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肩・腕・脚の痛みやしびれ、原因はひとつではありません

タイトル

肩こりのような痛み、腕や指先のしびれ、お尻から脚にかけての痛み。首や腰の神経、脚の血流、帯状疱疹など、原因はさまざまです。ふるやまクリニックが、診察で伺うことや受診の目安、すぐに救急受診が必要な症状をお伝えします。


「肩こりやと思っていたら、腕まで痛くなってきた」
「指先がジンジンする」
「お尻から脚にかけて、ビリビリ痛む」

こうした症状で受診される方は、少なくありません。

「しびれ」というと、正座のあとの感覚を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども、神経が関係する症状には、感覚が鈍くなるだけでなく、「電気が走るよう」「焼けるように痛い」と感じるものもあります。

「痛み」なのか「しびれ」なのか、ご自身で区別できなくても大丈夫です。
感じていることを、そのままお聞かせください。

肩こりや腕の痛みに、首の神経が関係していることも

肩から腕、手にかけての痛みやしびれは、首のところで神経が圧迫されたり、刺激されたりして起こることがあります。代表的なものが「頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)」です。

初めは、肩こりのような痛みとして感じられ、区別が難しいこともあります。

「首を動かすと腕まで響く」「手にも症状が広がってきた」――こうした変化は、原因を考える大切な手がかりになります。

また、神経が影響を受ける場所は首だけではありません。

  • 肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん):肘の内側を通る神経が圧迫され、小指や薬指の小指側にしびれが出ることがあります。
  • 胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん):首から胸元にかけて神経や血管が圧迫され、腕や手に痛み・しびれが出ることがあります。

どの指に症状が出ているか、腕の位置や姿勢で症状が変わるかなどを確かめながら、原因を整理していきます。

お尻から脚の痛み・しびれも、原因はさまざま

お尻から脚にかけて広がる痛みやしびれは、「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」と呼ばれることがあります。これは特定の病名ではなく、症状をあらわす言葉です。

背景には、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などによる神経の圧迫があります。また、腰だけでなく、お尻の周辺などで神経が圧迫されて起こることもあります。

ただし、脚の痛みやしびれが、すべて坐骨神経痛というわけではありません。

例えば、脚の動脈が狭くなり、血流が悪くなることで、歩くと痛みが出て、休むと軽くなることがあります。こうした症状は腰部脊柱管狭窄症でもみられるため、「休むとまた歩ける」という特徴だけでは区別できません。

また、糖尿病に伴う神経障害では、両足の先にしびれや感覚の鈍さ、焼けるような痛みが出ることがあります。

歩くと脚がつらくなり、買い物や外出を控えるようになると、暮らしにも影響します。これからも自分の足で歩くために、「脚のしびれ=腰が原因」と決めつけず、神経と血管の両方に目を向けることが大切です。

皮膚のピリピリした痛み――帯状疱疹のこともあります

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、赤みや水ぶくれより先に、ピリピリ・チクチクした痛みが出ることがあります。

発疹がまだ出ていない段階や、わずかしか出ていない段階でも、強く痛むことがあります。

「体の左右どちらか片側に痛みが続く」「服がこすれるだけで痛い」といった症状も、手がかりのひとつです。

ただし、痛みだけの段階では判断が難しいこともあります。受診後に赤いぶつぶつや水ぶくれが出てきたら、「少しだけやから」と様子を見ずに、早めにお知らせください。

診察でお聞きすること

原因や治療方針を考えるために、次のようなことをお伺いします。

  1. いつから・どこに症状があるか
    片側か両側か、どの指や脚のどのあたりか、など。
  2. どんな感じか
    ビリビリする、焼けるように痛い、感覚が鈍い、など。
  3. 何をすると変わるか
    首や腕を動かす、姿勢を変える、歩く、休む、など。
  4. 力の入り具合はどうか
    物を落とす、つまずきやすい、力が入りにくい、など。
  5. 暮らしや仕事にどれほど影響しているか
    眠れない、家事がつらい、仕事に支障がある、など。
  6. 皮膚に変化がないか
    赤み、発疹、水ぶくれがある、など。

上手に説明しようとしなくて大丈夫です。「このへんが、こんなふうにつらいんです」とお話しいただくことが、診察の第一歩です。

すぐに救急受診が必要な症状

次のような症状があるときは、当院の診療時間を待たずに対応してください。症状がすべてそろうとは限りません。

▶ 突然、片側の手足がしびれる・力が入らないとき

顔のゆがみ、言葉の出にくさ、ろれつが回らないといった症状も、脳卒中のサインです。これらの症状が突然起きた場合は、すぐに119番へ連絡してください。

▶ 腰や脚の症状に、排尿や股のまわりの異常が加わったとき

急に尿が出にくくなった、尿が漏れるようになった、股のまわりの感覚が鈍くなった場合は、馬尾(ばび)症候群などの可能性があります。脚の力が急に弱くなった場合も含め、至急、救急病院を受診してください。

▶ 急に手足が強く痛み、冷たくなったり、色が白くなったりしたとき

急に血流が途絶えている可能性があります。しびれや動かしにくさを伴う場合もあり、すぐに119番へ連絡してください。

がまんを続けず、ご相談ください

痛みやしびれが長引く、範囲が広がってきた、家事や仕事がつらくなった――そう感じたら、がまんせずにご相談ください。力の入りにくさが出てきた場合は、早めの受診が大切です。

