果も従来の抗アレルギー薬に遜色ない、むしろ即効性や短期間の勝負では漢方薬のほうが勝るように実感されました。
いらい、院長はずっと漢方薬をアレルギー性鼻炎の主軸に据えて自己治療をしています。


スギ花粉症の有病率は30%程度という報告もあります。3人に一人は春が憂鬱な季節になっているわけですね。
ふるやまクリニックでも1月半ばから徐々にアレルギー性鼻炎の治療薬をもとめて来院される方が増えてきました。
院長は自身の経験をもとに、少しでも地域の患者さんにより快適な回答を見つけてほしいので、取るものもとりあえず、スギヒノキ花粉症に対するブログを一気に書き上げた次第です。

院長の花粉症対策
1) 予防
予防は、何よりも大切です。不要不急の外出自粛(よく耳にするようになりましたが)が効果的です。あとは、帽子、眼鏡、マスク(コロナ以前からN95使っていました)、花粉のつかない服装は大事です。
頻繁な洗顔も有効です。顔もかゆいですよね。
2) 治療
治療法は症状別に行っています。
#1鼻水
#2鼻づまり
#3目のかゆみ
#4顔のかゆみ
#5のどのかゆみ
#6夜間の呼吸苦 咳の頻発
に大きく分けて、薬剤も使い分けます。院長は極期は無茶すると喘息用症状も出現します。吸入もいいですが漢方薬のほうがマイルドで楽です。もちろん、喘息症状が続くときは漢方だけでなくきっちりステロイド吸入をしています。
また#3の目のかゆみには長い間苦しめられていた記憶があり、対処法を教わった時には、そしてその威力を実感したときにはとてもうれしかったことがいまでも忘れられません。一つは、目に付着した花粉の除去の方法です。抗アレルギー薬やステロイドの目薬を点眼しただけでは、アレルギーのもとが結膜に付いたままに上から薬を塗るようなものでちょっといただけないです。しっかりとアレルギーのもとを除去してから点眼したほうがずっといいと思います。洗い流すのは流水が一番効果的ですが、真水を目に入れるととにかく痛いです。また、カップ状の受け皿に洗眼水をいれて洗う方法もまぶたにいっぱい花粉が残って瞼がかゆくて仕方がなくなりますのでこれもちょっといただけません。
理想的な方法は、昔の眼科の診療所で診察の時に豪快に目をあらわれたあの感じです。生理食塩水を使って洗えばしみることもなく十分に洗浄できるように思います。携帯に便利なのはコンタクトレンズ用の生理食塩水の点眼薬です。ケチらずにいっぱい洗いましょう。そのあとに点眼薬を使うと大変よくききますよ。洗った後はしっかり拭ってください。液体が瞼で乾くとカップ洗浄と同じことになりますので。
もちろん漢方薬でも大変即効性のあるアレルギー性結膜炎治療に使える製剤があります。詳しくは外来で院長にお尋ねください。

花粉症の時期は気道の粘膜も敏感になって脆弱になります。細菌やウイルスに対する防御力も極点に低下し、たいへん風邪をひきやすくなります。急性の上気道炎や気管支炎、副鼻腔炎は花粉によるものかウイルス細菌によるものか、特に熱発していない場合は非常にわかりにくいことがあります。
細菌性の場合は抗生物質が大変有効ですが、病原微生物による気道炎症では圧倒的にウイルス性の可能性が高く、ほとんどのウイルスに対する抗ウイルス薬は存在していません。
気道の炎症である風邪症候群には基本的に対症療法が全てです。
そういった意味でも粘膜結膜の炎症である花粉症も、風邪症候群も漢方薬をともに上手に使用してやることが、無理なく疾患をコントロールするのによい方法ではないかと考えます。


人間は個人個人で、個体差もあり、また考え方も異なりますので、解決方法はいろいろあっていいと思います。院長はこれまでの人生の中で漢方診療に出会い、自身の苦しみの一部分を開放することができました。
また、これまでの診療の中で、漢方薬をうまく使うことで同じように苦しみから解放された多くの患者さんを診てまいりました。
たかが、花粉症ではありますが、現在の治療や、今使っている薬に限界を感じた時には、漢方薬も試してみてはどうでしょうか。
漢方薬は対症療法として優れた効果を発揮することができる場合もたくさんあります。また、西洋の薬剤では困難な体質改善も可能です。
興味のある方はこのシーズンに一度試してみられてはいかがでしょうか。もちろん、会う場合もそうでない場合もあると思います。花粉症の方は毎年決まって何年もつらい思いをされているので、ある意味目の肥えた患者さんだといえるでしょう。そういう方にぜひ試していただければと思います。

