診察をしていると、ときどき、
「熱中症っぽいので、効く薬をください」
と言われることがあります。
熱中症に特効薬のようなものはないとお伝えすると、
「それなら、頭痛の薬をください」
と言われることもあります。
しんどいので、何か薬を飲んで早く楽になりたい。そのお気持ちはよく分かります。
しかし、痛み止めだけで済ませようとするのは、少し危険です。
熱中症は「薬を飲めば治る病気」ではありません
熱中症は、暑さによって体に熱がこもり、汗と一緒に水分や塩分が失われた状態です。
痛み止めを飲むと、頭痛が一時的に軽くなることはあります。
しかし、体の中の水分不足や、体にこもった熱は改善していません。
「痛みが減ったから、もう大丈夫」
と思って動き続けると、かえって症状が悪くなることがあります。
頭痛を軽くすることと、熱中症を治すことは別です。
熱中症の基本の対処は、この3つです
- 涼しい場所で休む
- 体を冷やす
- 水分と塩分を補う
意識がはっきりしていて、自分で水分を飲める場合は、まずこの3つを行ってください。
ご自宅でできること
涼しい場所へ移る
冷房の効いた部屋や、風通しのよい日陰で休みます。
服をゆるめる
襟元やベルトをゆるめ、体の熱を逃がしやすくします。
体を冷やす
保冷剤や冷たいタオルなどで、
- 首のまわり
- 脇の下
- 足の付け根
を冷やしてください。
水分と塩分を補う
意識がはっきりしていて、吐き気がなければ、経口補水液などを少しずつ飲みます。
一度にたくさん飲むのではなく、少しずつ補うことが大切です。
※心臓や腎臓の病気などで、水分や塩分を制限されている方は、かかりつけ医の指示に従ってください。
こんなときは、我慢せず受診してください
- 頭痛や吐き気、強いだるさが続く
- 水分が十分に取れない
- ふらついて歩きにくい
- 冷やして水分を取っても良くならない
- 尿が少ない
- 持病があり、いつもと違うだるさやふらつきがある
- 一人暮らしで、様子を見てくれる人がいない
症状が強いときや、口から十分な水分が取れないときには、点滴が必要になることがあります。
点滴が必要かどうかは、症状や血圧、脱水の程度、持病などを診察して判断します。
こんなときは、すぐに救急車を呼んでください
- 呼びかけへの反応がおかしい
- ぼんやりしている
- 自分で水分を飲めない
- 何度も吐いている
- けいれんしている
- まっすぐ歩けない
- 明らかに普段と様子が違う
意識がもうろうとしている方に、無理に水を飲ませてはいけません。
水が誤って気管に入る危険があります。
救急車を待つ間も、涼しい場所へ移し、服をゆるめて、体を冷やし続けてください。
「若いから大丈夫」とは限りません
熱中症は、ご高齢の方だけの病気ではありません。
若い方でも、
- 長時間、暑い場所にいた
- 水分をあまり取っていなかった
- 寝不足だった
- 食事が十分に取れていなかった
- 体調を崩していた
といった条件が重なると、熱中症になります。
「若いから大丈夫」と考えず、年齢ではなく、今出ている症状で判断することが大切です。
薬で我慢せず、早めにご相談ください
熱中症の基本は、
冷やすこと
水分と塩分を補うこと
休むこと
です。
痛み止めを飲んで無理を続けるのではなく、頭痛や吐き気、強いだるさがあるときは、早めに受診してください。
熱中症かなと思ったら、薬で我慢せず、早めの受診を。
ふるやまクリニック