当院では、問診と診察、必要な検査をもとに原因を探り、状態に応じて、お薬による治療や理学療法士によるリハビリテーションなどをご提案します。専門的な検査や治療が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介します。

痛みやしびれを和らげることに加え、歩くことや日々の動作を保つことも大切にしています。

次回は、痛みやしびれで受診されたときに行う「検査と治療」について、詳しくお伝えします。

腰痛で受診したら、どんな治療をするの? ― 当院の検査とリハビリについて

「腰が痛いけど、病院では何をしてもらえるんやろう」

「薬や湿布だけで、ほんまに大丈夫かな」

「仕事や家事がつらいので、なんとかしたい」

前回は、腰痛の原因や、早めに受診していただきたい症状についてお話ししました。

今回は、当院で腰痛の診療をどのように進めていくのかをご紹介します。検査や治療に加えて、とくに理学療法士によるリハビリテーションについてお伝えします。

1.まず、痛み方と「何に困っているか」を伺います

ひとくちに「腰が痛い」といっても、痛む場所や痛み方、暮らしへの影響は人それぞれです。

当院では、次のようなことをお聞きします。

・どこが痛みますか?
腰の真ん中か、左右どちらかか。お尻や脚まで痛みが広がっていないかも確認します。

・どんな痛みですか?
ズキズキする、重だるい、電気が走るように痛むなど、痛みの感じ方を伺います。

・いつから、どんなときに痛みますか?
立ち上がるとき、長く座っているとき、前かがみになるとき、腰を反らすときなど、痛みが強くなる動作や、楽になる姿勢を確認します。

・脚のしびれや、力が入りにくい感じはありませんか?

・毎日の暮らしや仕事で、いちばん困っていることは何ですか?
家事がつらい、仕事に差しつかえる、長く歩けない、散歩や趣味を楽しめないなど、具体的にお聞かせください。

痛みの強さだけでなく、「痛みのために何ができなくなっているか」も、治療を考える大切な手がかりです。

診察や検査の結果と合わせて、必要な治療を選んでいきます。

2.診察と必要な検査で、腰の状態を確認します

お話を伺ったあと、痛む場所や腰の動き、脚の筋力・感覚・反射などを確認します。

必要に応じてレントゲン検査を行い、骨折や骨の変形、背骨の並びなどを調べます。ただし、レントゲンだけでは分かりにくい病気や、神経・椎間板の状態もあります。

さらに詳しい確認が必要な場合は、連携病院でMRIやCTなどの画像検査を手配します。

当院からの依頼により、連携病院の外来診察を別途受けずに、画像検査を受けていただける仕組みがあります。 検査結果を当院で確認し、その後の治療につなげます。

手術の検討や専門的な診療が必要な場合には、適切な医療機関へご紹介します。

画像だけでは、痛みの原因がはっきりしないこともあります

画像で目立った異常が見つからなくても、痛みや生活上の困りごとがないわけではありません。

また、画像に変形があっても、それだけで痛みの原因を説明できるとは限りません。

当院では、画像の所見だけでなく、症状や診察所見、筋肉や関節の動き、日常の体の使い方などを合わせて判断します。経過によっては追加の検査も検討しながら、治療を進めます。

3.症状と生活への支障に合わせて、治療を選びます

腰痛の治療は、全員が同じではありません。

お薬と生活上の工夫で経過を見る場合もあれば、物理療法や理学療法士によるリハビリテーションを組み合わせる場合もあります。症状や原因によっては、注射などの治療を検討します。