 糖尿病  メタボリックな疾患その3

皆さんお元気でしょうか。コロナなかなか変わりませんね。いつまでも続いて本当につらいですね。
さて、最近、患者さんからこんなことをよく聞かれるようになりました。
【新型ウイルスは併存疾患があると重症化するので怖いが、自分自身の状態は併存疾患というのだろうか?併存疾患としてどの程度コロナに弱いのだろうか。】
大変難しい質問だと思います。疾患名は上げることはできても、明確なライン引きは困難だろうと考えます。ただし、慢性閉塞性呼吸障害(COPD)のようにそもそもターゲットになる肺が弱い方や、糖尿病のように免疫機能に障害が出る疾患は要注意だと思います。

ガイドライン的には、高血圧や心疾患なども挙げられています。いずれも今まで以上にしっかりとコントロールしていく必要があるように思います。皆さんも気を抜かずに病気のコントロールを私たちと一緒に頑張りましょう。

さて、うえにも話が上がってきた糖尿病のことに関して今日はお話ししようと思います。

一般に内科の病気は、症状が出る前に検査で指摘だれることが多く、患者さん自身は実感がないものです。メタボリック関連で例外はあのものすごくいたい痛風発作ぐらいでしょうか、自覚できるのは。
症状が出ない分、治療する気持ちにもなりにくいのは当たり前だと思います。

それに対して、私たちは疾患の恐ろしさを知っておりますので何とか治療していただきたい。そして、ついつい、ほっといたらえらいことになるという論調で治療を誘導しがちですが、そこはぐっとこらえてできるだけ時間をかけてお話しするようにしています。

たとえば、あなたが糖尿病であるとしましょう。検診で血糖が高いとか、ヘモグロビンA1Cが高いなど言われて病院に相談に来ています。何年も前から言われているんだけど、ちょっと年齢も上がってきたのでさすがにちょっと診察に来てみた なんて方も結構おられます。

お話を伺って検査を再度行い確認してから治療へと向かうのですが、血圧でもなんでもそうなんですけど、メタボリックの患者さんは基本生活指導が治療のベースですので、程度が軽い場合は食事指導や運動療法のみでまず様子を見ていただきます。

少し生活指導のことをお話ししましょう。どんな治療をおこなうばあいでも基本となりますのでよく読んでくださいね。

食事指導と申しましても、当院には管理栄養士はおりませんので、私がいつもお勧めしているのは簡単栄養管理法の、手計法(てばかりほう)です。
食事の内容をご飯、肉や魚などのたんぱく質、野菜という風に分けて、一食分の目分量を図っていくやり方です。詳しくはネットで検索してみてください。あるいは、外来で私に尋ねてください。簡単でとても分かりやすい方法です。
この方法を使えば、精密な管理は無理ですが、一日1400から1600カロリー程度に食事のエネルギー量を抑えることができます。
体重管理として、だいたい体重1kg当たりの必要カロリー数は6000カロリーなので、例えば1か月で1kg体重を落としたいのであれば、一日当たり200カロリー減らしていけばいいことになります。おにぎり1個分程度のカロリーです。
外食中心に生活していますと、一日の摂取カロリーはあっという間に2000カロリーを超えてしまいます。
手計法で計算した量ですと、最初はおなかがすくかもしれませんが、簡単で誰でもできる食事管理法なので、薬剤治療が入らない患者さんはもちろんのこと、薬剤の治療と併用していく患者さんもぜひ利用していただきたいと思います。

