日別アーカイブ:2026年7月24日

熱中症は、痛み止めを飲んでも治りません

診察をしていると、ときどき、

「熱中症っぽいので、効く薬をください」

と言われることがあります。

熱中症に特効薬のようなものはないとお伝えすると、

「それなら、頭痛の薬をください」

と言われることもあります。

しんどいので、何か薬を飲んで早く楽になりたい。そのお気持ちはよく分かります。

しかし、痛み止めだけで済ませようとするのは、少し危険です。

熱中症は「薬を飲めば治る病気」ではありません

熱中症は、暑さによって体に熱がこもり、汗と一緒に水分や塩分が失われた状態です。

痛み止めを飲むと、頭痛が一時的に軽くなることはあります。

しかし、体の中の水分不足や、体にこもった熱は改善していません。

「痛みが減ったから、もう大丈夫」

と思って動き続けると、かえって症状が悪くなることがあります。

頭痛を軽くすることと、熱中症を治すことは別です。

熱中症の基本の対処は、この3つです

  1. 涼しい場所で休む
  2. 体を冷やす
  3. 水分と塩分を補う

意識がはっきりしていて、自分で水分を飲める場合は、まずこの3つを行ってください。

ご自宅でできること

涼しい場所へ移る

冷房の効いた部屋や、風通しのよい日陰で休みます。

服をゆるめる

襟元やベルトをゆるめ、体の熱を逃がしやすくします。

体を冷やす

保冷剤や冷たいタオルなどで、

  • 首のまわり
  • 脇の下
  • 足の付け根

を冷やしてください。

水分と塩分を補う

意識がはっきりしていて、吐き気がなければ、経口補水液などを少しずつ飲みます。

一度にたくさん飲むのではなく、少しずつ補うことが大切です。

※心臓や腎臓の病気などで、水分や塩分を制限されている方は、かかりつけ医の指示に従ってください。

こんなときは、我慢せず受診してください

  • 頭痛や吐き気、強いだるさが続く
  • 水分が十分に取れない
  • ふらついて歩きにくい
  • 冷やして水分を取っても良くならない
  • 尿が少ない
  • 持病があり、いつもと違うだるさやふらつきがある
  • 一人暮らしで、様子を見てくれる人がいない

症状が強いときや、口から十分な水分が取れないときには、点滴が必要になることがあります。

点滴が必要かどうかは、症状や血圧、脱水の程度、持病などを診察して判断します。

こんなときは、すぐに救急車を呼んでください

  • 呼びかけへの反応がおかしい
  • ぼんやりしている
  • 自分で水分を飲めない
  • 何度も吐いている
  • けいれんしている
  • まっすぐ歩けない
  • 明らかに普段と様子が違う

意識がもうろうとしている方に、無理に水を飲ませてはいけません。

水が誤って気管に入る危険があります。

救急車を待つ間も、涼しい場所へ移し、服をゆるめて、体を冷やし続けてください。

「若いから大丈夫」とは限りません

熱中症は、ご高齢の方だけの病気ではありません。

若い方でも、

  • 長時間、暑い場所にいた
  • 水分をあまり取っていなかった
  • 寝不足だった
  • 食事が十分に取れていなかった
  • 体調を崩していた

といった条件が重なると、熱中症になります。

「若いから大丈夫」と考えず、年齢ではなく、今出ている症状で判断することが大切です。

薬で我慢せず、早めにご相談ください

熱中症の基本は、

冷やすこと
水分と塩分を補うこと
休むこと

です。

痛み止めを飲んで無理を続けるのではなく、頭痛や吐き気、強いだるさがあるときは、早めに受診してください。

熱中症かなと思ったら、薬で我慢せず、早めの受診を。

ふるやまクリニック