① お薬・湿布

飲み薬や湿布を使い、痛みや炎症をやわらげます。

ほかに飲んでいるお薬や持病も確認しながら、症状に合った種類や使用期間を考えます。

痛みが強いときには無理をせず、状態に応じて日常の動きを取り戻せるようにしていきます。

② 物理療法

温熱療法や低周波などを、症状に応じて取り入れます。痛みや筋肉の緊張をやわらげることを目的とした治療です。

③ 理学療法士によるリハビリテーション

当院が力を入れているのが、理学療法士による、一人ひとりの状態に合わせたリハビリテーションです。

医師が必要と判断した方に、医師の指示のもと、国家資格をもつ理学療法士がマンツーマンで対応します。

・体の状態の確認
関節の動き、筋肉の柔軟性や筋力、姿勢、歩き方などを確認し、どの動作で腰に負担がかかっているかを考えます。

・ストレッチや手技
必要に応じて取り入れ、筋肉の緊張や関節の動かしにくさに働きかけます。

・運動療法
お腹や背中、股関節まわりの筋肉を使う練習などを行います。痛みや体力に合わせて内容を調整し、日常の動作を行いやすくすることを目指します。

・動作と姿勢のアドバイス
座り方、物の持ち上げ方、寝起きのしかたなど、生活や仕事の場面に合わせて、腰への負担を減らす工夫をお伝えします。

目標は、痛みをやわらげることに加えて、家事や仕事、散歩など、ご本人が困っている動作を取り戻すことです。

ご自宅でできる体操も、痛みの程度や回復に合わせてお伝えします。無理のない範囲で続け、動きやすさの維持や再発予防につなげていきます。

つらい腰痛、我慢せずにご相談ください

「湿布を貼って様子を見ているけど、なかなか良くならない」

「治ったと思っても、何度も腰痛をくり返してしまう」

「家事や仕事に支障が出ている」

そんなお悩みがあれば、一度ご相談ください。

腰の状態と生活上の困りごとを確認し、お薬や物理療法、理学療法士によるリハビリテーションなどから、必要な治療をご提案します。

「いつまでもじぶんのあしであるく」ために。日々の暮らしを支える治療を、一緒に考えていきます。

腰痛について ― よくある原因と、見過ごしたくない症状

「朝、布団から起き上がるときに、腰がピキッと痛む」

「台所に立っていると、だんだん腰がしんどくなる」

「もう何年も腰痛やから、こんなものやと思っている」

腰痛は、当院でも毎日のようにご相談いただく症状のひとつです。

身近な症状だからこそ、「年のせいやろ」「疲れているだけ」と、そのままにされている方も少なくありません。

腰痛には自然に落ち着いていくものがある一方で、早めの検査や治療が必要なサインが隠れていることもあります。

今回は、腰痛のおもな原因と、見過ごしたくない症状についてお話しします。

腰痛の原因はひとつではありません

腰は、背骨(腰椎)・椎間板・関節・筋肉などが連携して体を支えています。

毎日の姿勢や動作による負担、年齢とともに起こる骨や椎間板の変化など、いくつもの要因が重なって痛みが出ることがあります。実際、原因をひとつに絞りきれない腰痛も少なくありません。

一方で、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった病気が原因となっている場合もあります。

  • 腰だけが痛むのか、お尻や脚にも痛み・しびれがあるのか
  • 前かがみになるとつらいのか、後ろに反らすとつらいのか
  • しばらく歩くと脚が痛んだりしびれたりして、休むと楽になるのか

たとえば、「買い物の途中で脚が痛くなったり、しびれたりして、続けて歩けない」「腰をかけたり、カートにもたれて前かがみになると楽になる」といった症状は、腰部脊柱管狭窄症でみられます。

こうした症状のあらわれ方の違いが、腰の状態を知るための大切な手がかりになります。

こんな腰痛は、早めにご相談ください

腰痛があるからといって、すべてが重い病気というわけではありません。

ただし、次のような症状がある場合は「いつもの腰痛」と決めつけず、早めに医療機関を受診してください。

  • 姿勢を変えて休んでも痛みが軽くならない
  • 夜も痛みで眠れない、痛みがだんだん強くなる
  • 発熱や強い全身のだるさを伴う
  • 転倒や尻もちのあとから腰や背中が痛む
  • 脚のしびれが強くなる、足に力が入りにくくなる
  • 思い当たる理由がないのに体重が減っている

特に骨粗しょう症のある方は、尻もちだけでなく、物を持ち上げるなどの日常の動作でも、背骨の圧迫骨折を起こすことがあります。

思い当たる転倒がなくても、急に腰や背中が痛くなったときはご相談ください。また、がんの治療歴がある方に新たな腰痛が出てきた場合も、早めの受診が大切です。

【すぐに受診が必要なサイン】

腰痛とともに、「急に尿が出にくくなった」「新たに尿や便がもれるようになった」「お尻や股のまわりの感覚が鈍くなった」といった症状が出た場合は、馬尾(ばび)神経などの重大な障害が疑われます。

また、急に脚に力が入らなくなった場合や、脚の力が急速に落ちている場合も、緊急の診察が必要です。

通常の診療日を待たず、すぐに救急医療機関を受診してください。急に立てない・歩けないなどの場合は119番へ。受診先や救急車を呼ぶか迷うときは、救急安心センターおおさか(#7119)にご相談ください。

スポーツをするお子さんの腰痛にも注意を

腰痛は大人だけの問題ではありません。

運動会や大会に向けて練習に力が入る時期には、お子さんの腰の痛みにも目を向けてください。成長期にスポーツをがんばるお子さんで、特に注意したいのが、**腰椎分離症(ようついぶんりしょう)**です。

腰を反らす・ひねる・ジャンプするといった動作をくり返すことで、腰の骨の一部に負担が集中し、疲労骨折を起こす病気です。

「練習の疲れやろ」

「若いから、放っておいたら治る」

「試合に出られているから大丈夫」

こう考えて痛みをがまんしたまま運動を続けると、骨がくっつきにくくなり、腰痛が長引く原因になることがあります。早めに状態を確認することが大切です。

部活や競技中の腰痛が続く場合や、くり返す場合、特に腰を後ろに反らしたときに痛む場合は、無理をさせず整形外科にご相談ください。

保護者の方も、お子さんの「ちょっと腰が痛い」という声に耳を傾けてあげてください。

腰痛で、毎日の暮らしをあきらめないために

「買い物に行くのがおっくうになった」

「家事の途中で、何回も横にならないとつらい」

「畑仕事や庭の手入れがしんどくなってきた」

「腰が気になって、出かけるのを控えている」

こうした暮らしの変化も、受診を考えていただく大切な目安です。

痛みが強いときや、骨折などで安静が必要なときは、無理をせず休むことが大切です。そのうえで、腰の状態に合わせて活動を取り戻していきます。

腰痛をかばって動かない生活が長く続くと、筋力や体力が落ち、歩くこと自体がおっくうになることがあります。腰を守ることは、歩く力を守ることにもつながります。

当院では、痛みの強さだけでなく、日常生活のどんな動作でお困りなのかを丁寧にお伺いしたうえで、その方に合った治療方針を一緒に考えます。

痛みをやわらげるお薬や処置に加えて、腰の状態に応じて、理学療法士と一緒に体の柔軟性や筋力、動かし方を見直すリハビリテーションも大切な選択肢のひとつです。

まずは、今の腰の状態を確認するところから始めましょう。お気軽にご相談ください。

次回は、腰痛の検査や治療の進め方、そしてリハビリテーションの役割について詳しくお話しします。

糖尿病と運動―たくさん歩けばいいのでしょうか?

