「腕がジンジンして、夜も気になる」
「お尻から脚にかけて、ビリビリ痛む」
「薬を飲むだけで良くなるのか、心配」
前回の記事では、肩や手足の痛み・しびれにはさまざまな原因があることをお伝えしました。
今回は、首や腰などで神経が圧迫・刺激されて起こる症状を中心に、当院でどのように治療を進めていくかをご紹介します。
治療法を選ぶうえで大切なのは、「症状の強さ」「どのくらい続いているか」、そして**「手足の力が保たれているか」**です。
1.まず「つらさ」と「動かしにくさ」を確認します
神経に関係する症状は、「しびれる」というより「痛い」と感じる方も多くいらっしゃいます。診察では、言葉の表現だけに頼らず、実際にどのような感覚なのかを詳しく伺います。
- どこに、どのような痛みやしびれがあるか
- 時々出るのか、常に続いているのか
- 姿勢や動作によって強くなるか
- 睡眠、家事、仕事など日常生活に支障があるか
- 物をつかみにくい、足を持ち上げにくいなどの変化があるか
問診に加えて、感覚や筋力などを診察し、一人ひとりに必要な検査と治療法を考えていきます。
2.症状が軽い場合は、お薬を中心に
症状が比較的軽く、筋力の低下がみられない場合は、お薬を中心とした治療から始めます。
原因や痛みの性質に合わせてお薬を選び、経過を確認していきます。あわせて、症状が強くなりやすい姿勢や動作を伺い、日常生活での負担の減らし方についてもお伝えします。
お薬の役割と組み合わせ
神経に関わる治療では、主に次のような役割を持つお薬を、状態に応じて組み合わせます。
- 炎症を抑えるお薬
- 神経の状態や原因に応じて、回復を支える目的で用いるお薬
- つらい痛みやしびれを和らげるお薬
原因や神経の状態に応じた治療と、今あるつらさを和らげる治療。その両方が大切です。
痛みを和らげることも、治療の大切な一部です。睡眠や日常の活動を保ちやすくなり、リハビリにも取り組みやすくなります。
お薬の効き目や副作用を確認しながら、その方に合った内容に調整していきます。
3.強い痛み・しびれが続く場合は「注射」や「リハビリ」も
「常にジンジン痛む」
「ビリビリした痛みが続いて、仕事に集中できない」
このように、筋力は保たれていても症状が強い場合には、お薬に加えて、注射やリハビリテーションの併用を検討します。
注射治療
痛みや炎症を和らげる目的で、局所麻酔薬やステロイドなどを用いた注射を行うことがあります。診察所見や持病、服用中のお薬などを踏まえて、適応を判断します。
理学療法士による個別リハビリ
当院では、理学療法士による個別のリハビリテーションに力を入れています。
体の動かし方や症状が出やすい姿勢を確認し、一人ひとりの状態に合わせた運動や動作指導を行います。
痛みを我慢して無理に動かすのではなく、症状に合わせて負担を調整しながら、日常生活で困っている動作の改善を目指します。
4.力が入りにくい場合は、精密検査や専門医への紹介を考えます
「力が入りにくい」と感じる場合、痛みのために力を入れにくいのか、筋肉の力そのものが落ちているのかを見極めます。
軽い筋力低下がみられる場合
必要に応じて連携医療機関でMRI検査を行い、神経の圧迫の状態などを詳しく調べます。
お薬などによる治療を進めながら、検査結果や筋力の変化を確認し、専門医への紹介が必要かどうかも判断します。
筋力低下が強い、または急に進んでいる場合
速やかに専門医療機関へご紹介します。状態によっては、手術を含めた治療の検討が必要になるためです。
特に、腰や脚の痛み・しびれに加えて、急に尿が出にくくなった、尿や便が漏れるようになった、股の間の感覚が鈍くなった場合は、救急外来などを直ちに受診してください。
検査や紹介の判断は、痛みの強さだけでは決まりません。
「前より物を落としやすくなった」「つまずきやすくなった」といった日常の小さな変化も、診察の際にぜひお知らせください。
5.原因が違えば、治療も変わります
帯状疱疹、足の血流障害、糖尿病に伴う神経障害など、神経の圧迫以外が原因の場合は、それぞれの病気に応じた治療が必要です。
そのため、「しびれにはこの薬、このリハビリ」と一律に決めることはできません。
診察や必要な検査で原因を検討し、必要に応じて他科の専門医とも連携して治療を進めます。
我慢せず、日常の「お困りごと」をお聞かせください
痛みやしびれの治療では、症状を和らげるだけでなく、眠る・働く・家事をする・歩くといった毎日の生活を続けられるようにすることが大切です。
「まだ動けるから大丈夫」と我慢せず、どんな場面で困っているかを、医師やスタッフにお聞かせください。
当院では、一人ひとりの症状と診察所見をもとに、お薬・注射・理学療法士によるリハビリを検討し、精密検査や専門医へのご紹介も含め、その方に合った治療方針をご提案します。