運動療法は、私は補助的にとらえています。筋肉量を維持することで、運動をしていない静止時の基礎代謝を上げて、太りにくい体を作ることを目標としていただきたいです。
自分自身の経験で恐縮なのですが、開業前に1年間で13kgの減量を行いました。その時は食事管理と運動がとても良いバランスだったと思っています。食事の目安は手計法で行いました。運動はウォーキングを中心に行いました。以前のウォーキングに関するブログにも書きましたが、運動の目安は一日7000歩を超えないように設定しています。できるだけ毎日で。運動時間は40分程度までにしています。過剰なウォーキングは膝や足首、下肢の筋肉にダメージを与えるため、継続を旨とするのであれば、一か月の総歩行数は20万歩以内に収めたほうが良いといわれています。負荷をかけたい場合はインターバルトレーニングで早歩きをします。
そこまでしなくても、いまの生活の運動量に毎日プラス10分(+10という運動指標が厚労省から提案されています。一度ホームページを見てください)運動をすることで、ある程度筋肉量も担保されますので大変良いかと思います。
運動で体重のコントロールをするのを私はあまり勧めていません。ちなみにスポーツで体重を減らすためには週3回 毎回2時間以上のクロールでの水泳 レベルの運動が必要とされるということが分かっていますので、これを本気で実践するためには相当体を作りこんでいかないと難しいように感じます。
くれぐれもオーバーユース(使いすぎ、やりすぎ)にならないように気を付けてください。

さて、メタボに対する基本的な生活習慣改善の簡単な方針を示しました後は、いよいよ、疾患の薬剤による管理のお話に移りましょう。

糖尿病の管理の指標は血液検査が中心となっています。一つは血液中の糖の濃度である【血糖値】でもう一つが採血日からさかのぼって数日分の血糖値の平均を表す【HbA1c ヘモグロビンA1c】です。
こちらを適切に測定しながら薬剤のコントロールを行っていきます。

管理に関して極論を申し上げるとすれば
【低血糖を起こさない】
ということに尽きるのではないでしょうか。

以前のガイドラインでは正常領域での管理が推奨されていました。今も、若年者はそうですが、高齢者になると少し様相が変わってきました。

65歳以下のコントロールに関しては
HbA1cで考えると、血糖の正常化を目指す場合は6未満、合併症予防を目指すので7未満、強化治療ができない場合は8未満を目指すとされています。

高齢者の場合は
認知機能が正常または軽度で日常生活が自立できている場合はHbA1cが7未満
認知機能の障害上がって日常生活の自立ができていない場合は8未満
を目安とします。

インスリンやSU製剤(アマリールなど)を使用している場合は重症低血糖が起きる可能性があるので
認知機能と生活力が正常な場合は
65歳から75歳までは 6.5から7.5
75歳以上は 7から8
までにコントロールすること。
軽度の認知能力障害や軽度の生活障害がある場合は年齢を問わずに 7から8まで
重度の障害の場合は
年齢を問わずの 7.5から8.5
にコントロールすることが推奨されています。

このように、ずいぶんと幅のある、低血糖を避けるコントロール法が推奨される理由はただ一つ、低血糖による心血管障害が生命の予後を悪くすることが分かったからです。

このことを踏まえて、糖尿病の治療薬の選択を私は以下のように考えています。

1) メトホルミンを中心に据えた治療を行う
2) SU製剤(アマリールなど)を極力使わない
3) インスリン導入をためらわない

1の事項に関しては、まず、安価であること。それから、高血糖状態による体内でのインスリン利用の低下(糖毒性)を改善することが大きな魅力となります。ただし腎不全、アルコール依存症、心、肝、肺機能異常患者には乳酸アシドーシスに注意して使用する必要があります。メトホルミンはシックデイといって、食事がとれない体調不良時には休薬する必要があることは注意を要します。

2の事項に関しては、SU製剤が低血糖を引き起こしやすく、また、他の薬剤と併用する場合に特にそれが顕著になるということに注意が必要です。SU製剤は強力に自己のインスリンを誘導するため、適応には慎重を要すると考えています。たとえば著しい高血糖でしかも入院はしたくないし、インスリン投与は絶対いやだという場合などに用いればよいと思います。また、使用する場合にはできるだけ少ない分量にとどめるのが、低血糖を防ぐために良い方法です。
まだまだ、たくさんのSU剤をお使いになっている患者さんがおられますので、患者さんとじっくり話し合いながら、他の薬剤と入れ替えながら減量を図っていくのがよいでしょう。