糖尿病の患者さんに、

「運動をしましょう」

とお話しすることがあります。

すると、

「毎日1万歩くらい歩いた方がいいですか?」

と聞かれることがあります。

もちろん、身体を動かすことは大切です。

しかし私たちは、**「健康のためなら、歩けば歩くほどよい」**とは考えていません。

特に膝や腰などに痛みのある方が、歩数だけを目標にして無理をすることには注意が必要です。

なぜ糖尿病で運動が大切なのでしょう?

糖尿病の運動というと、「カロリーを消費するため」と考える方が多いかもしれません。

それだけではありません。

年齢とともに筋肉量が低下すると、身体を動かす力も少しずつ低下していきます。

筋肉は身体を動かすだけでなく、血液中の糖を取り込んで消費するうえでも重要な組織です。

そのため、糖尿病の方にとっても、

「筋肉をできるだけ維持して、これからも動ける身体を保つこと」

はとても大切です。

運動は、一時的にたくさん行うことよりも、無理なく続けていくことを考えましょう。

いきなり「1万歩」を目指さなくても構いません

「運動しなければ」と思うと、急に歩く距離を増やしたくなるかもしれません。

しかし、今まであまり運動していなかった方が、いきなり大きな目標を立てる必要はありません。

厚生労働省でも、**「今よりも少しでも多く身体を動かす」**という考え方が示されています。

まずは、

「今より10分多く身体を動かしてみる」

そんなところから始めてもよいでしょう。

大切なのは、数字を達成することではなく、身体を動かす習慣を続けていくことです。

膝が痛いのに歩き続けていませんか?

ここは特にお伝えしたいところです。

「糖尿病があるから運動しなければならない」

「健康のために歩かなければならない」

そう考えて、膝が痛いのに無理をして歩いている方がいらっしゃいます。

当院でも「膝の痛み」についてご相談を受ける機会が多いですが、膝に痛みがある方まで、歩数だけを目標にする必要はありません。

運動の目的は、歩数を競うことではありません。

筋肉や身体機能を保ち、これからも自分の足で動ける身体を維持すること。

こちらの方が大切だと私たちは考えています。

痛いときは、しっかり休みましょう

そして、もう一つ大切なことがあります。

痛みを我慢してまで運動を続ける必要はありません。

膝などに痛みが出たときは、無理をせず、痛みを悪化させる運動はいったん休むことも大切です。

「休んだら筋肉が落ちてしまう」

「運動をさぼっているようで不安」

と感じる必要はありません。

身体の状態をみながら休み、痛みが落ち着いたら、また無理のない範囲から身体を動かしていきましょう。

痛みが続く場合や、運動を再開すると繰り返し痛む場合には、一度原因を確認した方がよいこともあります。

「運動する」と「身体を守る」を両立させましょう

これは糖尿病の患者さんだけの話ではありません。

膝や腰などの症状で整形外科に通院している方にも共通します。

  • 動かなさすぎない
  • 歩きすぎない
  • 筋肉をできるだけ維持する
  • 痛いときは無理をしない

大切なのは、たくさん歩くことではなく、自分の身体に合った運動を長く続けることです。

「何歩歩けばいいですか?」だけではなく、

「自分の身体なら、どのくらいの運動を続けられるだろう?」

そんな視点で、ご自身の運動を一度見直してみてください。

歩くと膝が痛い…病院に行くべき? 考えられる原因と受診の目安

「歩き始めると膝が痛い」

「買い物や散歩をしていると、だんだん膝が痛くなる」

「最近、膝の痛みのために歩くのがおっくうになってきた」

こうした膝の痛みを感じていても、「年齢のせいかな」「まだ歩けるから大丈夫」と、様子を見ている方は少なくありません。

しかし、歩くときの膝の痛みには、さまざまな原因が考えられます。

大切なのは、必要以上に心配することではなく、痛みの原因や膝の状態を確認し、その状態に合った対処や治療を考えることです。

今回は、歩くと膝が痛むときに考えられる原因や、整形外科を受診する目安、受診した場合にどのような治療が考えられるのかについてお話しします。

歩くと膝が痛いのはなぜ?

膝には、立つ、歩く、階段を上り下りするといった日常の動作のたびに、繰り返し負担がかかっています。

そのため、膝関節やその周囲に問題があると、

  • 歩き始めに痛む
  • 長く歩くと痛くなる
  • 階段の上り下りで痛む
  • 立ち上がるときに痛む
  • 膝を曲げ伸ばしすると痛む

など、さまざまな形で症状が現れます。

同じ「膝が痛い」という症状でも、年齢や痛む場所、腫れの有無、けがの有無などによって、考えられる原因は異なります。

歩くと膝が痛むときに考えられる主な原因

代表的なものの一つが変形性膝関節症です。

年齢とともに膝関節の軟骨などに変化が生じ、歩き始めや立ち上がり、階段の上り下りなどで痛みを感じることがあります。進行すると、歩いている途中にも痛みが出たり、膝が腫れたりすることもあります。

