「薬はずっと同じやし、変わりないよ」
「血圧の薬だけもらえたら、それでええねん」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
けれど、薬が同じだからといって、診察に意味がないわけではありません。診察で身体の状態を確認したうえで、「同じ薬を続けてよい」と医師が判断しているのです。
ふるやまクリニックでは、いつもの診察を、薬の処方とともに「今の身体の状態を確かめる大切な機会」と考えています。
血圧を測り、胸の音を聞き、お話を伺う。その一つひとつに意味があります。
- 家庭で測った血圧からは、普段の生活での血圧の状態を。
- 院内で測った血圧からは、受診時の状態や、家庭との違いを。
- 胸の聴診では、心音や心臓のリズムに気になる所見がないかを。
さらに、「最近ふらつきはありませんか」「息切れはしませんか」「薬を飲み忘れたり、飲みづらかったりすることはありませんか」といった問診から、体調や服薬状況の変化を確かめます。
医師はこれらの情報を組み合わせて、今の治療を続けてよいか、薬の調整や詳しい検査が必要かを判断しています。
家庭と病院で血圧が違うときも、そのままお伝えください。
「家では低いのに、病院に来ると高い」というのも、大切な情報です。反対に、「病院では正常なのに、家では高い」という場合もあり、院内の測定だけでは見逃してしまうことがあります。
どちらの場合も、その違いを含めて治療を考えます。「家では低いから大丈夫」とご自身だけで判断せず、ぜひ家庭血圧の記録をお持ちください。
車は買い替えられます。でも、身体は取り替えられません。
車も、長いあいだ点検せずに走り続ければ、ある日突然故障して、もう乗れなくなることがあります。
身体にも、自覚症状だけでは気づけない変化があります。高血圧は、ほとんど症状がなくても心臓や血管などに負担をかけ、脳卒中や心筋梗塞といった重大な病気につながることがあります。
「しんどくないから」「いつもと同じだから」だけでは、状態を十分に判断できないのです。
もちろん、毎回の診察ですべての病気が見つかるわけではありません。それでも、普段の状態と比べて変化の手がかりを拾い、必要な検査や治療につなげる意味があります。
せっかく来院されたら、医師の判断をご自身のために役立ててください。
血圧の記録を見せる。
気になる変化をひと言伝える。
胸の音を聞かせていただく。
その1〜2分のやり取りが、今の治療を見直すきっかけになることがあります。気になることがあれば、さらに詳しく確認します。
診察の目的は、今の身体の状態に治療が合っているかを確かめることです。 薬や検査を増やすこと自体が目的ではありません。確認したうえで「今の治療をそのまま続ける」と決めることも、大切な医学的判断です。
受診の間隔は、血圧や体調、治療内容に合わせて相談しながら決めます。通院の負担や、検査・薬の必要性が気になるときも、遠慮なくお尋ねください。何のために必要なのかを理解していただくことも、診察の大切な役割です。
取り替えられない身体だからこそ、「いつもの薬」の前に「いつもの診察」を。
これからも自分の足で歩き、自分らしく暮らしていくために。そのひと手間を、大切にしていただきたいと考えています。
ふるやまクリニック
