――腰痛には、早めの診察が必要な場合があります
「またいつもの腰痛だろう」
「少し休めば、そのうち治るだろう」
腰が痛くても、このように考えて様子を見ている方は少なくありません。
腰痛の多くは、筋肉や関節への負担、加齢による変化などが関係しています。しかし、すべての腰痛が同じではありません。
なかには、骨折や感染症、神経の強い圧迫など、早めに詳しく調べた方がよい病気が隠れていることがあります。
こんな腰痛には注意が必要です
次のような症状や状況がある場合は、単なる腰痛と決めつけず、早めに医療機関へ相談してください。
転倒した後から強く痛む
尻もちをついた後や転倒した後から腰が痛む場合は、背骨の圧迫骨折が隠れていることがあります。
特に、骨粗しょう症がある方や高齢の方では、大きな事故でなくても骨折することがあります。
「転んでいないから大丈夫」とは限りません。重い物を持った、体をひねった、くしゃみをしたといった小さなきっかけで痛みが始まることもあります。
安静にしていても強く痛む
一般的な腰痛は、姿勢や動作によって痛みが変化することが多くあります。
一方で、動いていないときにも強く痛む、横になっても楽にならない、夜中に何度も痛みで目が覚める場合には、別の原因がないか確認が必要です。
夜に痛むという症状だけで重大な病気と決まるわけではありませんが、発熱、体重減少、がんの治療歴など、ほかの所見を伴う場合には注意が必要です。腰痛の危険な兆候は、一つの症状だけではなく、年齢、経過、既往歴、全身状態を合わせて判断します。
発熱や強いだるさを伴う
腰痛とともに発熱、寒気、強いだるさなどがある場合には、背骨やその周囲の感染症が隠れている可能性があります。
糖尿病のある方、免疫を抑える薬を使用している方、最近手術や処置を受けた方などは、特に注意が必要です。
がんの治療歴や急な体重減少がある
現在がんの治療中の方だけでなく、過去にがんの治療を受けたことがある方も、新しく腰痛が出た場合には、その治療歴を医師に伝えることが大切です。
食事量を減らしていないのに体重が減っている、痛みが徐々に強くなっているといった場合も、原因を確認した方がよいことがあります。
足に力が入りにくい、歩きにくい
腰の神経が強く圧迫されると、足の痛みやしびれだけでなく、足に力が入らない、つまずきやすい、歩きにくいといった症状が現れることがあります。
特に、足の力が急に弱くなった場合や、症状が次第に悪化している場合は、早めの評価が必要です。
尿や便が出にくい、股の周囲がしびれる
腰痛や足のしびれに加えて、
- 尿が出にくい
- 尿や便が漏れる
- 排尿している感覚が分かりにくい
- お尻や股の周囲の感覚が鈍い
- 両足に強いしびれや力の入りにくさがある
といった症状が突然現れた場合は、腰の神経が広い範囲で強く圧迫されている可能性があります。
このような症状は、速やかな検査や治療が必要になることがあります。診療時間を待たず、救急医療機関への相談を検討してください。
腰痛の診察では何を確認しているのでしょうか
腰痛の診察は、湿布や痛み止めを受け取るためだけのものではありません。
診察では、
- いつ、どのように痛みが始まったか
- 動いたときと安静時で痛みが変わるか
- 転倒やけががなかったか
- 発熱や体重減少がないか
- がんや骨粗しょう症などの治療歴
- 足の感覚や筋力
- 歩き方
- 尿や便の異常
などを確認します。
こうした情報を組み合わせて、一般的な腰痛として治療できるのか、画像検査が必要なのか、設備の整った病院で詳しく調べる必要があるのかを判断します。
「いつもの腰痛」と思っていても、状態は毎回同じとは限りません
腰痛があるからといって、必ず重大な病気が隠れているわけではありません。
しかし、腰痛の原因や危険度は、痛む場所だけでは判断できません。これまでの経過や全身の状態、足の力や感覚などを診察することで、初めて分かることがあります。
特に、
- これまでと違う強い腰痛
- 転倒や尻もちの後から始まった腰痛
- 安静にしていても続く痛み
- 発熱や急な体重減少を伴う腰痛
- 足の力が入りにくい、歩きにくい
- 尿や便の異常を伴う
といった場合は、我慢せず早めにご相談ください。
腰痛の診察は、痛みの原因と、見逃してはいけない兆候を確認するための大切な健康チェックです。
ふるやまクリニック
整形外科・内科・リハビリテーション科
大阪府羽曳野市高鷲9-1-1