ただし、膝の痛みの原因は変形性膝関節症だけではありません。

半月板など膝関節内部の問題、膝周囲の腱や滑液包の炎症、急なけがなど、さまざまな原因が考えられます。

そのため、「歩くと痛いから変形性膝関節症だろう」とご自身で決めつけないことが大切です。

膝が痛くても様子を見ていい? 受診の目安

痛みが軽く、一時的で、短期間のうちに自然と和らいでいくようであれば、少し様子を見ていただいても構いません。

一方で、次のような変化がある場合は、一度整形外科でご相談ください。

  • 膝の痛みが数日〜数週間以上続いている
  • 痛みが以前より強くなってきている
  • 休み休みでないと歩けないなど、歩ける距離が短くなってきた
  • 階段の上り下りや立ち上がりがつらくなってきた
  • 膝に水がたまったように腫れている、曲げ伸ばしがしにくい
  • 痛みのために外出や散歩を控えるようになった

特に大切なのは、「まだ歩けるから大丈夫」だけで判断せず、膝の痛みによって日常生活や外出の機会が減っていないかを見ることです。

痛みを避けて歩かなくなる状態が続くと、筋力や活動量そのものが低下してしまうことがあります。

早めの受診が必要なサイン

次のような症状がある場合は、様子を見ずに早めに整形外科を受診してください。

  • 転倒や捻挫などのけがをした直後から強く痛む
  • 膝が急に赤く腫れ、触ると強い熱感や激しい痛みがある
  • 膝が途中で引っかかったようになり、曲げ伸ばしができなくなる

整形外科では何をするの?

整形外科では、いつから、どのようなときに痛むのか、膝のどの部分が痛むのかなどを詳しく伺い、診察を行います。

そのうえで、必要に応じて検査を行い、膝の状態や痛みの程度、考えられる病気を確認しながら、治療方針を考えていきます。

検査をすること自体が目的ではありません。

「なぜ痛いのか」「今どのような状態なのか」を確認し、その方に合った治療につなげるために診察や検査を行います。

膝の痛みにはどんな治療がある?

