「膝が痛いから、なるべく歩かないようにしている」
「足が弱らないように歩いているけれど、痛みが気になる」
「動かしたほうがいいのか、休んだほうがいいのか、わからへん」
膝が痛むと、毎日の過ごし方にも迷いが出てきますよね。
前回は、階段を下りるときや椅子から立ち上がるときの「膝の痛み」についてお伝えしました。今回は、変形性膝関節症などによる膝の痛みに、リハビリをどう役立てていくかをご紹介します。
休むことと動かすこと、膝の状態に合わせて
痛みがあるときに、無理をして歩き続ける必要はありません。一方で、膝をかばって動かない生活が長く続くと、筋力が低下し、関節も動かしにくくなります。その結果、かえって立ち上がりや歩行が難しくなることがあります。
大切なのは、今の膝の状態に合わせて、負担を減らしながら必要な運動を続けることです。
腫れや痛みが強い時期は、まず医師の診察で状態を確認します。負担のかかる動作を控え、痛みを和らげる治療を行いながら、運動は今できるものから少しずつ始めます。運動後の痛みや腫れも確かめ、内容や量を調整していきます。
ただし、次のような場合は自己判断で運動を始めず、早めに受診してください。
- 急に膝が腫れた、赤くなった、熱を持っている
- 体重をかけられないほど痛い
- 転んだり、ひねったりした後から痛みが続いている
- 膝が引っかかって伸びない
特に、膝の腫れや熱感に発熱を伴う場合や、体重をかけられない場合は、当日中を目安に医療機関へご相談ください。
リハビリでは、膝だけでなく「動き方」も確認します
同じ「膝が痛い」でも、膝の状態や困っている動作は人それぞれです。
当院では、医師の診察を踏まえて、理学療法士が膝の曲げ伸ばし、脚の筋力、立ち上がり方や歩き方などを確認します。必要に応じて、股関節や足首の動きにも目を向けます。
そのうえで、お一人おひとりの状態に合わせて、次のようなリハビリを行います。
- 膝を支える筋肉のトレーニング
- 膝の曲げ伸ばしを保つためのストレッチや運動
- 立ち上がりや歩行など、日常動作の練習
- ご自宅で続けられる運動の指導
- 膝の負担を減らす生活上の工夫のご提案
リハビリに「積極的に取り組む」とは、痛みを我慢して頑張ることではありません。ご自身に合った運動と動き方を身につけ、日々の生活の中で続けていくことです。
痛みを和らげ、その先の暮らしを支えるために
薬や注射は、必要に応じて痛みを和らげるために用います。それとともに、リハビリで筋力や関節の動き、体の使い方を整えていくことも、膝の治療の重要な柱です。
当院では、膝の状態を見極めながら早い段階からリハビリを取り入れ、痛みや動きにくさの改善を目指しています。
目標は、痛みを和らげることに加え、その先の暮らしを支えることです。
ご自分の足で買い物に行く。坂道や階段への不安を減らし、出かける機会を増やす。ご家族との旅行を楽しむ。
そうしたいつもの暮らしを、この先も続けていただけるように、診療とリハビリを通じて支えていきます。
いつまでも「じぶんのあしであるく」ために
ご自身の膝をできるだけ長く大切に使い、歩く力を守っていく。そのために、リハビリを日々の治療に役立てていただきたいと考えています。
一方、痛みや生活への支障が十分に改善しない場合には、人工関節などの手術が選択肢になることもあります。膝の状態やご本人の希望に合わせて治療を考え、どの治療を選ぶ場合でも、ご自身の足で歩き、生活できる状態を目指します。
「買い物の途中で膝が痛くなる」
「坂道や段差が気になって、出かけるのがおっくうになってきた」
そんな日常のお困りごとや不安があれば、診察でお聞かせください。
「いつまでもじぶんのあしであるく」
そのために、今の膝に合った治療とリハビリを、一緒に考えていきましょう。