3に関しては、大胆にインスリンを導入することで、体内の糖代謝の状態を改善し、体内の糖の代謝状況を早期に改善することで、最終的にはインスリンを離脱させる目的に使います。

経口で使用可能な薬剤が増えてきていることと、インスリンへの忌避感が強いこともあって、インスリンの使用はなかなか進まない感じがします。一つのめどとしては経口剤3種類を最大限用いてもコントロールできない血糖はインスリン使用の対象と考えたほうがよいでしょう。

メタボリック症候群に属する疾患は、指摘をされる時期には自覚症状がないものがほとんどです。
当院は整形外科の患者さんも多く受診されますが、
運動器の疾患と内科疾患との大きな違いは自覚症状の出方だといつも強く感じてしまいます。

からだの痛みは強い自覚症状になりますのでみなさん我慢できずに早めに来院してくれます。おかげで腕や足が動かないとか大変なことになる前に治療の導入ができますので、大きな問題に至らない場合が多いように見えます。

内科疾患のほとんどは、ずいぶん重症にならないと症状が自覚できません。医学の発達のおかげで、症状が出る前に異常が分かることが大変多くなっています。例えば高血圧でも、血圧を測ればわかりますし、糖尿病や、慢性腎障害、脂質の異常などは血液検査で異常値がよくわかります。ほとんどが、指摘を受けたときには症状がなく、病気の意味を理解しないと放置してしまう可能性が高いように思います。
多くが生命に直接関係しますので重症化するとすぐそこに生命の危機がやってきます。

さて、糖尿病の場合は3つの大きな合併症があります。
1)腎機能障害(進行すると透析が必要)
2)目の障害(視神経・網膜の障害)
3)神経の障害(手足のしびれ)
これらは糖尿病の特徴である細い動脈の障害から派生するものです。血管障害は比較的大きな血管にも波及し、心筋梗塞や脳梗塞、あるいは足の動脈の閉塞から指を失ったりすることもあります。
それ以外にも、糖尿病はからだの免疫機能の低下をきたすため、感染への抵抗力が低下したりがんが発生しやすくなります。

これら重篤な症状が発生するころには後戻りできなくなっていることも多く、早期に生活習慣の子不整と薬剤治療を始めることが大変大切になります。

程度にもよりますが、まず可能であればメトホルミンやDPP4阻害剤から開始し、A1cや血糖値を随時測定しながら薬剤を増減していきます。
前述のように、3種類ないしは4種類の違った効果の内服薬を組み合わせても制御できない場合はどうしてもインスリンの使用が必要になります。

メタボリック症候群のような内臓慢性疾患の治療をする際に、長期化する治療を嫌い、治療開始をためらう患者さんにもよく出会いますが、早期の場合必ずしも一生の付き合いになるわけではないこと、またある程度進行している場合でも、真剣に向かい合えば服薬量を減らしたりもできることをお伝えするようにしています。
生活習慣と体質が深く絡んでいる疾患なので、変えていくことは難しいですが、できるだけしっかりと病気に向かい合っていただき、長くご自分のからだをつかっていただくために、われわれも患者さんに寄り添っていきたいように考えています。

新年のご挨拶

 

  皆さん、あけましておめでとうございます。数年に一度の寒波が年末年始に襲来し大変寒い日々が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルスも蔓延度を増して襲い掛かってきており、どうやら関西圏にも非常事態宣言が出されるようですね。何気なくふるまっていた日常がウイルスという天災に奪われてもうすぐ1年がたとうとしています。
今回の非常事態宣言自身は、昨年の様なものにはならないでしょうし、また前回と全く同じように我々も行動していると、精神的にも肉体的にもむしばまれてしまうでしょうから、自らの健康を損なうほどに引きこもることは避けてください(外出禁止れではありませんので)。


どうしても寒い冬場はそれでいても、運動量が減り、また、温かい室内で食っちゃ寝の生活をしてしまいがちで、メタボにシフトしてしまう要素が多いように思います。暖かい日、暖かい時間帯を選んで体を動かすようにしてください。
診察中にもよく、コロナが怖くてというお話を再び伺うようになりました。当院では密を避ける工夫を、可能な限り施行してまいりました。年明けからは、より換気を徹底するとともに、リモートの順番予約制度を導入し、待合での密を極力避けれるように工夫しております。どうぞご利用ください。