「膝が痛くて病院へ行ったら、どんな治療をするのだろう?」

受診を迷っている方にとっては、ここも気になるところだと思います。

膝の痛みの治療法は一つではありません。

検査をして痛みの程度や考えられる病気を確認し、その方の状態や生活に応じて必要な治療を組み合わせていきます。

薬による治療

炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬の内服や湿布などの外用薬を使用することがあります。

また、痛みの状態に応じて鎮痛薬を使用したり、原因となる病気がある場合には、その治療に必要な薬を使用したりします。

関節内注射

膝の状態や病気に応じて、ヒアルロン酸やステロイドなどの関節内注射を行う場合があります。

物理療法・リハビリテーション

温熱療法や低周波療法などの物理療法を行うことがあります。

また、必要に応じて理学療法士によるリハビリテーションを行い、膝周囲の筋力や柔軟性、歩き方などを確認しながら、できるだけ歩きやすい状態を保つことを目指します。

生活上の工夫

膝への負担を減らすため、体重管理や運動量、日常生活での体の使い方などについて一緒に考えることも大切です。

このように、「膝が痛い=すぐに手術」というわけではありません。

痛みの原因や程度、生活への影響を確認しながら、まずはその方の状態に応じた保存的治療(手術以外の治療)を検討していきます。

「年齢のせい」と我慢し続けないでください

膝が痛くても、「もう年だから仕方がない」「まだ何とか歩けるから、病院へ行くほどではない」と考えて、我慢を重ねてしまう方も少なくありません。

もちろん、膝が少し痛んだからといって、すべての方がすぐに特別な治療を必要とするわけではありません。

しかし、痛みの原因や現在の膝の状態を知ることで、これからどう付き合っていけばよいのかが見えてくることがあります。

また、必要な治療やリハビリテーションを行い、筋力や活動量の低下をできるだけ防いでいくことも大切です。

「これくらいの膝の痛みで受診していいのかな」と迷っている段階でも、どうぞお気軽に整形外科にご相談ください。

膝が痛いときに考えられる原因|年齢のせいだけではありません

「最近、歩くと膝が痛い」

「立ち上がるときに膝が痛む」

「階段の上り下りがつらくなってきた」

膝の痛みは、当院の整形外科でもよくご相談いただく症状のひとつです。

特に年齢を重ねてから膝が痛くなると、

「歳だから仕方がないのかな」

と思っている方も少なくありません。

しかし、膝が痛む原因はひとつではありません。

膝の痛みで多い「変形性膝関節症」

膝の痛みの原因としてよくみられるのが、年齢とともに膝の関節に変化が起こる変形性膝関節症です。

初めのうちは、

  • 歩き始めに痛む
  • 椅子から立ち上がるときに痛む
  • 階段の上り下りで痛む
  • 長く歩いたあとに痛くなる

といった症状から始まることがあります。

痛みがそれほど強くない時期には、「まだ大丈夫」とそのままにしている方もいらっしゃいます。

しかし、膝の状態は痛みの強さだけでは判断できません。

いつ、どのような動きで痛むのかも、膝の状態を考える大切な手がかりになります。

使いすぎや負担で痛むこともあります

膝の痛みは、年齢による変化だけで起こるわけではありません。

いつもより長く歩いた、急に運動量が増えた、仕事などで膝に負担がかかった、といったことをきっかけに痛みが出ることもあります。

例えば、

「旅行でいつもよりたくさん歩いた」

「久しぶりに運動をした」

「仕事や家事で立ったりしゃがんだりすることが増えた」

といったあとに膝が痛くなった場合には、膝にかかった負担も考えてみる必要があります。

もともと膝に軽い変化があり、そこに普段以上の負担が加わったことで、初めて痛みとして現れることもあります。

急な痛みや腫れでは、別の原因も考えられます

一方、膝が急に強く痛くなった、腫れてきた、熱をもっているという場合には、変形性膝関節症や使いすぎだけではなく、別の原因も考える必要があります。

例えば、尿酸やピロリン酸カルシウムなどの結晶が関節の中で炎症を起こし、痛風や偽痛風のような症状が現れることがあります。

こうした場合には、それまで膝にほとんど症状がなかった方でも、ある日突然、強い痛みや腫れが出ることがあります。

また、頻度は高くありませんが、関節リウマチなどの病気が膝の症状として現れることもあります。

そのため、

「膝が痛いから、きっと年齢のせいだろう」

と最初から決めつけないことが大切です。

診察では「どんなときに痛むか」も大切です

膝の診察では、痛みの強さだけではなく、

  • いつから痛むのか
  • 歩くと痛むのか
  • 立ち上がるときに痛むのか
  • 階段で痛むのか
  • 安静にしていても痛むのか
  • 急に痛くなったのか
  • 腫れや熱感があるのか

といったことも確認します。

こうした情報は、膝のどこに問題があり、何が痛みの原因になっているのかを考える大切な手がかりになります。

膝の痛みが続いている方や、歩行・階段・立ち上がりなど日常生活に支障が出てきた方は、「歳だから」と我慢し続けず、一度ご相談ください。

「膝が痛い場所」にもポイントがあります

ところで、患者さんが「膝が痛い」とおっしゃるとき、実際に痛みを感じている場所は、必ずしも膝の真ん中だけではありません。

「膝より少し上が痛い」

「膝の下のほうが痛い」

「膝の内側から少し下が痛い」

といった方もよくいらっしゃいます。

膝から少し離れているから、膝とは関係ないのでしょうか?

実は、そうとは限りません。

膝の周囲には、筋肉や腱、靱帯などさまざまな組織があります。また、膝そのものの問題が、膝の少し上や下の痛みとして感じられることもあります。

ですから、診察では「膝が痛い」という言葉だけではなく、実際にどこが痛むのか、どの動きで痛むのかを確認することが大切です。

この**「膝の周りに感じる痛みと、膝との関係」**については、水曜日にもう少し詳しくお話しします。

【重要】当院でリハビリテーションを受ける患者さんへ

当院では、健康保険のルールに基づき、医師が必要と判断した患者さんにリハビリテーションを行っております。

リハビリテーションには、健康保険上の治療期間や、1日に実施できる単位数などのルールがあります。

限られた治療期間と予約枠を有効にご利用いただくため、当院でリハビリテーションを受ける患者さんは、以下の点をご確認ください。

1.リハビリテーションには治療期間があります

健康保険によるリハビリテーションには、病気やけがの種類に応じて、受けられる標準的な期間(算定日数)が定められています。

運動器リハビリテーションでは、原則として治療開始から150日が一つの基準となります。

この期間は、通院できなかった期間があっても、その分延長されるものではありません。

限られた治療期間を有効にお使いいただくため、できるだけ計画的に通院してください。

2.リハビリテーションの頻度と時間

当院では、患者さんの症状や治療計画に応じて、原則として週1~3回程度のリハビリテーションを行います。

1回の時間は原則として**20分(1単位)**です。

十分な治療効果を得るためには、必要な期間、計画的に継続して受けていただくことが大切です。

3.予約のキャンセルについて

リハビリテーションの予約は、できる限りキャンセルされないようお願いいたします。

体調不良やご家庭の事情など、やむを得ない理由であっても、通算3回キャンセルされた場合には、いったんリハビリテーションの予約を中止させていただきます。

その場合は、再開前に医師の診察を受けていただき、現在の症状や通院状況を確認したうえで、今後の治療方針についてご相談してから再開いたします。

健康保険のルールにより、一人の療法士が1日に実施できるリハビリテーションの単位数には上限があります。

そのため、一つの予約枠は、その時間に治療を必要とする患者さんのために確保された大切な時間です。

リハビリテーションの予約枠は、治療を必要とするすべての患者さんで共有している、限りある医療資源です。

予約された時間を大切にお使いいただきますよう、皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

肩は上がるから、まだ大丈夫?

肩の痛みは「動き」にも注意してください

「肩は痛いけれど、まだ腕は上がる」
「日常生活はできているから、もう少し様子を見よう」

肩に痛みが出たとき、このように考える方は少なくありません。

もちろん、肩が痛いからといって、すべての方に大きな問題があるわけではありません。

ただ、肩について一つ覚えておいていただきたいことがあります。

肩は「どれだけ痛いか」だけではなく、**「以前と同じように動いているか」**も大切なポイントです。


「痛いから動かさない」が続いていませんか?

肩が痛むと、無意識のうちに痛い動きを避けるようになります。

高いところに手を伸ばさなくなったり、痛い側の腕をあまり使わなくなったり……。

最初は「痛いだけ」だったのに、いつの間にか肩を動かす範囲そのものが狭くなっていることがあります。

たとえば、次のような変化がないか一度確認してみてください。

  • 洗髪やドライヤーが以前よりやりにくい
  • 上着を着るときに肩が痛む
  • 高い棚の物を取りにくくなった
  • 背中に手を回しにくくなった
  • 反対側の肩と比べて腕が上がりにくい

「痛みが軽くなった=元通り」とは限りません

ここが、肩の症状で特に注意していただきたいポイントです。

肩の痛みは、時間の経過とともに軽くなってくることがあります。

すると、「痛くなくなってきたから治った」と安心してしまいがちです。

ところが、痛みが軽くなったあとも、肩の動きが悪いまま残ることがあります。

四十肩・五十肩の経過の中では、肩の関節が固まって動きにくくなる、いわゆる凍結肩の状態になることがあります。

ですから、肩の状態を判断するときは、痛みの強さだけを見るのではなく、

  • 「以前と同じところまで腕が上がるか」
  • 「左右で動きに差が出ていないか」

にも目を向けていただきたいと思います。


動かなくなってからではなく、動かしにくくなり始めた段階で

「まだ腕は上がるから大丈夫」という段階でも、以前と比べて動かしにくくなっているのであれば、一度肩の状態を確認する意味があります。

肩が完全に固くなってから治療を始めるよりも、早い段階で状態を把握し、痛みを抑えながら適切に肩を動かしていくことが大切だからです。

特に、

  • 「肩が痛くて、最近あまり動かさなくなった」という方
  • 「夜寝ているときに肩が痛んで目が覚める(夜間痛がある)」という方

は、痛みの強さだけで判断せず、早めの受診をご検討ください。


すでに肩が固くなっている方へ

一方で、

「もう何ヶ月も経っている」
「すでに肩が上がらない」

という方に、「今からでは遅い」とお伝えしたいわけではありません。

凍結肩になっている場合でも、状態を確認しながら根気よくリハビリや治療を続け、肩の動きの改善を目指していきます。

大切なのは、

  • 早い段階の方は、動かなくなる前に。
  • すでに固くなっている方は、あきらめずに。

現在の肩の状態に合わせて、しっかり向き合っていくことです。


まとめ:肩は「痛み」と「動き」の両方を見てください

肩が痛いと、どうしても「今日は痛い」「今日は少し楽」という痛みの強さに目が向きがちです。

しかし、もう一つ確認していただきたいのが**「肩の動き」**です。

「まだ我慢できるから」
「そのうち痛みがなくなるだろう」

と思っている方も、一度左右の肩を比べてみてください。

以前より腕が上がりにくい。
背中に手を回しにくい。
痛いので肩を使わなくなっている。

そんな変化が出ているようでしたら、痛みが強くなるまで我慢するのではなく、一度、整形外科で肩の状態を確認してみてください。

糖尿病なのに、なぜ眼科に行くの?