ふるやまクリニックでは、本年も変わらず、皆さんの日常生活の質の向上と、健康な日々を祈念しております。上手に環境をおつくりになって、体を動かし、体調を整え、日々のケアを怠らないようにお願い申し上げます。

メタボリックな疾患 その2高血圧

高血圧症は脳卒中、心臓病、腎臓病、大血管疾患(動脈瘤など)の強力な原因になっています。
血圧管理を必要とする対象者は血圧が140/90以上の高血圧患者、130~139/80~89の高血圧値の方、血圧上昇に伴い脳心血管系病のリスクが上昇する120/80以上の人 これがすべて対象になります。

我が国の高血圧に起因する脳心臓血管障害による死亡数は年10万人と推定され、収縮期血圧(高いほうの血圧)がより脳血管心臓血管の障害に関与しているデータがあります。

我が国の高血圧患者は4300万人と推定され3100万人が管理不良であるといわれています。自らの高血圧を自覚していない人が1400万人、知っているが放置している人が450万人、薬物治療を受けているが管理不良な人が1250万人いると推定されています。


わが国では食塩摂取が依然として過剰気味でありそれに加えてメタボリックシンドロームによる高血圧も増加しています。
血圧が高く、高血圧を改善する薬をもらった時に血圧を測定するように医療機関で言われると思いますが、標準的な測定方法はご存じでしょうか。
ガイドラインで推奨されている方法はやや堅苦しい感じがすると思います。
血圧の基準は家庭血圧を標準とします。原則2回測定し平均値を記載します。朝晩毎日1回ずつ測定するのが基本です。

外来で愚直にこう申し上げると、多くの方はうんざりした感じになってしまうので、私は『週のうち2.3回でもいいので、ランダムな時間で測ってください』ということが多いです。もちろんデータは多いほうがいいのですが継続していただくことが大事なので、患者さんとの話し合いで決めることが多いです。

診察室と家庭と24時間自由行動での血圧値はそれぞれ違う基準が設定されています。
診察室血圧は140/90、家庭血圧は135/85を基準値とし、家庭血圧を優先して考慮します。

高血圧の型もいろいろあります。日本人に多いのが早朝高血圧のタイプで、降圧薬服用者にも多い高血圧の型です。この中でモーニングサージと言って極端に朝の血圧が上がる方は血管系の障害を起こす可能性が高く注意が必要です。

血圧を下げる目安ですが、75歳以上、脳血管障害あり、慢性腎障害あり(たんぱく尿なし)の場合は140/90未満が目標です。75歳未満、脳血管障害あり、慢性腎障害(たんぱく尿あり)、糖尿病、高血栓薬(血をサラサラにする薬)を服用中の場合は130/80未満を目標にします。
服薬の原則は1剤からですが、20mgHg 以上の降圧を目的にする場合は併用することもあります。
降圧は収縮期血圧(高いほうの血圧のこと)を120までに設定することが望ましいです。


血圧に対する生活習慣上のケアの方法は、1)減塩(1日6g以下)2)野菜果物を積極摂取する。多価不飽和脂肪酸や低脂肪乳製品の積極的摂取をおこなう。飽和脂肪酸、コレステロールの摂取を控える。3)有酸素運動を毎日30分ないしは週180分以上行う。4)節酒 5)禁煙
があげられます。こちらは降圧薬の内服のいかんにかかわらず必要です。

当院では、整形外科疾患の患者さんも多いので、運動器の障害を主に治療されることも多く、薬剤として血圧をあげてしまうものとして、ロキソニンなどのNSAIDといわれる消炎鎮痛薬やグリチルリチンを含む芍薬甘草湯などの漢方薬は頻用します。こちらは注意が必要となってきます。えてして、ロキソニンなどはうかつに長期使用してしまいがちな薬剤(腎機能障害や消化管粘膜障害もあるので本当は注意していただきたいです)です

以上生活習慣に密着した、最もポピュラーな疾患である高血圧の大まかな説明をさせていただきました。あまりに短すぎてきっちりとした説明もできないまま診療が継続してしまう場合もあるでしょう。この文章が参考になれば幸いです。