― HbA1cが良くても「目は大丈夫」とは限りません

水曜日は内科のお話です。

今月のテーマは「糖尿病」。

今日は少し意外に思われるかもしれませんが、糖尿病と眼科についてお話しします。

「糖尿病で内科に通っているのに、どうして眼科にも行かないといけないの?」

そう思われる方もいらっしゃるでしょう。

実はここに、糖尿病という病気を理解するうえで、とても大切なポイントがあります。

糖尿病は「血糖値だけの病気」ではありません

糖尿病というと、

「血糖値が高くなる病気」

「HbA1cを下げる病気」

というイメージが強いと思います。

もちろん、血糖値を適切に管理することはとても大切です。

しかし、私たちが糖尿病を治療する本当の目的は、血糖値という数字だけを良くすることではありません。

高い血糖が長く続くと、全身の血管や神経が少しずつ傷んでいきます。

その影響は、目だけにとどまりません。

血管や神経のダメージは、脳や心臓、腎臓、足など、全身のさまざまな場所に及ぶ可能性があります。

なかでも、目の網膜にある細い血管が傷むことで起こる代表的な合併症が「糖尿病網膜症」です。

糖尿病では、細い血管などが傷むことで起こる合併症として、

網膜症・腎症・神経障害

の3つがよく知られています。

いわゆる糖尿病の三大合併症です。

糖尿病で守りたいのは、HbA1cという数字そのものではありません。

自分の目で見ること。
自分の足で歩くこと。
体の働きを守ること。
そして、これまで通りの生活を続けること。

そのために血糖値を管理しているのです。

「HbA1cが良いから大丈夫」とは限りません

ここは、糖尿病を診療している私自身も気をつけているところです。

HbA1cが目標範囲に入っていることは、とても大切です。

しかし、「HbA1cが良い」ことと「合併症がない」ことは、必ずしも同じではありません。

糖尿病は長い経過をみていく病気です。

現在のHbA1cが落ち着いていても、それだけで、これまでの糖尿病による影響や現在の合併症の有無まで判断することはできません。

長く糖尿病診療をしていると、血糖値が比較的落ち着いている患者さんでも、検査をして初めて合併症が見つかることを経験します。

血糖値の数字が良いことに、安心しきらない。

これは患者さんだけに申し上げているのではありません。

糖尿病を診る私自身への戒めでもあります。

とくに「目」は、自覚症状だけでは分かりません

糖尿病網膜症で注意したいのは、初期には自覚症状がほとんどないことです。

「よく見えているから大丈夫」

「目に困っていないから、眼科には行かなくてもいい」

とは限りません。

内科でHbA1cを測っても、網膜の状態そのものを確認することはできません。

だから眼科で、目そのものを診てもらう必要があります。

症状が出てから眼科へ行くのではなく、症状がない段階から確認しておく。

これが大切です。

内科と眼科の連携が、これからますます大切になります

国としても、糖尿病の患者さんの重症化を防ぐため、糖尿病を診る医療機関と眼科との連携を後押ししています。

制度の細かい話より、大切なのはその背景です。

糖尿病を内科だけで診るのではなく、必要に応じて眼科と連携し、網膜症を早い段階から確認していく。

その大切さが、あらためて見直されています。

内科で「一度、眼科で診てもらいましょう」と言われたら

「目は何ともないのに、どうして?」

と思われるかもしれません。

でも、何ともない時に確認することにこそ、意味があります。

血糖値を診る内科と、実際に目を診る眼科。

それぞれが役割を分担しながら、患者さんの目を守っていく。

これも糖尿病治療の大切な一部です。

糖尿病の治療目標は、検査表にきれいな数字を並べることではありません。

5年後、10年後も、見える。歩ける。自分らしい生活を続けられる。

そのための血糖管理であり、そのための合併症チェックです。

HbA1cが良い方も、安心してそこで終わりにせず、

「最近、眼科で目を診てもらったかな?」

一度、思い出してみてください。

肩が痛い・腕が上がらない―「四十肩」と決めつけていませんか?

「肩が痛くて腕が上がらない」

「夜、肩が痛くて目が覚める」

「服を着替えるときに肩が痛い」

40代、50代になると、こうした症状から「四十肩・五十肩だろう」と考える方は少なくありません。

もちろん、肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)は、肩の痛みを起こす代表的な原因の一つです。

しかし、肩が痛いからといって、原因が肩だけにあるとは限りません。

肩の痛みに「首」が関係していることがあります

肩から腕にかけて痛みやしびれがある場合、肩関節だけでなく、首から出ている神経が関係していることがあります。

その代表的なものの一つが頚椎症性神経根症です。

首から腕、手へ向かう神経が影響を受けることで、肩や肩甲骨の周辺、腕などに痛みやしびれを感じることがあります。

患者さん自身は「肩が悪い」と思っていても、診察してみると首の影響も考える必要がある場合があります。

そして、もう一つ大切なのが、

「肩か首か、どちらか一つ」とは限らない

ということです。

肩関節そのものの問題と、首からくる症状が重なっていることもあります。

首から手まで、別々ではなくつながっています

私たちは普段、

「肩」
「肘」
「手首」

と、それぞれ別の場所として考えます。

しかし実際に腕を使うときには、それぞれが独立して動いているわけではありません。

首から肩、上腕、肘、前腕、手首・手まで、つながりながら働いています。

どこかに痛みや動かしにくさがあると、そこをかばうことで、別の場所の使い方が変わることもあります。

また、神経も首から腕を通って手の方へ走っています。

そのため、肩から腕にかけての症状を考える際には、肩関節だけでなく、症状によっては首や神経、肘なども含めて確認することが大切です。

「四十肩だと思っていた」症状に別の原因が重なることも

肩から腕にかけての症状には、四十肩・五十肩だけでなく、

  • 頚椎症性神経根症
  • 胸郭出口症候群
  • 橈骨神経や尺骨神経など末梢神経に関連する症状
  • 肘部管症候群
  • 肘周辺の障害

などが関係することがあります。

そして、これらは必ず一つだけが存在するわけではありません。

複数の要因が重なって、一つの症状をつくっていることもあります。

だからこそ、

「肩が痛いから四十肩」

「手がしびれるから首」

と、症状だけで自己判断するのは難しいことがあります。

肩の痛みは「どこが痛いか」だけで考えない

診察で大切なのは、最初から病名を一つに決めてしまうことではありません。

どのような動作で痛むのか。

腕はどこまで上がるのか。

夜に痛むのか。

首を動かすと症状が変わるのか。

腕や手に痛み・しびれがあるのか。

こうした症状を一つずつ確認しながら、肩だけでなく、必要に応じて首から腕まで含めて原因を考えていきます。

「手術と言われるのが怖い」という方へ

肩の痛みが続いていても、

「病院へ行ったら手術と言われるのではないか」

と不安で、受診をためらっている方もいらっしゃいます。

もちろん、肩の状態によっては手術が適切な治療となる場合があります。

一方で、すべての肩の痛みが、すぐに手術を必要とするわけではありません。

まず、肩そのものに原因があるのか、首や神経も関係しているのか、いくつかの原因が重なっているのかを確認することが大切です。

そのうえで、手術以外の治療で改善できる可能性も含めて、その方に合った治療方法を検討します。

そして、手術など専門的な治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関へつなぐことも整形外科の大切な役割です。

肩が痛いときこそ、肩だけを見ない

肩の痛みは、一見すると単純に思えるかもしれません。

しかし実際には、

肩そのものの問題なのか。

首や神経が関係しているのか。

いくつかの原因が重なっているのか。

を考える必要がある場合があります。

「年齢だから仕方ない」

「四十肩だから、そのうち治るだろう」

と決めつけず、

  • 肩の痛みがなかなか良くならない
  • 腕が上がりにくい
  • 夜、肩が痛くて眠れない
  • 肩だけでなく腕や手にも痛みやしびれがある

といった症状がある場合には、整形外科で一度ご相談ください。

肩だけを見るのではなく、首・肩・腕・肘・手までのつながりを意識しながら、症状の原因を考えていくことが大切です。